福音書の中のマリア
☞マルコによる福音書の中のマリア
☞マタイによる福音書の中のマリア
☞ルカによる福音書の中のマリア
☞ヨハネによる福音書の中のマリア
マルコによる福音書の中のマリア
マリアが初の福音書であるマルコによる福音書の中でどう記されているか新約聖書(ギリシャ語原典)逐語訳から纏めてみました(☞をクリックすると逐語訳が開きます)
イエスの母マリア
イエスの身内が初めて現れるのは
☞マルコによる福音書3:21 そして彼(イエス)の身内の(者たちは)聞いて [彼等は]出て来ました 彼を捕らえるため [彼等は]言いました なぜなら[彼は]気が狂っているから
☞マルコによる福音書3:22 そしてエルサレムから下って来た[律法]学者たちは言いました それはベルゼブルを[彼は]抱えていると そして悪霊たちの頭によって悪霊たちを[彼は]追い出していると
イエスの母と兄弟たちが来て彼を呼びます
☞マルコによる福音書3:31 さて彼(イエス)の母と彼の兄弟たちがやって来ます そして外に立って 彼を呼びに彼に向かって[彼等は]人を遣わしました
☞マルコによる福音書3:32 そして彼(イエス)の周りに群衆が座っていました そして彼に[彼等は]言います [あなたは]見なさい あなたの母とあなたの兄弟たちが外であなたを捜しています
☞マルコによる福音書3:33 すると彼等に答えて[彼(イエス)は]言います 私の母と兄弟たちは誰ですか?
☞マルコによる福音書3:34 そして彼(イエス)の周りを見回して 回りに座っている[者たちに][彼は]言います [あなたは]見なさい 私の母(です) そして私の兄弟たち(です)
☞マルコによる福音書3:35 誰であれ神の意志を行おうとする者は まさにこの者は 私の兄弟そして姉妹そして母です
マリアの名が最初に出て来るのはイエスが故郷に行き安息日に会堂で教えを説いた時です
☞マルコによる福音書6:3 この[者は]大工ではないか?マリアの息子ではないか?そしてヤコブとヨセとユダとシモンの兄弟ではないか?そして彼の姉妹たちは私たちの中にここに居るではないか?そこで彼(イエス)によって[彼等(人々)は]躓かされました
☞マルコによる福音書6:4 そして彼等にイエスは言いました 預言者は敬われない[者]であることはない 彼の故郷の中 そして彼の親族の中 そして彼の家族の中を除くならと 
☞マルコによる福音書6:5 そしてそこで何一つ力ある業をすることが[彼(イエス)は]できなかった 僅かな患っている[者たちに]両手を置いて[彼が]癒したことを除くなら
イエスの父すなわちマリアの夫は一切出て来ません イエスの父系の系図もなくマリアの夫の名もなくマリアの父母の名もありません
作者マルコはマリアを女手一つで五人の息子と娘(娘の名は記されていません)何人(人数も分かりません)かを育て上げた母 成人した息子が気が狂ったと聞いて遠くまで引き取りに行く母 いくつになっても子を思う母として記しています 
イエスの母マリアはこの後出て来ません
他のマリアたち
イエスの母とは別のマリアたちがイエスの逮捕後イエスについて行きイエスの死に立ち会い墓に納められるを見て墓の中に入りイエスの復活を知ります
イエスが逮捕された時に男たち(全ての弟子たちと一人の若者)は逃げました
☞マルコによる福音書14:50 そして彼(イエス)を見捨てて彼等(弟子たち)は全て逃げ去りました
☞マルコによる福音書14:51 そしてある若者が裸の上に亜麻布を覆って彼について行きました そして彼等(人々)が彼を捕えます
☞マルコによる福音書14:52 そして亜麻布を後に残して裸で彼は逃げました
女たちはイエスの死を見守ります
☞マルコによる福音書15:40 そしてまた遠くから見ている女たちが居ました そしてその女たちの中にマグダラのマリアと小ヤコブとヨセの母マリアとサロメが居ました
☞マルコによる福音書15:41 それらの女たちはガリラヤに彼(イエス)が居た時彼に従い彼に仕えました そしてその他にエルサレムに彼と共に上って来た多くの女たちが居ました
アリマタヤ出身のヨセフがイエスを墓に納めるのを二人のマリアが見ました
☞マルコによる福音書15:46 そして彼(ヨセフ)は亜麻布を買って彼(イエス)を取り下ろし亜麻布に包み込みました そして岩を切り開いた墓の中に彼を置きました そして墓の入り口の上に石を転がしました
☞マルコによる福音書15:47 そしてマグダラのマリアとヨセの(母)マリアは彼(イエス)が]置かれた所を見ました
女たちは墓に入って白い衣の若者からイエスの復活を知らされます
☞マルコによる福音書16:1 そして安息日を過ぎた時マグダラのマリアとヤコブの(母)マリアとサロメはやって来て彼(イエス)に油を塗るため香料を買いました
☞マルコによる福音書16:2 そして彼女たちは週の初めの日に朝とても早く太陽の上った時墓の前にやって来ました
☞マルコによる福音書16:3 そして彼女たちはお互いに言いました 誰が墓の入口から石を私たちの為に外に転がしてくれるでしょうか?
