ヨブ記26章をヘブライ語原典から逐語訳してみました
ヘブライ語は右から左に日本語は左から右に読みます
ヘブライ語の音読みはウェブ上で公開されているヘブライ語聖書の朗唱と朗読によりました(朗唱朗読ではיהוהはアドナイと読み替えています)
ヘブライ語の文法はウェブ上で参照した逐語訳文法を纏め直したものです
ヘブライ語を日本語に逐語訳するにあたって定冠詞や複数形をできる限り日本語に反映するように努めました
人や土地などの固有名詞はカタカナ訳の後に元の意味を==内に訳して付けました
各節にリンクして最後に日本語訳を添付しました ☞@逐語訳の語順を変え言葉を添えた書き下し文(私訳) A文語訳(1917年)B口語訳(1954年)
ヨブ記全42章
איוב כתובים イヨブ ヨブ (ケツヴィーム諸書) 旧約聖書ヨブ記 26章1節〜14節の逐語訳です
☞26;1-4 ヨブ「あなたは誰に言葉を告げ誰の息があなたから出て行ったのか」
☞26;5-6 神の前に黄泉は裸です滅びの場所に覆いはありません
☞26;7-9 彼は無の上に大地を架け密雲の中に水を束ね雲で玉座を覆いました
☞26;10-13 水面上に円を描き光と闇の限界とし彼の叱責で天の柱は揺れます
☞26;14-14 神について私たちが聞き得る言葉はなんと僅かなことか
ヨブ記26:1(01) ו:יען ヴァ・ヤァアン そして[彼は]答えました 接続詞+動詞・クァル(基本)・(ワウ接続)未完了・三人称・男性・単数
ヨブ記26:1(02) איוב イヨッヴ ヨブ=憎まれる=は 名詞(固有)
ヨブ記26:1(03) ו:יאמר ヴァ・ヨマール そして[彼は]言いました、 接続詞+動詞・クァル(基本)・(ワウ接続)未完了・三人称・男性・単数
ヨブ記26:2(01) מה メー・ どんな〜か? 代名詞・疑問
ヨブ記26:2(02) עזרת アザルタ [あなたは]助けを与えた 動詞・クァル(基本)・完了・二人称・男性・単数
ヨブ記26:2(03) ל:לא־ レ・ロー 〜の無い[者]に 前置詞+否定
ヨブ記26:2(04) כח ㇰホーアㇰフ 名詞(普通)・男性・単数
ヨブ記26:2(05) הושעת ホシャァタ [あなたは]救いを与えさせた 動詞・ヒフィル(使役)・完了・二人称・男性・単数
ヨブ記26:2(06) זרוע ゼローア 腕に 名詞(普通)・女性・単数
ヨブ記26:2(07) לא־ ロー・ 〜の無い 否定
ヨブ記26:2(08) עז オーズ 腕力 名詞(普通)・男性・単数
ヨブ記26:3(01) מה マー・ どんな〜か? 代名詞・疑問
ヨブ記26:3(02) יעצת ヤァアツタ [あなたは]助言を与えた 動詞・クァル(基本)・完了・二人称・男性・単数
ヨブ記26:3(03) ל:לא レ・ロー 〜の無い[者]に 前置詞+否定
ヨブ記26:3(04) חכמה ハㇰフマー 知恵 名詞(普通)・女性・単数
ヨブ記26:3(05) ו:תושיה ヴェ・トゥシㇶヤー そして分別を 接続詞+名詞(普通)・女性・単数
ヨブ記26:3(06) ל:רב ラ・ローヴ 豊富に 前置詞+名詞(普通)・男性・単数
ヨブ記26:3(07) הודעת ホダァタ [あなたは]知らさせた 動詞・ヒフィル(使役)・完了・二人称・男性・単数
ヨブ記26:4(01) את エト・ 〜に向かって 目的
ヨブ記26:4(02) מי ミー 誰(〜だろう)か? 代名詞・疑問
ヨブ記26:4(03) הגדת ヒッガドタ [あなたは]告げさせた 動詞・ヒフィル(使役)・完了・二人称・男性・単数
ヨブ記26:4(04) מלין ミッリン 諸々の言葉を 名詞(普通)・女性・複数
ヨブ記26:4(05) ו:נשמת־ ヴェ・ニシュマト・ そして息が 接続詞+名詞(普通)・女性・単数
