コーラン98章をアラビア語原典から逐語訳してみました
アラビア語は右から左に日本語は左から右に読みます
アラビア語の音読みはウェブ上で公開されているコーランの朗唱によりました
アラビア語の文法はウェブ上で公開されている逐語訳文法をもとにして日本語に纏め直したものです
逐語訳各節にリンクして逐語訳を基にした日本語私訳を付けてみました
逐語訳に「コーラン経」を加えて同一頁で読めるようにしました(章によっては両者の啓示時期や節の数字が違います) →「コーラン経」第九十八
البينة アル・バイイナ 明証 メッカ啓示 98章1節〜8節の逐語訳です
☞98;1-3 明証が来て使徒が朗誦しました
☞98;4-5 礼拝と定めの祈りと喜捨が正真正銘の宗教
☞98;6-8 不信仰者は地獄に、信仰者はエデンの園に
98章1節(1) لَمْ ラム 〜ことはありません 助詞・否定
98章1節(2) يَكُنِ ヤクニ [それは]〜[に]なろうとした 動詞・意図・未完了・三人称・男性・単数
98章1節(3) الَّذِينَ ッラディㇶーナ それは〜者たち [定冠詞]代名詞・関係・男性・複数
98章1節(4) كَفَرُوا カファル・ゥー 彼等は信仰しなかった 動詞・完了・三人称・男性・複数+代名詞・主語
98章1節(5) مِنْ ミン 〜[の]中から 前置詞
98章1節(6) أَهْلِ アフリ 民の 名詞・属格・男性
98章1節(7) الْكِتَابِ ル・キタービ その書(啓典)の 定冠詞+名詞・属格・男性
98章1節(8) وَالْمُشْرِكِينَ ワ・ル・ムシュリキーナ そしてあの神々を拝む[者たち] 接続詞+定冠詞+分詞・能動・属格・男性・複数
98章1節(9) مُنفَكِّينَ ムンファッキーナ (不信仰を)止める[者たちに] 分詞・能動・対格・男性・複数
98章1節(10) حَتَّى ハッター 〜まで 前置詞
98章1節(11) تَأْتِيَهُمُ タティヤ・フム [それが]やって来る、彼等に 動詞・仮定・未完了・三人称・女性・単数+代名詞・目的・三人称・男性・複数
98章1節(12) الْبَيِّنَةُ ル・バイイナ[トゥ] この明証が 定冠詞+名詞・主格・女性・単数
98章2節(1) رَسُولٌ ラスールン 使徒が 名詞・不定・主格・男性
98章2節(2) مِّنَ ミナ 〜許から 前置詞
98章2節(3) اللَّهِ ッ・ラヒ 御神の 定冠詞+名詞・固有・属格
98章2節(4) يَتْلُو ヤトルー [彼が]朗誦しました 動詞・未完了・三人称・男性・単数
98章2節(5) صُحُفًا スフファン 諸々の聖典を 名詞・不定・対格・複数
98章2節(6) مُّطَهَّرَةً ムタッハラ 淨められた[ものを] 分詞・不定・受動・対格・女性
98章3節(1) فِيهَا フィー・ハー それの中に 前置詞+代名詞・目的・三人称・女性・単数
98章3節(2) كُتُبٌ クトゥブン 諸々の文書が 名詞・不定・主格・男性・複数
98章3節(3) قَيِّمَةٌ クァイイィマ[トゥン] 正しい[ものが] 形容詞・不定・主格・女性
98章4節(1) وَمَا ワ・マー そして〜ことはありません 接続詞+助詞・否定
98章4節(2) تَفَرَّقَ タファッラクァ [それが]分裂した 動詞・完了・三人称・男性・単数
98章4節(3) الَّذِينَ ッラディㇶーナ それは〜者たち [定冠詞]代名詞・関係・男性・複数
98章4節(4) أُوتُوا ウート・ゥー 彼等は与えられた 動詞・受動・完了・三人称・男性・複数+代名詞・主語
98章4節(5) الْكِتَابَ ル・キターバ その書を 定冠詞+名詞・対格・男性
