コーラン88章をアラビア語原典から逐語訳してみました
アラビア語は右から左に日本語は左から右に読みます
アラビア語の音読みはウェブ上で公開されているコーランの朗唱によりました
アラビア語の文法はウェブ上で公開されている逐語訳文法をもとにして日本語に纏め直したものです
逐語訳の語順を変えたり言葉を添えたりして和文として意味の通じるような私訳を各節にリンクして最後に付けてみました
逐語訳に「コーラン経」を加えて同一頁で読めるようにしました(章によっては節の数字が違います) →「コーラン経」第八十八
الغاشية アル・ガㇵシㇶヤ 完全に覆うもの メッカ啓示 コーラン88章1節〜26節の逐語訳です
☞88;1-7 火の中で鼻をへし折られた顔に
☞88;8-16 園の中で喜びにあふれた顔に
☞88;17-20 見なかったのか?如何に創られたか?
☞88;21-26 ただ単にあなたは戒める者
88章1節(1) هَلْ ハル 〜か? 助詞・疑問
88章1節(2) أَتَاكَ アター・カ [それは]達している、あなたに 動詞・完了・三人称・男性・単数+代名詞・目的・二人称・男性・単数
88章1節(3) حَدِيثُ ハディートゥㇷ 話は 名詞・主格・男性
88章1節(4) الْغَاشِيَةِ ル・ガㇵシㇶヤ[ティ] 完全に覆う[ものの](大災難の) 定冠詞+分詞・能動・属格・女性・単数
88章2節(1) وُجُوهٌ ウジューフン 数ある顔は 名詞・不定・主格・男性・複数
88章2節(2) يَوْمَئِذٍ ヤウマイディㇶン その日 副詞・時間
88章2節(3) خَاشِعَةٌ カㇵーシㇶア[トゥン] 鼻をへし折られた[もの](になる) 分詞・不定・能動・主格・女性・単数
88章3節(1) عَامِلَةٌ アーミラトゥン 辛い労働をする[もの] 分詞・不定・能動・主格・女性
88章3節(2) نَّاصِبَةٌ ナーシバ[トゥン] 疲れ果てる[もの] 分詞・不定・能動・主格・女性
88章4節(1) تَصْلَى タスラー [彼等は]焼かれます 動詞・未完了・三人称・女性・単数
88章4節(2) نَارًا ナーラン 火に 名詞・不定・対格・女性
88章4節(3) حَامِيَةً ハーミヤタン 激しく熱した[ものに] 分詞・不定・能動・対格・女性
88章5節(1) تُسْقَى トゥスクァー [それは]飲み物を与えられます 動詞・受動・未完了・三人称・女性・単数
88章5節(2) مِنْ ミン 所から 前置詞
88章5節(3) عَيْنٍ アイニン 泉の 名詞・不定・属格・女性
88章5節(4) آنِيَةٍ アーニヤ[ティン] 煮えたぎる[ものの] 分詞・不定・能動・属格・女性
88章6節(1) لَّيْسَ ライサ [それは]存りません 動詞・完了・三人称・男性・単数
88章6節(2) لَهُمْ ラ・フム 彼等に 前置詞+代名詞・人称・三人称・男性・複数
88章6節(3) طَعَامٌ タアームン 食べ物は 名詞・不定・主格・男性
88章6節(4) إِلَّا イッラー 〜[を]除いて 助詞・例外
88章6節(5) مِن ミン 〜[の]ものを 前置詞
88章6節(6) ضَرِيعٍ ダリーイ[ン] 苦い棘の 名詞・不定・属格・男性
88章7節(1) لَا ラー 〜ことはない 助詞・否定
88章7節(2) يُسْمِنُ ユスミヌ [それは]栄養を与える 動詞・未完了・三人称・男性・単数
88章7節(3) وَلَا ワ・ラー そして〜こともない 接続詞+助詞・否定
88章7節(4) يُغْنِي ユグㇷニー [それは]満たす 動詞・未完了・三人称・男性・単数
88章7節(5) مِن ミン 〜[の]許から 前置詞
88章7節(6) جُوعٍ ジュー[イン] 飢えの 名詞・不定・属格・男性