☞マルコによる福音書16:4 そして目を上げた彼女たちは石がとても大きなものであったにも拘わらず外に転がされているのを見ます
☞マルコによる福音書16:5 そして墓の中に入って行った彼女たちは白く輝く衣に覆われて右側に座っている若者を見てびっくりしました
☞マルコによる福音書16:6 そして彼は彼女たちに言います  びっくりしてはいけません十字架に付けられたナザレのイエスをあなたたちは捜しています 彼は甦りましたここに居ません 見なさいその場所が彼を置いた所です
☞マルコによる福音書16:7 しかしあなたたちは行って彼の弟子たちとペテロに言いなさい 彼がガリラヤにあなたたちに先立って行き彼があなたたちに言ったようにそこであなたたちは彼を見出すと
☞マルコによる福音書16:8 そして墓から出て行った彼女たちは逃げました何故なら彼女たちは震えて我を忘れたから そして彼女たちは誰にも何も話しませんでした何故なら彼女たちは恐ろしかったから
イエスが初めにマグダラのマリアに現れます
☞マルコによる福音書16:9 さて甦った彼(イエス)は週の初めの朝早く初めにマグダラのマリアに姿を見せました かつて彼はその女の内から七つの悪霊を放り出しました
☞マルコによる福音書16:10 彼女は行って彼(イエス)の側に共に居た者たちに 嘆き悲しみ泣いている者たちに告げ知らせました
☞マルコによる福音書16:11 そして彼等は彼が生きていて彼女に姿を見せたことを聞いて信じませんでした
マグダラのマリアも小ヤコブとヨセの母マリアもガリラヤからイエスに従いイエスの世話をしていました
男の弟子たちと違って女たちは逃げません 死の最後までイエスに従い死後も死体の世話をします
イエスの甦りを女たちが先に知ります 甦ったイエスは真っ先に女マグダラのマリアに現れます イエスの甦りを男の弟子たちに告げても彼等は信じません
まさに
<女は先 男は後>
です
マリアの名の由来は=反抗=
ギリシャ語マリアのヘブライ語名はミリアムです 旧約聖書のミリアムといえばモーセとアロンの姉で初の女預言者です
ミリアムのヘブライ語の意味は反抗・反乱です ミリアムはモーセがエチオピアの女を妻に娶った時モーセに反抗しました まさにミリアム=反抗=です
作者マルコが記すギリシャ語のマリアたちは男の束縛から離れた女たちです 当時の社会は完全な男上位社会で父と夫が女を支配し束縛していました
イエスの母マリアは男社会の中で女手一つで多くの子供を育てました 他のマリアたちは信仰によって男社会を捨てイエスに従いました まさに男社会に対するマリア=反抗=です
Office Murakami
マタイによる福音書の中のマリア
マリアが二番目の福音書であるマタイによる福音書の中でどう記されているか新約聖書(ギリシャ語原典)逐語訳から纏めてみました(☞をクリックすると逐語訳が開きます)
イエスの母マリア
マタイによる福音書の中でマリアの名が最初に出て来るのはイエスの系図の最後です
イエスの系図はマタイ福音書の最初に記されています
アブラハムから始まりマリアの夫ヨセフで終わる四十二代に及ぶ系図です
☞マタイによる福音書1:16 そしてヤコブはマリアの夫ヨセフを生みました その女(マリア)からキリストと言われているイエスが産まれました
この系図は男系(父系)の名前が記されていますが特別に五人の女(母)が付け加えられています
タマルとラハブとルツとウリヤの妻とマリアです
タマルはユダの長男に嫁ぎますがその夫を主に殺され次男オナンも子種を地に流したことで主に殺されます 三男が成人するまで実家に戻され寡婦のまま長く待ちますがユダが約束を果たさないので娼婦を装い顔を隠しユダに近づき彼の息子を身籠り双子を産みました
☞創世記38
ラハブはエリコの地の娼婦ですがヨシュアの送った偵察者二人を家に匿い逃がしました 二人は攻め込んで来た時彼女の一族の命を助けるという誓いを立てました
☞ヨシュア記2
