コヘレトの言葉をヘブライ語原典から逐語訳してみました
コヘレトの言葉はユダヤ教聖典ケツヴィイム<諸書)の一つであり箴言に続く知恵の書です作者はダビデの息子(ソロモン)ということになっています(1章1節)
コヘレトは「全ては空虚であり太陽の下に新しいことは何もない」と言っています
コヘレトの言葉全12章に主ヤㇵウェㇵという言葉は一切現れません神エロヒームという言葉が40回現れます
コヘレトの言葉1章から12章まで章別に幾つかの話<内容)に分け逐語訳を進めました
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コヘレトの言葉 章別リンク先 節数 逐語訳数 話<内容)別リンク先 כתובים ケツヴィーム קהלת ケホレット
1章 18節 215語 1;1-1 エルサレムの王ダビデの息子コヘレトの言葉
1;2-3 全ては空虚です人の労苦に何の利益があるだろうか
1;4-8 世代が交代することも太陽が昇って沈むことも風が巡り回って吹くことも川が海に流れて行くこと全ては繰り返しであり退屈です
1;9-11 太陽の下に新しいことは何もありません見なさいこれは新しいと言っても昔々から在ったことです
1;12-13 私コヘレトは天の下に為されていることを知恵によって探り求めました神は苛酷な仕事を人の息子に与えました
1;14-18 私の心は知恵と知識を大いに理解したがそれは狂気と愚かであり風を追う奮闘努力であることを私は知りました
2章 26節 381語 2;1-3 私は心の中で「快楽を試みよう」それも空虚でした心は知恵に導かれても「葡萄酒で私の肉体を元気づけ愚かなことをしよう」
2;4-8 私は大規模に家を葡萄園を庭園を森林を池を造りました多くの奴隷と家畜と金銀財宝と歌い手と妾を持ちました
2;9-11 私の目が求めるもの全てと私の心が喜ぶもの全てを抑えることなく試みましたその全ては空虚で風を追う奮闘努力でした
2;12-14 知恵は愚かさに優ることを私は見ましたが両者に起こることは一つであることを私は知っています
2;15-17 「愚か者の運命と同じことが私に起きる賢くなることで利益があるのか」私は生きることを嫌います全ては空虚です
2;18-21 知恵と知識と技能によって苦労した分け前を苦労しない者に与えますこれもまた空虚で不幸です
2;22-23 日々の全て人の仕事は痛みと悩みです人の心は夜休みませんこれもまた空虚です
2;24-25 人にとって最も良いことは食べること飲むこと自分の苦労によって魂に幸福を齎すことこれもまた神の手から出たことです
2;26-26 神は善人に知恵と知識と喜びを与え罪人に収集する仕事を与えそれを善人に与えますこれもまた空虚で風を追う努力です
3章 22節 273語 3;1-8 天の下の全てのことに定めの時があります産む時死ぬ時壊す時建てる時泣く時笑う時愛する時憎む時戦争の時平和の時
3;9-11 神は全てのものを時に適ったものとして造りました人は神の為す業を初めから終わりまで見ることは出来ません
3;12-15 私は知りました人が飲み食いし労苦を楽しむことは神の贈り物であること神の業は永遠に在りそれを加減できないことを
3;16-17 私は太陽の下に見ました裁きの場に正義の場に悪があることを「神は正しい者も悪人も裁きます全てに時があるから」
3;18-21 人と動物は同じで人が死ぬように動物も死ぬ人が動物より優れていることは何もない全ては空虚で塵から出て塵に戻ります
3;22-22 私は見ました人は自分の業によって喜び楽しむこと以上に良いことはないと
4章 17節 237語 4;1-3 私は見ました虐げられている者たちを彼等を慰める者は居ません生きているより死んだ者が両者より存在しない者が幸いです
4;4-6 私は見ました全ての労苦と成功は隣人との嫉妬によることをこれもまた空虚で風を追う奮闘努力です