88章8節(1) وُجُوهٌ ウジューフン 数ある顔は 名詞・不定・主格・男性・複数
88章8節(2) يَوْمَئِذٍ ヤウマイディㇶン その日 副詞・時間
88章8節(3) نَّاعِمَةٌ ナーイマトゥ[ン] 喜びにあふれた[もの](になる) 分詞・不定・能動・主格・女性
88章9節(1) لِسَعْيِهَا リ・サイィ・ハー それ(己)の努力に 前置詞+名詞・属格・男性+代名詞・所有・三人称・女性・単数
88章9節(2) رَاضِيَةٌ ラーディヤトゥ[ン] 満足する[もの] 分詞・不定・能動・主格・女性
88章10節(1) فِي フィー 〜[の]中で 前置詞
88章10節(2) جَنَّةٍ ジャンナティン 園の 名詞・不定・属格・女性
88章10節(3) عَالِيَةٍ アーリヤ[ティン] 高い所にある[ものの] 分詞・不定・能動・属格・女性
88章11節(1) لَّا ラー 〜ことはない 助詞・否定
88章11節(2) تَسْمَعُ タスマウ [彼等は]聞く 動詞・未完了・二人称・男性・単数
88章11節(3) فِيهَا フィー・ハー その中で 前置詞+代名詞・目的・三人称・女性・単数
88章11節(4) لَاغِيَةً ラーギㇶヤタ[ン] 無駄話をする[ことを] 分詞・不定・能動・対格・女性
88章12節(1) فِيهَا フィー・ハー その中に 前置詞+代名詞・目的・三人称・女性・単数
88章12節(2) عَيْنٌ アイヌン 泉が(ある) 名詞・不定・主格・女性
88章12節(3) جَارِيَةٌ ジャーリヤ[トゥン] 流れる[ものが] 分詞・不定・能動・主格・女性
88章13節(1) فِيهَا フィー・ハー その中に 前置詞+代名詞・目的・三人称・女性・単数
88章13節(2) سُرُرٌ スルルン 諸々の寝椅子が(ある) 名詞・不定・主格・男性・複数
88章13節(3) مَّرْفُوعَةٌ マルフーアトゥ[ン] 高く上げられた[ものが] 分詞・不定・受動・主格・女性
88章14節(1) وَأَكْوَابٌ ワ・アクワーブン そして諸々の杯が(ある) 接続詞+名詞・不定・主格・男性・複数
88章14節(2) مَّوْضُوعَةٌ マウドゥーアトゥ[ン] 備え付けられた[ものが] 分詞・不定・受動・主格・女性
88章15節(1) وَنَمَارِقُ ワ・ナマーリク そして諸々の褥が(ある) 接続詞+名詞・不定・主格・男性・複数
88章15節(2) مَصْفُوفَةٌ マスフーファトゥ[ン] 並べられた[ものが] 分詞・不定・受動・主格・女性
88章16節(1) وَزَرَابِيُّ ワ・ザラービイユ そして諸々の敷物が(ある) 接続詞+名詞・不定・主格・男性・複数
88章16節(2) مَبْثُوثَةٌ マブトゥㇷータㇵ[トゥン] 敷き広げられた[ものが] 分詞・不定・受動・主格・女性
88章17節(1) أَفَلَا ア・ファ・ラー それにしても〜ことはないのか? 疑問+助詞・補足+助詞・否定
88章17節(2) يَنظُرُونَ ヤンズルー・ナ 彼等は見た 動詞・未完了・三人称・男性・複数+代名詞・主語
88章17節(3) إِلَى イラー 〜[の方]を 前置詞
88章17節(4) الْإِبِلِ ル・イビリ その駱駝の 定冠詞+名詞・属格・男性
88章17節(5) كَيْفَ カイファ 如何に〜か? 名詞・疑問
88章17節(6) خُلِقَتْ クㇷリクァト [それが]創られた 動詞・受動・完了・三人称・女性・単数
88章18節(1) وَإِلَى ワ・イラー そして〜[の方]を 接続詞+前置詞
88章18節(2) السَّمَاء ッ・サマーイ あの天空の 定冠詞+名詞・属格・女性