98章4節(6) إِلَّا イッラー 〜を除いて 助詞・確信
98章4節(7) مِن ミン 〜時から 前置詞
98章4節(8) بَعْدِ バアディ 後の 名詞・属格
98章4節(9) مَا マー 〜こと 代名詞・関係
98章4節(10) جَاءتْهُمُ ジャーアト・フム [それが]やって来た、彼等に 動詞・完了・三人称・女性・単数+代名詞・目的・三人称・男性・複数
98章4節(11) الْبَيِّنَةُ ル・バイイナ[トゥ] この明証が 定冠詞+名詞・主格・女性・単数
98章5節(1) وَمَا ワ・マー そして〜ことはありません 接続詞+助詞・否定
98章5節(2) أُمِرُوا ウミル・ゥー 彼等は命じられた 動詞・受動・完了・三人称・男性・複数+代名詞・主語
98章5節(3) إِلَّا イッラー 〜[を]除いて 助詞・確信
98章5節(4) لِيَعْبُدُوا リ・ヤァーブド・ゥー 彼等は礼拝をしようとすること 助詞・目的+動詞・仮定・未完了・三人称・男性・複数+代名詞・主語
98章5節(5) اللَّهَ ッ・ラハ 御神に 定冠詞+名詞・固有・対格
98章5節(6) مُخْلِصِينَ ムクㇷリスィーナ 心をこめた[ものに] 分詞・能動・対格・男性・複数
98章5節(7) لَهُ ラ・フ 彼に 前置詞+代名詞・人称・三人称・男性・単数
98章5節(8) الدِّينَ ッ・ディーナ この宗教に[おいて] 定冠詞+名詞・対格・男性
98章5節(9) حُنَفَاء フナファーア 一筋に 名詞・対格・男性・複数
98章5節(10) وَيُقِيمُوا ワ・ユクィーム・ゥー そして彼等は確立しようとする 接続詞+動詞・仮定・未完了・三人称・男性・複数+代名詞・主語
98章5節(11) الصَّلَاةَ ッ・サラタ 定めの祈りを 定冠詞+名詞・対格・女性
98章5節(12) وَيُؤْتُوا ワ・ユト・ゥー そして彼等は与えようとする 接続詞+動詞・仮定・未完了・三人称・男性・複数+代名詞・主語
98章5節(13) الزَّكَاةَ ッ・ザカタ 定めの喜捨を 定冠詞+名詞・対格・女性
98章5節(14) وَذَلِكَ ワ・ダㇵーリカ そしてそれが 助詞・再開+代名詞・指示・男性・単数
98章5節(15) دِينُ ディーヌ 宗教 名詞・主格・男性
98章5節(16) الْقَيِّمَةِ ル・クァイイマ[ティ] まさに正真正銘の 定冠詞+名詞・属格・女性
98章6節(1) إِنَّ インナ 真に 助詞・対格
98章6節(2) الَّذِينَ ッラディㇶーナ それは〜者たち [定冠詞]代名詞・関係・男性・複数
98章6節(3) كَفَرُوا カファル・ゥー 彼等は信仰しなかった 動詞・完了・三人称・男性・複数+代名詞・主語
98章6節(4) مِنْ ミン 〜[の]中から 前置詞
98章6節(5) أَهْلِ アフリ 民の 名詞・属格・男性
98章6節(6) الْكِتَابِ ル・キタービ その書の 定冠詞+名詞・属格・男性
98章6節(7) وَالْمُشْرِكِينَ ワ・ル・ムシュリキーナ そしてあの神々を拝む[者たちの] 接続詞+定冠詞+分詞・能動・属格・男性・複数
98章6節(8) فِي フィー 〜[の]中に 前置詞
98章6節(9) نَارِ ナーリ 火の 名詞・属格・女性
98章6節(10) جَهَنَّمَ ジャハンナマ 地獄の 名詞・固有・属格
98章6節(11) خَالِدِينَ カㇵーリディーナ とこしえに住む[者たちに] 分詞・能動・対格・男性・複数
98章6節(12) فِيهَا フィー・ハー そこに 前置詞+代名詞・目的・三人称・女性・単数
