女士師デボラ
士師記に列挙されている士師(裁き人)たちの中で唯一の女士師(女預言者)デボラについて旧約聖書(ヘブライ語原典)逐語訳から纏めてみました(☞をクリックすると逐語訳が開きます)
イスラエルの民がカナンの王ヤビンの圧制下で苦しみ救いを求めて主に叫んだ時にイスラエルを裁いていたのは女士師デボラでした
士師記4:4 そしてラピドトの妻で女預言者のデボラはまさにその時にイスラエルを裁く女でした
士師記4:5 そして彼女はエフライムの山のラマとベテルの間に在るデボラの棗椰子の下に座っていました そしてイスラエルの息子たちは裁きの為に彼女の許に上って行きました
デボラはナフタリのケデシュからバラクを呼び主の命令を告げます「一万の軍勢を率いて進軍せよ」「ヤビンの軍司令官シセラをあなたの手に与えます」
バラクは尻込みします
士師記4:8 そしてバラクは彼女に言いました もしあなたが私と共に行くなら私は行きますが私と共に行かないなら私は行きません
士師記4:9 そして彼女は言いました 私はあなたと共に行きます結局あなたが行く道の上にあなたの誉れは生じません何故なら主はシセラを女の手に売るから そしてデボラは立ち上がりバラクと共にケデシュの方に行きました
士師記4:10 そしてバラクはゼブルンとをナフタリをケデシュの方に呼び集めました そして彼に従って一万人が上って行きました そしてデボラは彼と共に上って行きました
シセラは九百両の戦車と全軍を召集して対戦します
デボラはバラクに命じます
士師記4:14 そしてデボラはバラクに言いました 立ち上がりなさい何故なら主があなたの手にシセラを与えた日はこの時であるから 主はあなたの前に出て行ったではないか?そしてバラクはタボル山から下って行き一万人が彼の後に従いました
バラクはシセラの全軍を全滅させシセラはカイン人ヘベルの妻ヤエルの天幕に逃げ込みます
士師記4:18 そしてヤエルはシセラを出迎える為出て行って彼に言いました 私の主人よ私の所に寄って行って下さい恐れることはありません そして彼は彼女の天幕の方に寄って行きました そして彼女は彼を敷物で完全に覆いました
ヤエルはシセルを殺します
士師記4:21 そしてヘベルの妻ヤエルは天幕の杭を取り槌を彼女の手にして密かに彼の所に来てその杭を彼のこめかみに打ち込みました 杭は地に下って行きました 彼は深い眠りに落ち疲れていました そして彼は死にました
この日を境にイスラエルの民の手はカナン王ヤビンを圧しついに彼を滅ぼします
デボラとバラクはイスラエルの神なる主に向かって讃美の歌を歌います イスラエルは四十年平穏でした
士師記5:1-31
この讃美の歌の中で主人公はあくまでデボラです 彼女は自らをイスラエルの母と言っています
士師記5:7 イスラエルに村人は絶えました 私デボラが立ち上がる時まで絶えました イスラエルの母である私が立ち上がる時まで
次なる主人公はヤエルです
士師記5:24 カイン人ヘベルの妻ヤエルは女たちの中で完全に祝福されます 天幕に居る女たちの中で完全に祝福されます
まさに
<女は上 男は下>
です
デボラの名の由来は=蜜蜂=
デボラのヘブライ語の意味は蜜蜂です
旧約聖書の中にもう一人デボラがいます リベカの乳母です 彼女の葬られた場所が悲しみの樫の木と呼ばれています
創世記35:8 そしてリベカの乳母デボラは死んでベテルの下部にある樫の木の下に埋葬されました そしてそれの名前を悲しみの樫の木と呼びました
リベカと言えばヤコブの母です 長子エサウよりヤコブを愛し老いた夫イサクを騙しエサウに与えようとしていたイサクの祝福をヤコブに与えさせました これによってイスラエルが誕生します
リベカのヘブライ語の意味は誘惑者です
リベカの乳母デボラの死の直後に神がヤコブに現れて祝福します
創世記35:10 神は彼に言いました あなたの名はヤコブです あなたの名は再びヤコブと呼ばれません なぜならそうではなくあなたの名はイスラエルになります そして彼は彼の名前をイスラエルと呼びました
神は女を通して男の歴史を変えています
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