ヨシュアがエリコを占領しエリコの住民と町の全てを滅ぼした時ラハブと一族全員は助け出されその後イスラエルの中に住みました
☞ヨシュア記6
ルツは寡婦ナオミの嫁でモアブ女です 息子二人に先立たれたナオミがベツレヘムに帰る時離れず一緒について行きナオミの親族ボアズに贖われ娶られました
☞ルツ記1
☞ルツ記2
☞ルツ記3
☞ルツ記4
ルツ記の最後にタマルの双子の一人ペレツの系図がありここでタマルとルツが結び付きます その系図の最後にダビデの名が記されています
ウリヤの妻はバト・シェバです ダビデ王は部下の妻を見染め召し入れ彼女が身籠ると策を弄し忠実な部下を戦いの最前線に送り戦死させ喪が明けると彼女を妻にし息子を生ませました
☞サムエル記下11
マタイによる福音書は彼女の名を記さないことで彼女に対する思いを表していますが悪いのはダビデです 主はダビデを叱責しバト・シェバがダビデに産んだ息子を死なせました ダビデはバト・シェバを慰め彼女はダビデに再び息子ソロモンを産みソロモンは主に愛されました
☞サムエル記下12
ダビデが老いて彼の息子の一人アドニヤが王位継承を狙った時バト・シェバはダビデの許に乗り込みを説得し息子ソロモンを後継の王に据えました
☞列王記上1
真に母は強いです 母のお陰でソロモンは王位につきイスラエルに最高の繁栄を齎しました
神は女を通して歴史を創ります
系図の最後に記されているマリアを通して神はイエス誕生後の新しい歴史(紀元後)を創りました
この系図の後にイエス誕生の経緯が記されています 聖霊によって身籠ったマリアをヨセフは天使のお告げによって妻に娶り生まれた男の子をイエスと名付けました
☞マタイによる福音書1:18 さてイエス・キリストの誕生はこのようでした 彼の母マリアはヨセフと婚約していたが彼等が一緒になる前に聖霊によって胎に子を宿していることが明らかになりました
☞マタイによる福音書1:19 しかし彼女の夫ヨセフは正しい人で彼女を見世物にすることを望まず密かに彼女を去らせる心づもりでした
☞マタイによる福音書1:20 しかし彼がこうした心づもりであると 見なさい主の天使が夢で彼に姿を現してこう言いました ダビデの息子ヨセフよマリアをあなたの妻に娶ることを恐れてはいけませ何故なら彼女が身籠っている者は聖霊から出ているから
☞マタイによる福音書1:21 そして彼女は息子を産みます そしてあなたは彼の名をイエスと呼びなさい 何故なら彼は彼の民を罪から救うから#
☞マタイによる福音書1:22 しかしこのことごとくは主が預言者の言葉を通して語られたことが成就する為に起こりました
☞マタイによる福音書1:23 見なさい処女が胎の中に宿し息子を産みます そして彼の名をインマヌエルと]呼びます それを訳せば神は私たちと共にということです
☞マタイによる福音書1:24 そして眠りから目覚めたヨセフは主の天使が彼に命じた通りに行い彼の妻に娶りました
☞マタイによる福音書1:25 そして彼女が息子を産む時まで彼は彼女を知ることはありませんでした そして彼は彼(息子)の名をイエスと呼びました
イエス誕生の経緯はヨセフ中心に展開しておりマリアが子を身籠った経緯やマリアの人柄とか父母の名については記されていません
マタイによる福音者はイスラエルの預言者たちの言葉がイエスによって成就したことを繰り返し伝えています
イエスがベツレヘムで生まれたこと
☞マタイによる福音書2:6 そしてあなたユダの地ベツレヘムよ あなたはユダの統治者の中で最も小さいものではありません 何故ならあなたから私の民イスラエルを飼い育て治める者が出て来るから
ヨセフがイエスとマリアを連れてエジプトに逃げたこと 系図のヨセフとその父ヤコブはイスラエルのエジプト行きに繋がる名前です
☞マタイによる福音書2:15 そして彼はヘロデの死までそこに居ました それは私は私の息子をエジプトから呼びましたと言う主の預言者を通して告げられたことが成就する為
ヘロデ王が男の子を皆殺しにしたこと