ヨブ記26:4(06) מי ミー 誰の(〜だろう)か? 代名詞・
ヨブ記26:4(07) יצאה ヤーツェアー [それが]出て行った 動詞・クァル(基本)・完了・三人称・女性・単数
ヨブ記26:4(08) מ:מ:ך ミ・ムメ・ッ・カー あなたから 前置詞+接尾辞・二人称・男性・単数
ヨブ記26:5(01) ה:רפאים ハー・レファイーム その死者の亡霊たちは 定冠詞+名詞(普通)・男性・複数
ヨブ記26:5(02) יחוללו イェㇰホラールー [彼等は]のたうち回られます 動詞・ポラル(受動)・未完了・三人称・男性・複数
ヨブ記26:5(03) מ:תחת ミ・ッターㇰハト 〜の下で 前置詞+前置詞
ヨブ記26:5(04) מים マーイィム 諸々の水 名詞(普通)・男性・複数
ヨブ記26:5(05) ו:שכני:הם ヴェ・ショㇰヘネイ・ヘム そしてそれらに住む者たちは 接続詞+動詞・クァル(基本)・分詞・男性・複数+接尾辞・三人称・男性・複数
ヨブ記26:6(01) ערום アローム 裸の[状態](です) 形容詞・男性・単数
ヨブ記26:6(02) שאול シェオール 黄泉は 名詞(普通)・両性・単数
ヨブ記26:6(03) נגד:ו ネグド・ォ 彼の前に 前置詞+接尾辞・三人称・男性・単数
ヨブ記26:6(04) ו:אין ヴェ・エイン そして(有る)ことはありません 接続詞+副詞
ヨブ記26:6(05) כסות ケスート 覆いが 名詞(普通)・女性・単数
ヨブ記26:6(06) ל:אבדון ラ・アヴァッドーン 滅びの場所に 前置詞+名詞(普通)・男性・単数
ヨブ記26:7(01) נטה ノテー 伸び広げた[者](です) 動詞・クァル(基本)・分詞・男性・単数
ヨブ記26:7(02) צפון ツァフォーン 北(極)を 名詞(普通)・女性・単数
ヨブ記26:7(03) על־ アル・ 〜の上に 前置詞
ヨブ記26:7(04) תהו トーフー 空虚 名詞(普通)・男性・単数
ヨブ記26:7(05) תלה トーレー 架ける[者](です) 動詞・クァル(基本)・分詞・男性・単数
ヨブ記26:7(06) ארץ エーレツ 大地を 名詞(普通)・女性・単数
ヨブ記26:7(07) על־ アル・ 〜の上に 前置詞
ヨブ記26:7(08) בלי־ ベリ・ 〜(ある)ことはない(所) 副詞
ヨブ記26:7(09) מה マー 何も 代名詞
ヨブ記26:8(01) צרר ツォレール 束ねる[者](です) 動詞・クァル(基本)・分詞・男性・単数
ヨブ記26:8(02) מים マーイィム 諸々の水を 名詞(普通)・男性・複数
ヨブ記26:8(03) ב:עבי:ו ベ・アヴァー・ヴ 彼の密雲の中に 前置詞+名詞(普通)・両性・複数+接尾辞・三人称・男性・単数
ヨブ記26:8(04) ו:לא־ ヴェ・ロー・ そして〜ことはありません 接続詞+否定
ヨブ記26:8(05) נבקע ニヴカー [それは]裂かれる 動詞・ニファル(受動)・完了・三人称・男性・単数
ヨブ記26:8(06) ענן アナーン 雲は 名詞(普通)・男性・単数
ヨブ記26:8(07) תחת:ם タㇰフタム それらの下の 前置詞+接尾辞・三人称・男性・複数
ヨブ記26:9(01) מאחז メアㇰヘズ 完全に覆う[者](です) 動詞・ピエル(強調)・分詞・男性・単数
ヨブ記26:9(02) פני־ ペネイ [諸々の]表面を 名詞(普通)・両性・複数
ヨブ記26:9(03) כסה ㇰヒッセー 玉座の 名詞(普通)・男性・単数
ヨブ記26:9(04) פרשז パルシェズ 完全に広げること 動詞・ピレル(強調)・不定詞
ヨブ記26:9(05) עלי:ו アラー・ヴ それの上に 前置詞+接尾辞・三人称・男性・単数
