ダビデ時代の賢い女たち
サムエル記には無名有名の賢い女たちが記されています
無名の賢い女たち
アベルの女
ベニヤミン人ビクリの息子シェバがダビデに反乱を起こし選り抜きの兵を従えてアベルまで来ました
ダビデの軍司令官ヨアブは勇士を従えエルサレムを出発しシェバを追跡しアベルに到着しました
ヨアブが町を包囲して塁を築き城壁を崩そうとしている時
☞サムエル記下20:16 その町から賢い女が呼びかけました 聞いて下さい聞いて下さい どうかヨアブに告げて下さい ここまで近づいて下さい 私はあなたに話しがあります
☞サムエル記下20:17 彼が彼女に近寄るとその女は言いました あなたはヨアブですか?彼は言いました 私です 彼女は彼に言いました あなたの婢の言葉を聞いて下さい 彼は言いました 私は聞きます
☞サムエル記下20:18 彼女はこう言いました 昔こう語りました アベルで尋ねなさい そしてそのように事を終わらせました
☞サムエル記下20:19 私はイスラエルの忠実な平和な者です あなたはイスラエルの母なる町を殺すことを求めています 何故に主の相続財産を完全に飲み込むのですか?
☞サムエル記下20:20 ヨアブは答えて言いました 全くとんでもないことです 私は飲み込むこともしないし滅ぼすこともありません
☞サムエル記下20:21 事はそうではありません エフライムの山出身で名前はビクリの息子シェバである男がダビデ王に手を上げたからです 彼一人だけを渡しなさい そして私は町から去って行きます その女はヨアブに言いました 見なさいその城壁越しに彼の頭(首)をあなたに投げます
☞サムエル記下20:22 そしてその女は賢さを用いて全ての民の許に来ました そして彼等はビクリの息子シェバの頭(首)を切りヨアブに投げました そして彼(ヨアブ)は角笛を吹き各人その町から彼の天幕に散りました そしてヨアブはエルサレムの王の許に戻りました
アベルの町の賢い女は一人だけで町を救いました
ユディト記のユディト(賢い美人の寡婦)と全く同じです
☞外典ユディト記 敵に町を包囲されたユディトは女一人だけで敵陣に乗り込み敵将の首を掻きイスラエルに勝利を齎しました
いずれも女一人で行動し目的を果たしました
いざとなると<女の力は男に勝ります>
何故なら神が女に力を与えたから
テコアの女
ダビデ王の息子アブサロムは妹タマルを辱めた兄アムノンを殺し国外に逃げました
ダビデの軍司令官ヨアブはテコアの町の賢い女を使ってダビデ王にアブサロムを戻させました
☞サムエル記下14:1-3 ヨアブは王の心がアブサロムに向かっていることを知り賢い女に喪服を着せ言葉を授け王の許に行かせました
☞サムエル記下14:4-7 女は王に「私は寡婦で二人の息子が争い一人が一人を殺したので親類が兄弟殺しを殺して相続者を絶やします」
☞サムエル記下14:8-11 「血の復讐者が私の息子を絶やさないようにして下さい」王は「あなたの息子の髪の毛一本落ちることはない」
☞サムエル記下14:12-17 「民にこの言葉を語る王は有罪です自分が追放した者を戻さないから」
☞サムエル記下14:18-20 王は女に「あなたと共にヨアブの手があるのか」女は「ヨアブが私に命じて全ての言葉を婢の口に置きました」
☞サムエル記下14:21-22 王はヨアブに「行ってアブサロムを戻しなさい」ヨアブは王に「僕の言葉を実行した私の主に好意を見い出しました」
サムエル記の時代つまりダビデの時代に賢い女は人々に知られる存在でありその知恵は尊重されました
<女の知恵は男に勝ります>
何故なら神が女に知恵を与えたから
ダビデの妻たち
アビガイル
ナバルの妻アビガイルは賢くて美人でしたが夫ナバル=驢馬=は名の通り愚かでした