☞マタイによる福音書2:17 そこで預言者エレミアを通してこう語られたことが成就しました
☞マタイによる福音書2:18 ラマで声が せび泣きと大いなる喪の悲しみが聞かれます ラケルが彼女の子供たちを泣き悲しんでおり慰められること望みません 何故なら彼等は居ないから
ヨセフがイエスとマリアを連れてエジプトから帰って来てナザレに住んだこと
☞マタイによる福音書2:23 そして彼はやって来てナザレと呼ばれる町の中に住みました 彼はナザレ人と呼ばれると預言者たちを通して告げられたことが成就する為
イエスの子供時代の言動は記されていません
マタイによる福音書はイエスが洗礼者ヨハネによって洗礼を受け悪魔の誘惑を退けガリラヤで伝道を開始したことを伝えます
伝道中のイエスに母と兄弟が会いに来ます
☞マタイによる福音書12:46 まだ彼が多くの人々に話している時 見なさい彼の母と兄弟たちが彼に語ることを求めて外に立っていました
☞マタイによる福音書12:48 しかし彼に告げた者に彼は答えて言いました 私の母とは誰か?そして私の兄弟たちとは誰か?
☞マタイによる福音書12:49 そして彼の手を彼の弟子たちに伸ばして彼は言いました 見なさい私の母と私の兄弟たちが居ます
☞マタイによる福音書12:50 何故なら何であれ天に居る私の父の意志を行う者は誰でも私の兄弟であり姉妹であり母であるから
マルコによる福音書とほぼ同じです
母マリアの名が次に出て来るのはイエスが故郷に行き安息日に会堂で教えを説いた時です
☞マタイによる福音書13:54 そして彼は故郷に来て会堂で彼等に教えを説きました 彼等は驚いて話しました この者はこの知恵と力ある業をどこから得たのか?
☞マタイによる福音書13:55 この者は大工の息子ではないか?彼の母はマリアと呼ばれ彼の兄弟たちはヤコブとヨセフとシモンとユダではないか
☞マタイによる福音書13:56 そして彼の姉妹たちは全て私たちと共に居ます この者はこれら全てのことをどこから得たのか?
マルコによる福音書と違うところはイエスが大工ではなく大工の息子になっている点と兄弟ヨセがヨセフになっている点です
母マリアはイエスを産んだ後に息子四人と娘何人かを産み夫ヨセフと共にナザレに住んでいたことになります
他のマリアたち
イエスの母とは別のマリアたちがイエスの逮捕後イエスについて行きイエスの死に立ち会い墓に納められるを見ます
☞マタイによる福音書27:55 そして多くの女たちが遠くから見ていました それはガリラヤからイエスについて行き彼に仕えた女たちです
☞マタイによる福音書27:56 それらの女たちの中にマグダラのマリアとヤコブとヨセフの母マリアとゼベダイの息子たちの母が居ました
☞マタイによる福音書27:61 そしてそこにマグダラのマリアともう一人のマリアが居て墓の方に向かってその前に座っていました
マグダラのマリアともう一人のマリアは墓に行って見ると天使からイエスの復活を告げられ急いで弟子たちに知らせに行く途中でイエスに会いました
☞マタイによる福音書28:1 さて安息日が終わり週の一の日に向かって夜が明ける時マグダラのマリアともう一人のマリアが墓を見る為やって来ました
マリアに代表される女たちがイエスに最後までついて行きイエスの復活に最初に立ち会っています
真に信仰を支えるのは女です
Office Murakami
ルカによる福音書の中のマリア
マリアが三番目の福音書であるルカによる福音書の中でどう記されているか新約聖書(ギリシャ語原典)逐語訳から纏めてみました(☞をクリックすると逐語訳が開きます)
ルカによる福音書は不妊の女と乙女が身籠り息子を産むことを天使が知らせる所から始まります
祭司ザカリアの妻エリサベトはアロンの娘で正しい人でしたが不妊で夫婦とも年をとっていました
祭司の務めをしていたザカリアに天使ガブリエルが現れ息子ヨハネの誕生を告げます その徴にザカリアの口が利けなくなります
☞ルカによる福音書1:5-25