98章6節(13) أُوْلَئِكَ ウラーイカ それら 代名詞・指示・複数
98章6節(14) هُمْ フム 彼等は 代名詞・人称・三人称・男性・複数
98章6節(15) شَرُّ シャッル 最悪のもの 名詞・主格・男性・単数
98章6節(16) الْبَرِيَّةِ ル・バリヤ[ティ] まさに被創造物の 定冠詞+名詞・属格・女性
98章7節(1) إِنَّ インナ 真に 助詞・対格
98章7節(2) الَّذِينَ ッラディㇶーナ それは〜者たち [定冠詞]代名詞・関係・男性・複数
98章7節(3) آمَنُوا アーマヌ・ゥー 彼等は信仰している 動詞・完了・三人称・男性・複数+代名詞・主語
98章7節(4) وَعَمِلُوا ワ・アミル・ゥー そして彼等は為している 接続詞+動詞・完了・三人称・男性・複数+代名詞・主語
98章7節(5) الصَّالِحَاتِ ッ・サーリハーティ その諸々の正しい行いを 分詞・能動・対格・女性・複数
98章7節(6) أُوْلَئِكَ ウラーイカ それら 代名詞・指示・複数
98章7節(7) هُمْ フム 彼等は 代名詞・人称・三人称・男性・複数
98章7節(8) خَيْرُ カㇵイル 最良のもの 名詞・主格・男性・単数
98章7節(9) الْبَرِيَّةِ ル・バリヤ[ティ] まさに被創造物の 定冠詞+名詞・属格・女性
98章8節(1) جَزَاؤُهُمْ ジャザーウ・フム 彼等の報奨は 名詞・主格・男性+代名詞・所有・三人称・男性・複数
98章8節(2) عِندَ インダ 〜[の]側に[ある] 副詞・場所・対格
98章8節(3) رَبِّهِمْ ラッビ・ヒム 彼等の主の 名詞・属格・男性+代名詞・所有・三人称・男性・複数
98章8節(4) جَنَّاتُ ジャンナートゥ 諸々の園 名詞・主格・女性・複数
98章8節(5) عَدْنٍ アドニン エデンの 名詞・固有・属格
98章8節(6) تَجْرِي タジュリー [それが]流れる 動詞・未完了・三人称・女性・単数
98章8節(7) مِن ミン 〜[の]所から 前置詞
98章8節(8) تَحْتِهَا タフティ・ハー その下の 名詞・属格+代名詞・所有・三人称・女性・単数
98章8節(9) الْأَنْهَارُ ル・アンハール その数ある川が 定冠詞+名詞・主格・男性・複数
98章8節(10) خَالِدِينَ カㇵーリディーナ 住む[者たちに] 分詞・能動・対格・男性・複数
98章8節(11) فِيهَا フィー・ハー そこに 前置詞+代名詞・目的・三人称・女性・単数
98章8節(12) أَبَدًا アバダ[ン] とこしえに 副詞・不定・時間・対格・男性
98章8節(13) رَّضِيَ ラディヤ [彼は]喜びます 動詞・完了・三人称・男性・単数
98章8節(14) اللَّهُ ッ・ラフ 御神は 定冠詞+名詞・固有・主格
98章8節(15) عَنْهُمْ アン・フム 彼等のことを 前置詞+代名詞・目的・三人称・男性・複数
98章8節(16) وَرَضُوا ワ・ラド・ゥー そして彼等は喜びます 接続詞+動詞・完了・三人称・男性・複数+代名詞・主語
98章8節(17) عَنْهُ アン・フ 彼のことを 前置詞+代名詞・目的・三人称・男性・単数
98章8節(18) ذَلِكَ ダㇵーリカ それが 代名詞・指示・男性・単数
98章8節(19) لِمَنْ リ・マン 〜者に対する[報奨] 前置詞+代名詞・関係
98章8節(20) خَشِيَ カㇵシヤ [彼は]恐れた 動詞・完了・三人称・男性・単数
98章8節(21) رَبَّهُ ラッバ[・フ] 彼の主を 名詞・対格・男性+代名詞・所有・三人称・男性・単数