88章18節(3) كَيْفَ カイファ 如何に〜か? 名詞・疑問
88章18節(4) رُفِعَتْ ルフィーアト [それが]高く掲げられた 動詞・受動・完了・三人称・女性・単数
88章19節(1) وَإِلَى ワ・イラー そして〜[の方]を 接続詞+前置詞
88章19節(2) الْجِبَالِ ル・ジバーリ その山々の 定冠詞+名詞・属格・男性・複数
88章19節(3) كَيْفَ カイファ 如何に〜か? 名詞・疑問
88章19節(4) نُصِبَتْ ヌシバト [それが]据え付けられた 動詞・受動・完了・三人称・女性・単数
88章20節(1) وَإِلَى ワ・イラー そして〜[の方]を 接続詞+前置詞
88章20節(2) الْأَرْضِ ル・アルディ この地の 定冠詞+名詞・属格・女性
88章20節(3) كَيْفَ カイファ 如何に〜か? 名詞・疑問
88章20節(4) سُطِحَتْ スティハト [それが]広げられた 動詞・受動・完了・三人称・女性・単数
88章21節(1) فَذَكِّرْ ファ・ダㇵッキル だから[あなたは]戒めなさい 助詞・再開+動詞・命令・二人称・男性・単数
88章21節(2) إِنَّمَا インナ・マー ただ単に 助詞・対格+助詞・予防
88章21節(3) أَنتَ アンタ あなたは 代名詞・人称・二人称・男性・単数
88章21節(4) مُذَكِّرٌ ムダㇵッキル[ン] 戒める[者] 分詞・不定・能動・主格・男性
88章22節(1) لَّسْتَ ラス・タ あなたは〜ではない 動詞・完了・二人称・男性・単数+代名詞・主語
88章22節(2) عَلَيْهِم アライ・ヒム 彼等の上に 前置詞+代名詞・目的・三人称・男性・複数
88章22節(3) بِمُصَيْطِرٍ ビ・ムサイティル[ムサイティリン] 監督する[者] 前置詞+分詞・不定・能動・属格・男性
88章23節(1) إِلَّا イッラー しかし 助詞・例外
88章23節(2) مَن マン 〜者を 代名詞・関係
88章23節(3) تَوَلَّى タワッラー [彼は]背を向ける 動詞・完了・三人称・男性・単数
88章23節(4) وَكَفَرَ ワ・カファル[カファラ] そして[彼は]信仰しない 接続詞+動詞・完了・三人称・男性・単数
88章24節(1) فَيُعَذِّبُهُ ファ・ユアディㇶブ・フ その時[彼が]罰します、彼を 助詞・再開+動詞・未完了・三人称・男性・単数+代名詞・目的・三人称・男性・単数
88章24節(2) اللَّهُ ッ・ラフ 御神が 定冠詞+名詞・固有・主格
88章24節(3) الْعَذَابَ ル・アダㇵーバ その罰を 定冠詞+名詞・対格・男性
88章24節(4) الْأَكْبَرَ ル・アクバル[アクバラ] 最も大きな[ものを] 定冠詞+形容詞・対格・男性・単数
88章25節(1) إِنَّ インナ 真に 助詞・対格
88章25節(2) إِلَيْنَا イライ・ナー 私たちの許に 前置詞+代名詞・目的・一人称・複数
88章25節(3) إِيَابَهُمْ イヤーバ・フム 彼等の帰還先(がある) 名詞・対格・男性+代名詞・所有・三人称・男性・複数
88章26節(1) ثُمَّ トゥㇷムマ その時 接続詞
88章26節(2) إِنَّ インナ 真に 助詞・対格
88章26節(3) عَلَيْنَا アライ・ナー 私たちの上に 前置詞+代名詞・目的・一人称・複数
88章26節(4) حِسَابَهُمْ ヒサーバ・フム 彼等の勘定(がある) 名詞・動詞的・対格・男性+代名詞・所有・三人称・男性・複数
コーラン(私訳) 第八八章 アル・ガㇵシㇶヤ 完全に覆うもの メッカ啓示
☞1節 一 完全に覆う(大災難の)話はあなたに達しているか?