六か月後に天使ガブリエルはヨセフの許嫁である乙女マリアに現れ息子イエスの誕生を告げます
☞ルカによる福音書1:26-38
マリアは親類エリサベトを訪ねエリサベトの祝福を受け主を讃えます
☞ルカによる福音書1:39-56
マリアはエリサベトの親類なので同じアロン家の娘ということになります
マリアの家系はルカによる福音書の中にだけ記されています
神に選ばれたアロン そのアロン家に属する娘たち二人を神は選んでヨハネとイエスを生ませたことになります
あくまで主役は女です
エリサベトは息子を産みその名をヨハネと付けるように主張しました その時ザカリアは口が利けるようになり神を讃えました
☞ルカによる福音書1:57-80
身籠っていたマリアはヨセフと共にベツレヘムに行き息子を産み布で包んで飼い葉桶に寝かせました
☞ルカによる福音書2:1-7
羊飼いたちは天使から救い主である主キリストの誕生を知らされベツレヘムに行き天使の言葉通り飼い葉桶に寝ている赤ん坊を見出し神を讃えました
マリアはこうした出来事を全て心にしまって置きました
☞ルカによる福音書2:8-20
両親は八日目の割礼の時に幼子をイエスと名付けました 清めの日数が過ぎると幼子を主に捧げる為にエルサレムに連れて行きました
☞ルカによる福音書2:21-24
エルサレムの神殿で聖霊に導かれたシメオンが幼子を抱き神を讃えマリアに預言します
☞ルカによる福音書2:25-35
女預言者アンナが近づいて来て神に感謝しエルサレムの贖いを望む人々に幼子のことを話しました
☞ルカによる福音書2:36-38
女預言者の名前が出て来るのは新約聖書の中でここだけです(ヨハネの黙示録にイゼベルという女預言者が出て来ますが彼女は自称です)
旧約聖書にはミリアムとデボラとフルダの三人の女預言者の名が記されています
ミリアムはモーセとアロンの姉です
☞出エジプト記15:20-21
デボラは唯一の女士師です
☞士師記4:4-5
フルダはヨシア王の時の女預言者です
☞列王記下22:14-20
マリアのヘブライ語はミリアムです ミリアムのヘブライ語の意味は反抗・反乱です
アンナのヘブライ語はハンナです ハンナのヘブライ語の意味は慈悲・思いやりです
旧約聖書のハンナと言えばサムエル記の最初に出て来るサムエルの母です
ハンナは子供を授からないことに苦しみ悩み主に懇願し生まれた子を一生主に捧げるという誓いを立てその通り実行しました
☞サムエル記上1:1-28
祭司サムエルは主に言われた通りエッサイの息子七人の中からダビデに油を塗りました
☞サムエル記上16:1-13
マリアとアンナとキリスト=油を塗られた=イエスはここで結び付きます
神は女を通して歴史を創ります
この後イエスはナザレで賢く育ち十二歳の時両親と共にエルサレムに上り神殿に一人残り神殿を「私の父の家」と言いました 母はこれらの言葉を心に留めました
☞ルカによる福音書2:39-52
イエスが洗礼者ヨハネから洗礼を受け天から「私の最愛の息子」という声が聞こえた時イエスの系図が記されます 父と思われていたヨセフから遡りアダムと神に至る系図です
☞ルカによる福音書3:21-38
この後イエスの母と兄弟はイエスの伝道中に訪れます ここでルカによる福音書はマルコとマタイと同様な言葉「私の母とは私の兄弟とは」を記しています
☞ルカによる福音書8:19-21
イエスの母が出て来るのはここまでです
他のマリアたち
イエスは多くの女たちの奉仕を受けていました イエスに七つの悪霊を追い出してもらったマグダラのマリアはその中の一人です
☞ルカによる福音書8:1-3
女たちは持ち物を出し合ってイエスと十二人の弟子に奉仕していました
真に信仰を支えるのは女です
イエスはマルタとマリア姉妹の家に入りました 忙しく立ち働くマルタより何もせず座ってイエスの話しに聞き入るマリアをイエスは良しとしました
☞ルカによる福音書10:38-42
イエスの甦りをマグダラのマリアとヤコブの母マリアとヨハナその他の女たちは墓に行って知らされました