コーラン(私訳) 第九八章 アル・バイイナ 明証 メッカ啓示
☞1節 一 その書(啓典)の民の中から そしてあの神々を拝む[者たちの][中から]信仰しなかった者たちは  [それは](不信仰を)止める[者たちに]なろうとしなかった この明証が彼等にやって来るまで
☞2節 二 御神の許から使徒が [彼が]朗誦しました 清浄なる聖典を
☞3節 三 それの中に正しい文書が
☞4節 四 その書(啓典)を与えられた者たちが分裂したことはありません この明証が彼等にやって来た後を除いて
☞5節 五 彼等は[それを除いて]命じられたことはありません 彼等は心をこめ御神に礼拝することを除いて この宗教に[おいて]彼に一筋に そして彼等は定めの祈りを確立する[ことを除いて] そして彼等は定めの喜捨を与える[ことを除いて] そしてそれがまさに正真正銘の宗教
☞6節 六 真に その書(啓典)の民の中から そしてあの神々を拝む[者たちの][中から]信仰しなかった者たちは 地獄の火の中に そこにとこしえに住む[者たちに] その彼等はまさに被創造物の最悪のもの  
☞7節 七 真に 信仰している者たち そして正しい行いを為している[者たち] その彼等はまさに被創造物の最良のもの  
☞8節 八 彼等の報奨は彼等の主の側に[ある] エデンの園 [それは]その下から川が流れる[所] [彼等は]そこにとこしえに住む[者たちに] 御神は喜びます彼等のことを そして彼等は喜びます彼(御神)のことを それが彼の主を恐れた者に対する[報奨]
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「コーラン經」 明證品 第九十八 [アル・バイヤナ] 默コ那
「コーラン經」は日本初のコーラン全文翻訳本です
「コーラン經」は<譯者・坂本健一>{上下二巻}として世界聖典全集刊行會から(大正九年)発行されました
「コーラン經」の構成は凡例、目次、114品(章)の本文、附録として各品(章)の解題と註釋、イスラム教とコーランについての詳細な後書きから成っています。
ここでは114品(章)別に本文と解題と註釋をまとめて紹介します
本文の漢字・ルビ・送り仮名は大正時代そのままの形を復刻できるように努めました
明證品[アル・バイヤナ](1-8節)の本文
大慈悲~の名に於て
一 聖典を授かりし者偶像信者の中の不信者は明證の至るまで動かず。
二 ~の使徒は正しき談義あるC眞の天啓經典を說くも。
三 また聖典を授かりし者は明證の至るまで派を分たず。
四 渠等の命ぜられしはC眞のヘを示し正ヘを守りて~を禮拜し、祈禱を絶たず施與を行ふに外ならず。これ正しきヘなり。
五 洵に聖典を授かりし者と偶像信者との中の不信者は地獄の猛火(に投ぜられて永久に其處)に在らん。此等は造物の最惡なり。
六 然れども信じて善行を修せる者は造物の最善なり。
七 その上帝の報償はC水の流るゝ永刧の樂園、渠等は長しへに其處に在らん。
八 ~は渠等をスぶべく、渠等は~にスばれん。その上帝を畏るゝ者には是あり。
明證品[アル・バイヤナ](1-8節)の解題(題名の由来、啓示時期、内容解説)
或は此を以て默伽書と爲す者なれども根據なし。偶像信者猶太基督ゥヘの分派を說く。
ネルデケその年代順には此を第二黃牛品の次に配せり。
 內容 偶像信者、可蘭の默示に動搖す(一−二)。
    猶太基督ヘ徒、新ヘの出現によりて相爭ふ(三−四)。
    不信者は~判を以て威嚇さる、ムスリムは人類の最良(五−八)。
明證品[アル・バイヤナ](1-8節)の註釋(文字の解釈)
一 明證は麻訶末若しくは可蘭を指す。
四 正しきヘはイスラム。
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