4;7-8 私は見ました息子も兄弟もいない孤独の人が限りなく労苦し富に満足しないことを誰の為に労苦するのかこれもまた空虚です
4;9-12 二人は一人に優ります一人は災いです倒れても助ける者がいません暖め合う相手もいません三つ縒りの糸はすぐ切れません
4;13-16 老いた王に代わって賢い若者が立ち民の味方を得たことを私は見ました民に際限なく後の者は彼を喜びませんこれも空虚です
4;17-17 神の家に行く時は自分の足に注意しなさい近づいて聞き従うことは愚か者が生贄を捧げることより優ります
5章 19節 266語 5;1-2 神の前で急いで口から言葉を出してはいけません神は天に居てあなたは地に居るから言葉数は少なくしなさい
5;3-6 神に誓いを立てる時誓いを果たすことを延ばしてはいけません果たさないなら誓わない方がましです神の怒りで滅ぼされない為に
5;7-8 貧しい者が虐げられ公正と正義が曲げられているのを見て驚くな身分の高い者の上に高い者が居て更に高い者が居るから
5;9-11 銀を愛する者は銀に満足せず裕福を愛する者は収入に満足しませんこれも空虚です金持ちは十分食べても安眠できません
5;12-16 人は母の胎から出て来た時のように裸で去って行きます何一つ持って行きませんこれは災いです労苦に何の利益があるのか
5;17-19 神が人に富と資産と受け取る力を与え人が自分の分け前を受け取り自分の労苦によるものを楽しむことこれが神の贈り物です
6章 12節 170語 6;1-6 神から富と資産と誉れを与えられても味わえないなら空虚です長年生きても心が幸せでなく墓がないなら流産の子の方がましです
6;7-9 人の労苦は自分の口の為ですが欲求は満たされません生き方を知ることは貧しい者に何の利益があるのかこれも空虚です
6;10-12 人は自分より勝る者と争うことはできません影のような空虚な生涯の日々の中で何が人にとって幸福であるのか誰が知ろう
7章 29節 330語 7;1-6 名声は油より死ぬ日は生まれた日より悲嘆の家は宴の家より悲しみは笑いより賢者の叱責は愚者の歌より優りますこれも空虚です
7;7-12 終わりは初めより優ります「何故に昔は今より良かった「と言うな知恵は良いものです知恵の陰に居ることは銀の陰に居ることです
7;13-14 神が曲げたものを誰が真っ直ぐに出来るか幸福な日には幸福になりなさい災いの日には考えなさいこれも神がしたことです
7;15-17 正しい者が正しさ故に滅びることも悪者が悪故に長らえることもあります
7;18-18 あなたの手は一方を掴んでも他方を離さないようにしなさい神を畏れる者は全てに向かうから
7;19-22 知恵は賢い者にとって十人の権力者より強力です善を実行し罪を犯さない正しい者は地上に居ません
7;23-25 私は賢くなろうと言ったが知恵は私から遠く離いものでした今在るものは全て深く誰がそれを見出すことが出来ようか
7;26-26 私は女を死より苦いものと見ました女は罠であり心は網で手は束縛です神の前に善なる者は女から逃れ罪人は捕らえられます
7;27-29 私は一つ一つに道理を見出そうと捜し求めました千人から一人の男を見出したが女を見出したことはありません
8章 17節 281語 8;1-4 神に誓った故に王の命令を守りなさい王は望むままに実行します王の言葉は権力であり誰が彼に何をするのかと言えようか
8;5-9 将来何が起きるのか知る者は居ません風を止める権限を持つ人は居ません死の日に支配権力を持つ者は居ません
8;10-11 悪者が葬られ聖所から出て来るのを私は見ましたこれも空虚です人の心は悪を為すことで満ちています
8;12-13 神を畏れる者に幸せがあることを私は知っています悪者に幸せはありません神を畏れない者の日々は影のように長くありません
8;14-15 正しい者が悪者の行為の報いを受け悪者で正しい者の行為の報いを受ける者が居ますこれも空虚です私は飲食快楽を讃えます
