コーラン104章をアラビア語原典から逐語訳してみました
アラビア語は右から左に日本語は左から右に読みます
アラビア語の音読みはウェブ上で公開されているコーランの朗唱によりました
アラビア語の文法はウェブ上で公開されている逐語訳文法をもとにして日本語に纏め直したものです
逐語訳各節にリンクして逐語訳を基にした日本語私訳を付けてみました
逐語訳に「コーラン経」を加えて同一頁で読めるようにしました(章によっては両者の啓示時期や節の数字が違います) →「コーラン経」第百四
الهمزة アル・フマザ 悪口男 メッカ啓示 104章1節〜9節の逐語訳です
☞104;1-9 災いは悪口男・影口女に
104章1節(1) وَيْلٌ ワイルン 災いは 名詞・不定・主格・男性
104章1節(2) لِّكُلِّ リ・クッリ ことごとくに 前置詞+名詞・属格・男性
104章1節(3) هُمَزَةٍ フマザティン 悪口男の 名詞・不定・属格・男性
104章1節(4) لُّمَزَةٍ ルマザティン 陰口女の 名詞・不定・属格・女性
104章2節(1) الَّذِي ッラディㇶー それは〜者 [定冠詞]代名詞・関係・男性・単数
104章2節(2) جَمَعَ ジャマア [彼は]集めている 動詞・完了・三人称・男性・単数
104章2節(3) مَالًا マーラン 富を 名詞・不定・対格・男性
104章2節(4) وَعَدَّدَهُ ワ・アッダダ{・フ} そして[彼は]勘定している、それを 接続詞+動詞・完了・三人称・男性・単数+代名詞・目的・三人称・男性・単数
104章3節(1) يَحْسَبُ ヤフサブ [彼は]思い込んでいます 動詞・未完了・三人称・男性・単数
104章3節(2) أَنَّ アンナ それこそ 助詞・対格
104章3節(3) مَالَهُ マーラ・フ 彼の富を 名詞・対格・男性+代名詞・所有・三人称・男性・単数
104章3節(4) أَخْلَدَهُ アㇰフラダ{・フ} [それが]不滅にさせる、彼を 動詞・完了・三人称・男性・単数+代名詞・目的・三人称・男性・単数
104章4節(1) كَلَّا カッラー いや 助詞・嫌悪
104章4節(2) لَيُنبَذَنَّ ラ・ユンバダㇵン・ナ 必ず[彼は]投げ込まれます、必ず 接頭辞・強調+動詞・受動・未完了・三人称・男性・単数+接尾辞・強調
104章4節(3) فِي フィ 〜[の]中に 前置詞
104章4節(4) الْحُطَمَةِ ル・フタマ[ティ] あの粉砕場の 定冠詞+名詞・属格・女性
104章5節(1) وَمَا ワ・マー そして何が〜か? 接続詞+名詞・疑問
104章5節(2) أَدْرَاكَ アドラー・カ [それが]知らせる、あなたに 動詞・完了・三人称・男性・単数+代名詞・目的・二人称・男性・単数
104章5節(3) مَا 何か? 名詞・疑問
104章5節(4) الْحُطَمَةُ ル・フタマトゥ その粉砕場は 名詞・主格・女性
104章6節(1) نَارُ ナール 名詞・主格・女性
104章6節(2) اللَّهِ ッ・ラヒ 御神の 定冠詞+名詞・固有・属格
104章6節(3) الْمُوقَدَةُ ル・ムークァダ[トゥ] 掻き立てられる[もの] 定冠詞+分詞・受動・主格・女性
104章7節(1) الَّتِي アッラティー それは〜もの [定冠詞]代名詞・関係・女性・単数
104章7節(2) تَطَّلِعُ タッタリウ [それは]登って行く 動詞・未完了・三人称・女性・単数
104章7節(3) عَلَى アラ 〜[の]上に 前置詞
104章7節(4) الْأَفْئِدَةِ ル・アフィダ[ティ] その諸々の心の 定冠詞+名詞・属格・男性・複数
104章8節(1) إِنَّهَا インナ・ハー 真に、それ 助詞・対格+代名詞・目的・三人称・女性・単数
104章8節(2) عَلَيْهِم アライ・ヒム 彼等の上に 前置詞+代名詞・目的・三人称・男性・複数
104章8節(3) مُّؤْصَدَةٌ ムサダトゥ[ン] 覆い被さるもの 名詞・不定・主格・女性
104章9節(1) فِي フィー 〜[の]中に 前置詞
104章9節(2) عَمَدٍ アマディン 諸々の柱の 名詞・不定・属格・男性・複数
104章9節(3) مُّمَدَّدَةٍ ムマッダダ[ティン] 長く伸ばされた[ものの] 分詞・不定・受動・属格・女性
コーラン(私訳) 第一〇四章 アル・フマザ 悪口男
☞1節 一 災いは 悪口男の 陰口女の ことごとくに 
☞2節 二 それは富を集めている者 そしてそれ(富)を勘定している[者]
☞3節 三 [彼は]思い込んでいます それこそ 彼の富を 彼を不滅にさせるものだと
☞4節 四 いや 必ず必ず[彼は]投げ込まれます あの粉砕場の中に
☞5節 五 そして何が知らせるのか、あなたに? その粉砕場とは何か?
☞6節 六 掻き立てられる 御神の火
☞7節 七 それは登って行くもの その心の上に
☞8節 八 真にそれは 彼等の上に覆い被さるもの
☞9節 九 長く伸ばされた諸々の柱の中に
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「コーラン經」 讒謗品 第百四 [アル・ハムザ] 默伽
「コーラン經」は日本初のコーラン全文翻訳本です
「コーラン經」は<譯者・坂本健一>{上下二巻}として世界聖典全集刊行會から(大正九年)発行されました
「コーラン經」の構成は凡例、目次、114品(章)の本文、附録として各品(章)の解題と註釋、イスラム教とコーランについての詳細な後書きから成っています。
ここでは114品(章)別に本文と解題と註釋をまとめて紹介します
本文の漢字・ルビ・送り仮名は大正時代そのままの形を復刻できるように努めました
讒謗品[アル・ハムザ](1-9節)の本文
大慈悲~の名に於て
一 誹謗讒誣の徒に不幸よ、
二 富資を積みて(來世に)備ふる。
三 その富資は能く己を不滅ならしむと渠は思ふ。
四 決して然らず。渠は必ずアル・フタマに投ぜられん。
五 誰か爾をしてアル・フタマの何たるかを知らしむるものぞ。
六 そは~の燃やせる火なり、
七 渠等(投ぜらるゝ者)の心胸の上に。
八 洵にそは渠等の上に弦門を爲さん、
九 大なる圓柱の上に支へられて。
讒謗品[アル・ハムザ](1-9節)の解題(題名の由来、啓示時期、内容解説)
麻訶末がある讒謗者に對する辯駁なれどもまた一般人に對する訓戒と見るを得。
時代は前出の三品と略同じからん。
 内容 讒謗者には不幸、アル・フタマ。
讒謗品[アル・ハムザ](1-9節)の註釋(文字の解釈)
一 讒謗者はアクーナス・イブン・シュライクとも、 ワリド・イブン・アル・ムガーイラとも、ウマイア・イブン・カールフともいふ。
四 アル・フタマal Hutamaは地獄の名なり。義は粉韲。
六 ~の照せる火とは何人も消す能はざるの意。
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