ヨブ記26:9(06) עננ:ו アナノ・ォ 彼の雲を 名詞(普通)・男性・単数+接尾辞・三人称・男性・単数
ヨブ記26:10(01) חק ㇰホーク 指定の境界の 名詞(普通)・男性・単数
ヨブ記26:10(02) חג ㇰハーグ [彼は]円を描きました 動詞・クァル(基本)・完了・三人称・男性・単数
ヨブ記26:10(03) על־ アル・ 〜の上に 前置詞
ヨブ記26:10(04) פני־ ペネイ [諸々の]表面 名詞(普通)・両性・複数
ヨブ記26:10(05) מים マーイィム 諸々の水の 名詞(普通)・男性・複数
ヨブ記26:10(06) עד־ アド・ 〜に(する為に) 前置詞
ヨブ記26:10(07) תכלית タㇰフリート 限界 名詞(普通)・女性・単数
ヨブ記26:10(08) אור オール 光の 名詞(普通)・男性・単数
ヨブ記26:10(09) עם־ イム・ 〜と共に 前置詞
ヨブ記26:10(10) חשך ㇰホーシェㇰフ 暗闇 名詞(普通)・男性・単数
ヨブ記26:11(01) עמודי アムムデイ 諸々の柱は 名詞(普通)・男性・複数
ヨブ記26:11(02) שמים シャマイィム 諸々の天の 名詞(普通)・男性・複数
ヨブ記26:11(03) ירופפו イェロファーフー [それらは]完全に揺らされます 動詞・ポアル(強調受動)・未完了・三人称・男性・複数
ヨブ記26:11(04) ו:יתמהו ヴェ・イィトメフー そして[それらは]驚きます 接続詞+動詞・クァル(基本)・未完了・三人称・男性・複数
ヨブ記26:11(05) מ:גערת:ו ミ・ッガアラト・ォ 彼の叱責の故に 前置詞+名詞(普通)・女性・単数+接尾辞・三人称・男性・単数
ヨブ記26:12(01) ב:כח:ו ベ・ㇰホ・ㇰホー 彼の力によって 前置詞+名詞(普通)・男性・単数+接尾辞・三人称・男性・単数
ヨブ記26:12(02) רגע ラガー [彼は]静めます 動詞・クァル(基本)・完了・三人称・男性・単数
ヨブ記26:12(03) ה:ים ハ・ヤム その海を 定冠詞+名詞(普通)・男性・単数
ヨブ記26:12(04) :ב:תובנת:ו ウ・ヴィ・トヴナト・ォ そして彼の知能によって 接続詞+前置詞+名詞(普通)・女性・単数+接尾辞・三人称・男性・単数
ヨブ記26:12(05) מחץ マーㇰハツ [彼は]打ち砕きます 動詞・クァル(基本)・完了・三人称・男性・単数
ヨブ記26:12(06) רהב ラーハヴ ラハブ(海獣)を 名詞(普通)・男性・単数
ヨブ記26:13(01) ב:רוח:ו ベ・ルㇰホ・ォ 彼の風によって 前置詞+名詞(普通)・女性・単数+接尾辞・三人称・男性・単数
ヨブ記26:13(02) שמים シャマイィム 諸々の天を 名詞(普通)・男性・複数
ヨブ記26:13(03) שפרה シフラー 綺麗に(しました) 名詞(普通)・女性・単数
ヨブ記26:13(04) חללה ㇰホッラー [それは]完全に突き刺しました 動詞・ポエル(強調)・完了・三人称・女性・単数
ヨブ記26:13(05) יד:ו ヤド・ォ 彼の手は 名詞(普通)・女性・単数+接尾辞・三人称・男性・単数
ヨブ記26:13(06) נחש ナㇰハシュ 蛇を 名詞(普通)・男性・単数
ヨブ記26:13(07) בריח バリーアㇰフ 逃げる[もの] 形容詞・男性・単数
ヨブ記26:14(01) הן ヘン・ 見なさい 間投詞
ヨブ記26:14(02) אלה エッレ これらの[諸々のものは] 形容詞・両性・複数
ヨブ記26:14(03) קצות ケツォート 諸々の端(です) 名詞(普通)・女性・複数
ヨブ記26:14(04) דרכ:ו デラㇰハー・ヴ 彼の諸々の道の 名詞(普通)・両性・複数+接尾辞・三人称・男性・単数