☞2節 二 数ある顔はその日鼻をへし折られた[もの](になる)
☞3節 三 辛い労働をして 疲れ果て
☞4節 四 [彼等は]焼かれます 激しく熱した火に
☞5節 五 [それは]飲み物を与えられます 煮えたぎる泉から
☞6節 六 彼等に食べ物は存りません 苦い棘を除いて
☞7節 七 [それは]栄養を与えることはない そして飢えから[それは]満たすこともない
☞8節 八 数ある顔はその日喜びにあふれた[もの](になる)
☞9節 九 それ(己)の努力に満足して
☞10節 一〇 高い所にある園の中で
☞11節 一一 その中で無駄話をするのを[彼等は]聞かない
☞12節 一二 その中に流れる泉が(ある)
☞13節 一三 その中に高く上げられた寝椅子が(ある)
☞14節 一四 そして備え付けられた杯が(ある)
☞15節 一五 そして並べられた褥が(ある)
☞16節 一六 そして敷き広げられた敷物が(ある)
☞17節 一七 それにしても彼等は見なかったのか?駱駝を 如何に[それが]創られたか?
☞18節 一八 そしてあの天空を 如何に[それが]高く掲げられたか?
☞19節 一九 そして山々を 如何に[それが]据え付けられたか?
☞20節 二〇 そしてこの地を 如何に[それが]広げられたか?
☞21節 二一 だから[あなたは]戒めなさい ただ単にあなたは戒める[者]
☞22節 二二 あなたは彼等の上に監督する[者]ではない
☞23節 二三 しかし背を向ける者を そして信仰しない[者を]
☞24節 二四 その時彼を御神が罰します 最も大きな罰を
☞25節 二五 真に 私たちの許に彼等の帰還先(がある)
☞26節 二六 その時真に 私たちの上に彼等の勘定(がある)
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「コーラン經」 壓伏品 第八十八 [アル・ガーシーヤ] 默伽
「コーラン經」は日本初のコーラン全文翻訳本です
「コーラン經」は<譯者・坂本健一>{上下二巻}として世界聖典全集刊行會から(大正九年)発行されました
「コーラン經」の構成は凡例、目次、114品(章)の本文、附録として各品(章)の解題と註釋、イスラム教とコーランについての詳細な後書きから成っています。
ここでは114品(章)別に本文と解題と註釋をまとめて紹介します
本文の漢字・ルビ・送り仮名は大正時代そのままの形を復刻できるように努めました
壓伏品[アル・ガーシーヤ](1-26節)の本文
大慈悲~の名に於て
一 壓伏(の日)の新聞爾曹に達せりや。
二 その日或ものは面を伏せ、
三 勞働役作、
四 焦熱の火に投じ燒かれん、
五 熱湯の泉を飮まされん、
六 荆棘の外に食なけん
七 そはふとらさずまた餓を醫せず。
八 然るにその日他の者の面は喜び、
九 その(過去の)努力を以てスばれ、
一〇 高き樂園に、
一一 毫も空談なく、
一二 其處にC流湧き、
一三 其處に臥榻あり、
一四 酒盞は前に、
一五 衾は整ひ、
一六 褥は布かる。
一七 渠等駱駝を考へずや、その如何に創造られしかを、
一八 天を、その如何に上げられしかを、
一九 山を、その如何に置かれしかを、
二〇 地を、その如何に展かれしかを。
二一 されば警戒めよ(爾の民を)、爾は唯警吿者なれば、
二二 爾は渠等の上に權威を行ふの力を授けられざれば。
二三 背きて信ぜざる者をば
二四 ~は(來世の)大なる責罰を以て罰せん。
二五 洵にわれに渠等は歸せざるべからず、
二六 その時そをC算せんはわれに在り。
壓伏品[アル・ガーシーヤ](1-26節)の解題(題名の由来、啓示時期、内容解説)
地獄の苦をきて豫言者とそのヘとを崇尊せんとの意ならん。
宣傳第四年頃。
  審判の日と地獄の光景信徒の歡喜(一−一六)。
    麻訶末は唯警告し、處罰は~に在り(一七−二六)。
壓伏品[アル・ガーシーヤ](1-26節)の註釋(文字の解釈)
一七 駱駝は亞剌比亞にては最重要なる動物なれば、之によりても~業の偉大を證するに足るなり。
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