☞ルカによる福音書24:1-12
イエスの甦りを女たちが先に知ります イエスの甦りを男の使徒たちに告げても彼等は信じません
まさに<女は先 男は後>です
Office Murakami
ヨハネによる福音書の中のマリア
マリアが四番目の福音書であるヨハネによる福音書の中でどう記されているか新約聖書(ギリシャ語原典)逐語訳から纏めてみました(☞をクリックすると逐語訳が開きます)
イエスの母
ヨハネによる福音書の中にイエスの母の名は一切出て来ません イエスの母と記されているだけです
イエスの母が最初に現れるのはガリラヤのカナの婚礼です
☞ヨハネによる福音書2:1 そして三日目にガリラヤのカナで婚礼の宴がありました そしてそこにイエスの母が居ました
☞ヨハネによる福音書2:2 そしてイエスと彼の弟子たちは婚礼に呼ばれました
☞ヨハネによる福音書2:3 そして葡萄酒が不足するとイエスの母は彼に言いました「葡萄酒がありません」
☞ヨハネによる福音書2:4 そしてイエスは彼女に言います「女よ私とあなたに何の関係があるのか?私の時はまだ来ていない」
☞ヨハネによる福音書2:5 彼の母は召使いたちに言いました「彼があなたたちに言うことは何でもしなさい」
イエスは母に対して女よと答え母と息子の関係を否定します 母の名前も呼びません
母は息子の「女よ」という言葉を気にすることなく息子の次の行動を予測して召使に指示します
イエスは母の予測通り水瓶の水を葡萄酒に変えます イエスの初の徴(奇跡)です
まさに子に対して「母は強い」ものです
この後母はイエスと行動を共にします 彼の兄弟も一緒です
彼の兄弟たちはイエスを信じていないのにイエスに徴を世に示すように勧めます
☞ヨハネによる福音書7:1-8
次にイエスの母が現れるのはイエスが十字架に付けられた時です
☞ヨハネによる福音書19:25 さてイエスの十字架の側に彼の母と彼の母の姉妹が クロパの(妻)マリアとマグダラのマリアが立っていました
☞ヨハネによる福音書19:26 それでイエスは母と側に立っている彼が愛した弟子を見て母に言いました 女よ見なさいあなたの息子です
☞ヨハネによる福音書19:27 それから彼は弟子に言いました 見なさいあなたの母です そしてその時から弟子は彼女を自分たちの中に受け入れました
イエスの母に姉妹がいることを記しているのはヨハネによる福音書だけです
イエスはここでも女よと呼び母と呼びません 母の名前も呼びません
しかし愛弟子に母の面倒を見させます
ヨハネによる福音書には最初から最後までイエスの母の名前は記されていません イエスは母を女よと呼び母と言いません
イエスの兄弟や姉妹がいることは記されていますが彼等の名前は一切記されていません 
父についてはその存在すら記されていません 系図もありません 父と系図がないのはマルコによる福音書と同じです
神の子イエスに人間の家族と系図は必要ないからです しかし家族はイエスを必要としました
マリア
ヨハネによる福音書にマリアの名前が最初に出るのはイエスがラザロを復活させた奇跡の中です
マリアとマルタは死んだラザロの姉妹であり三人ともイエスに愛されておりラザロの死を知ったイエスは墓の中からラザロを生き返らせました
☞ヨハネによる福音書11:1-45
マリアはイエスに高価な香油を塗り髪でイエスの足を拭います(マルコによる福音書ではマグダラのマリア)
☞ヨハネによる福音書12:1-8 ?
イエスが十字架に付けられた時イエスの母と共にクロパの(妻)マリアとマグダラのマリアが立っていました
☞ヨハネによる福音書19:25
マグダラのマリアはイエスの墓に行き石が取り去られているのを見て弟子たちに告げます
墓の外に立って泣いていたマリアは墓の中に二人の天使が居るのを見ました 後ろからイエスがマリアに呼び掛け弟子たちに告げるように言いました 
☞ヨハネによる福音書20:1-18
常に女は先 男は後です
Office Murakami