☞サムエル記上25:2-8 ダビデは荒野に居た時富者ナバルの許に人を遣わし好意を示して何かを与えるように求めました
☞サムエル記上25:9-11 ナバルはダビデの僕たちに「ダビデとは何者か私のパンと水と肉を誰と知らない者に与えるだろうか」
☞サムエル記上25:12-13 ダビデと男たちは剣を帯び上って行きました
☞サムエル記上25:14-17 若者がナバルの妻アビガイルに危害が迫っていることを告げ「何をするべきか判断して下さい」
☞サムエル記上25:18-22 アビガイルは急いで葡萄酒と種々の食べ物を驢馬に乗せ夫に知らせず山を下ってダビデに会いました
☞サムエル記上25:23-27 アビガイルはダビデに平伏し「名の通り愚かなナバルを気にせずこの贈り物を若者たちに与えて下さい」
☞サムエル記上25:28-31  「理由なく血を流し報復したことが私の主にとって悲しみと躓きにならないようにして下さい」
☞サムエル記上25:32-35 ダビデはアビガイルに「あなたを遣わした主は讃えられるように私を止めたあなたは祝福されるように」
☞サムエル記上25:35 ダビデは彼女の持って来た物を受け取り「私はあなたの声を聞きあなたの顔を立てます」
☞サムエル記上25:36-38 アビガイルが帰るとナバルは宴会で酔っていました翌朝告げると彼の心臓は石になり十日後に死にました
☞サムエル記上25:39-42 ダビデはナバルの死を聞きアビガイルを妻として娶ることを申し出彼女は即座に受けて彼の妻になりました
ダビデは賢い人妻を夫の死後娶りました
ダビデが夫の死後娶った人妻はアビガイルだけではありません ウリヤの妻バト・シェバもそうです
バト・シェバ
☞サムエル記下11:2-5 彼(ダビデ)はウリヤの妻バト・シェバの美しい水浴び姿を見て彼女を召し寝ました彼女は身籠り彼にそれを知らせました
☞サムエル記下11:6-8 彼はヨアブに「ウリヤを私の許に送りなさい」来たウリヤに安否と戦況を問い「家に行って足を洗いなさい」
☞サムエル記下11:9-11 ウリヤは宮殿の入口で寝ましたその理由をダビデに聞かれ「私だけ家で飲み食いし妻と寝れるでしょうか」
☞サムエル記下11:12-13 ダビデはウリヤを呼んで彼の前で飲み食いさせ酔わせましたが家に帰りませんでした
☞サムエル記下11:14-15 ヨアブ宛に手紙「ウリヤを激戦の前面に置いて退き撃たれて死ぬように」を書きウリヤに託して送り出しました
☞サムエル記下11:16-17 ヨアブは町を監視して勇士が居ると知っていた場所にウリヤを置きましたウリヤはその町の者と戦って死にました
☞サムエル記下11:18-21 ヨアブはダビデに使者を送り「なぜ町に近づいて戦ったのか」と王が怒るなら「ウリヤが死んだ」と言えと命じました
☞サムエル記下11:22-25 ダビデは使者に「このことを悪いことと見做すなその町を破壊しなさいとヨアブに言って励ましなさい」
☞サムエル記下11:26-27 ウリヤの妻は夫が死んだと聞いて嘆き悲しみました喪が明け彼女はダビデの妻となり息子を産みました
バト・シェバが産んだ息子は神の怒りに打たれて死にました
☞サムエル記下12:24-25 ダビデはバト・シェバを慰め彼女と寝ました彼女は息子を産みダビデはソロモンと名付けました
ソロモンは神に愛されました
ダビデ王が老いて王位継承の争いが起きた時バト・シェバはダビデの許に乗り込み息子ソロモンを王座に着けました
ソロモンは最高に賢い王になりました
賢い母バト・シェバのお陰です
<神は賢い女を通して賢い男を創ります>
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