8;16-17 神の業の全てを私は見ましたが人はその業を見究めることは出来ません知っていると言う知恵ある者でも出来ません
9章 18節 309語 9;1-1 正しい者も知恵ある者も彼等の働きも神の手の中にあることを私は明らかにしました
9;2-3 最悪なことは悪人も善人も全員に一つの運命が臨むこと人は心に悪と狂気を抱いて生涯を終えその後で死者の許に行くことです
9;4-6 生きている犬は死んだ獅子に優ります生きている者は死ぬことを知っているが死んだ者は何も知りません報いも記憶もありません
9;7-10 喜び楽しんでパンを食べ葡萄酒を飲みなさい空虚な日々を愛する妻と楽しみなさいあなたの手の力で為し得ることをしなさい
9;11-12 競争は速い者が戦いは強い者が勝つのではないことを私は見ました時と機会があり人はその時を知りません災いの時は突然です
9;13-16 強力な王に包囲された小さな町に貧しい賢者が居て知恵で町を救ったが誰も記憶していません「貧者の知恵は軽蔑されます」
9;17-18 愚か者の中で支配者が叫ぶより賢者の静かな言葉が聞かれます一人の罪を犯す者は多くの善いことを破壊します
10章 20節 196語 10;1-3 死んだ蝿は香油を臭くさせ僅かな愚かさの影響は知恵や栄誉より大きい賢者の心は右に愚者の心は左に向く愚者は皆を愚者と言う
10;4-7 私は悪を見ました愚か者が重要な高い地位に着き富む者が低い地位に着いています奴隷が馬に乗り君主が地面を歩いています
10;8-11 穴を掘る者は穴に落ち石を切り出す者は石で傷つきます知恵を正しく働かせることによって利益があります
10;12-15 賢い者の口は優美だが愚か者の唇は自分を飲み込みます愚か者は口数が多い者です愚か者の労苦は自分を疲れさせます
10;16-17 王が若者で首長たちが朝から宴で食べる国は災いだ王が貴族の息子で首長たちが酔いを求めず力を求めて食べる国は幸いだ
10;18-20 食事は笑う為で葡萄酒は楽しむ為です王を心の中で呪うな富む者を寝室の中で呪うな鳥がその声を運びその言葉を告げるから
11章 10節 143語 11;1-4 どんな災いが起きるか知らないから分け前を七人八人に与えなさい風を見張る者は種を蒔けません黒雲を見る者は刈り入れ出来ません
11;5-6 女の胎内で骨がどのようであるか風の道がどのようである知らないのと同様にあなたは全てを為す神の業を知りません
11;7-8 光は心地よく太陽を見るのは目に良しです人は長生きして楽しんでも暗闇の日々の多いことを留意しなさい将来来ること全て空虚です
11;9-10 若者よ青春の日々に心のままに楽しみなさい心の望む道に行きなさい全て神があなたに裁きを齎すことを知りなさい青春は空虚です
12章 14節 186語 12;1-2 青春の日々にあなたの創造主に心を留めなさい災いの日喜びのない年が来る前に太陽(額)光(鼻)月(魂)星(頬)が暗くなり雲(瞼)が戻る前に
12;3-3 その日には家を守る者(手足)は震え勇士(背骨)は屈み粉ひき女(歯)は少なくなり窓越しに見る女(目)は暗くなります
12;4-4 通りの扉(肛門)は閉ざされ粉ひき音(歯の噛む音)は低くなり鳥の声に起き(不眠)歌の娘たちは低くされます(難聴)
12;5-6 彼等は高い所と道を怖がり性欲は無能になります銀の紐(腕)が離れ金の鉢(膝)が割れ瓶(歯)が砕かれ井戸(目)の滑車が潰されます
12;7-8 塵が土の上に戻るように霊はそれを与えた神の許に戻りますコヘレトは言います「空虚の空虚全ては空虚です」
12;9-12 コヘレトは賢い上に民に知識を教えました多くの譬えに耳を傾け調べ整理しました満足する言葉を探し求め真実の言葉を書き記しました
12;13-14 結論は「神を畏れなさい神の命令を守りなさい」神は善も悪も隠れたことも全ての業に裁きを齎すから
コヘレトの言葉 全12章 全222節 全2987語
Office Murakami