ヨブ記26:14(05) ו:מה־ ウ・マー・ そしてなんと〜か 接続詞+代名詞・感嘆
ヨブ記26:14(06) שמץ シェーメツ 僅か 名詞(普通)・男性・単数
ヨブ記26:14(07) דבר ダヴァール 言葉の 名詞(普通)・男性・単数
ヨブ記26:14(08) נשמע־ ニシュマ・ [私たちが]聞く(ことが出来る) 動詞・クァル(基本)・未完了・一人称・通性・複数
ヨブ記26:14(09) ב:ו ボ・ォ 彼について 前置詞+接尾辞・三人称・男性・単数
ヨブ記26:14(10) ו:רעם ヴェ・ラアム そして雷を 接続詞+名詞(普通)・男性・単数
ヨブ記26:14(11) גבורת:ו ゲヴロター・ヴ 彼の強力の 名詞(普通)・女性・単数+接尾辞・三人称・男性・単数
ヨブ記26:14(12) מי ミー 誰が(〜だろう)か? 代名詞・疑問
ヨブ記26:14(13) יתבונן イィトボナン [彼が]自分自身に理解させる 動詞・ヒトポレル(使役再帰)・未完了・三人称・男性・単数
日本語訳 ヨブ記26章
☞1節
(文語訳) 一 ヨブこたへて曰く 
(口語訳) 一 そこでヨブは答えて言った、
☞2節
(文語訳) 二 なんぢ能力なき者を如何に助けしや 氣力なきものを如何に救ひしや 
(口語訳) 二 「あなたは力のない者をどれほど助けたかしれない。気力のない腕をどれほど救ったかしれない。
☞3節
(文語訳) 三 智慧なき者を如何に誨へしや 穎悟の道を如何に多く示ししや 
(口語訳) 三 知恵のない者をどれほど教えたかしれない。悟りをどれほど多く示したかしれない。
☞4節
(文語訳) 四 なんぢ誰にむかひて言語を出ししや なんぢより出しは誰が靈なるや 
(口語訳) 四 あなたはだれの助けによって言葉をだしたのか。あなたから出たのはだれの霊なのか。
☞5節
(文語訳) 五 陰靈水またその中に居る者の下に慄ふ 
(口語訳) 五 亡霊は水およびその中に住むものの下に震う。
☞6節
(文語訳) 六 かれの御前には陰府も顯露なり 滅亡の坑も蔽ひ匿す所なし 
(口語訳) 六 神の前では陰府も裸である。滅びの穴もおおい隠すものはない。
☞7節
(文語訳) 七 彼は北の天を虛空に張り 地を物なき所に懸けたまふ 
(口語訳) 七 彼は北の天を空間に張り、/地を何もない所に掛けられる。
☞8節
(文語訳) 八 水を濃雲の中に包みたまふてその下の雲裂ず 
(口語訳) 八 彼は水を濃い雲の中に包まれるが、/その下の雲は裂けない。
☞9節
(文語訳) 九 御寳座の面を隱して雲をその上に展べ 
(口語訳) 九 彼は月のおもてをおおい隠して、/雲をその上にのべ、
☞10節
(文語訳) 一〇 水の面に界を設けて光と暗とに限を立たまふ 
(口語訳) 一〇 水のおもてに円を描いて、/光とやみとの境とされた。
☞11節
(文語訳) 一一 かれ叱咤たまへば天の柱震ひかつ怖る 
(口語訳) 一一 彼が戒めると、天の柱は震い、かつ驚く。
☞12節
(文語訳) 一二 その權能をもて海を靜め その智慧をもてラハブを擊碎き 
(口語訳) 一二 彼はその力をもって海を静め、/その知恵をもってラハブを打ち砕き、
☞13節
(文語訳) 一三 その氣噓をもて天を輝かせ 其手をもて逃る蛇を衝とほしたまふ 
(口語訳) 一三 その息をもって天を晴れわたらせ、/その手をもって逃げるへびを突き通される。
☞14節
(文語訳) 一四 視よ是等はただその御工作の端なるのみ 我らが聞ところの者は如何にも微細なる耳語ならずや 然どその權能の雷轟に至りては誰かこれを曉らんや
(口語訳) 一四 見よ、これらはただ彼の道の端にすぎない。われわれが彼について聞く所は/いかにかすかなささやきであろう。しかし、その力のとどろきに至っては、/だれが悟ることができるか」。
Office Murakami