コーラン87章をアラビア語原典から逐語訳してみました
アラビア語は右から左に日本語は左から右に読みます
アラビア語の音読みはウェブ上で公開されているコーランの朗唱によりました
アラビア語の文法はウェブ上で公開されている逐語訳文法をもとにして日本語に纏め直したものです
逐語訳の語順を変えたり言葉を添えたりして和文として意味の通じるような私訳を各節にリンクして最後に付けてみました
逐語訳に「コーラン経」を加えて同一頁で読めるようにしました(章によっては節数が違います) →「コーラン経」第八十七
الأعلى アル・アァラー いと高き者 メッカ啓示 コーラン87章1節〜19節の逐語訳です
☞87;1-5 いと高き主の名を讃えなさい
☞87;6-7 あなたに読誦させる
☞87;8-13 可哀そうな者は火に燃える
☞87;14-17 身を浄め主の名を心に留め祈る者は成功者
☞87;18-19 アブラハムとモーセの聖典の中にある
87章1節(1) سَبِّحِ サッビヒ [あなたは]讃えなさい 動詞・命令・二人称・男性・単数
87章1節(2) اسْمَ スマ 名を 名詞・対格・男性
87章1節(3) رَبِّكَ ラッビ・カ あなたの主の 名詞・属格・男性+代名詞・所有・二人称・男性・単数
87章1節(4) الْأَعْلَى ル・アァラー いと高き[者の] 定冠詞+形容詞・属格・男性
87章2節(1) الَّذِي ッラディㇶー それは〜者 [定冠詞]代名詞・関係・男性・単数
87章2節(2) خَلَقَ クㇵラクァ [彼は](被創造物を)創った 動詞・完了・三人称・男性・単数
87章2節(3) فَسَوَّى ファ・サウワー それから[彼は]調和をとった 接続詞+動詞・完了・三人称・男性・単数
87章3節(1) وَالَّذِي ワ・ッラディㇶー そしてそれは〜者 接続詞+[定冠詞]代名詞・関係・男性・単数
87章3節(2) قَدَّرَ クァッダラ [彼は](運命を)定めた 動詞・完了・三人称・男性・単数
87章3節(3) فَهَدَى ファ・ハダー それから[彼は](道を)示し導いた 接続詞+動詞・完了・三人称・男性・単数
87章4節(1) وَالَّذِي ワ・ッラディㇶー そしてそれは〜者 接続詞+[定冠詞]代名詞・関係・男性・単数
87章4節(2) أَخْرَجَ アクㇷラジャ [彼は]生み出した 動詞・完了・三人称・男性・単数
87章4節(3) الْمَرْعَى ル・マルアー あの牧草を 定冠詞+名詞・対格・男性
87章5節(1) فَجَعَلَهُ ファ・ジャアラ・フ それから[彼は]為す(者)、それを 接続詞+動詞・完了・三人称・男性・単数+代名詞・目的・三人称・男性・単数
87章5節(2) غُثَاء グㇷタㇵーアン 刈り株に 名詞・不定・対格・男性
87章5節(3) أَحْوَى アフワー 黒い[ものに] 形容詞・不定・対格・男性・単数
87章6節(1) سَنُقْرِؤُكَ サ・ヌクリウ・カ [私たちは]読誦させることにする、あなたに 助詞・未来+動詞・未完了・一人称・複数+代名詞・目的・二人称・男性・単数
87章6節(2) فَلَا ファ・ラー だから〜ことはいけない 助詞・再開+助詞・否定
87章6節(3) تَنسَى タンサー [あなたは]忘れる 動詞・未完了・二人称・男性・単数
87章7節(1) إِلَّا イッラー 〜[を]除いて 助詞・例外
87章7節(2) مَا マー 〜ことを 代名詞・関係
87章7節(3) شَاء シャーア [彼が]望んだ 動詞・完了・三人称・男性・単数
87章7節(4) اللَّهُ ッ・ラ[フ] 御神が 定冠詞+名詞・固有・主格
87章7節(5) إِنَّهُ インナ・フ 真に、彼 助詞・対格+代名詞・目的・三人称・男性・単数
87章7節(6) يَعْلَمُ ヤァラム [彼は]知っています 動詞・未完了・三人称・男性・単数
87章7節(7) الْجَهْرَ ル・ジャフラ その現れているものを 定冠詞+名詞・対格・男性
87章7節(8) وَمَا ワ・マー そして〜ものを 接続詞+代名詞・関係
87章7節(9) يَخْفَى ヤクㇷファー [それは]隠れている 動詞・未完了・三人称・男性・単数
87章8節(1) وَنُيَسِّرُكَ ワ・ヌヤッスィル・カ そして私たちは容易にします、あなたを 接続詞+動詞・未完了・一人称・複数+代名詞・目的・二人称・男性・単数
87章8節(2) لِلْيُسْرَى リ・ル・ユスラー 最も容易な道に向かって 前置詞+定冠詞+名詞・属格・女性・単数
87章9節(1) فَذَكِّرْ ファ・ダㇵッキル だから[あなたは]戒めなさい 助詞・再開+動詞・命令・二人称・男性・単数
87章9節(2) إِن イン もし〜なら 助詞・条件
87章9節(3) نَّفَعَتِ ナファアティ [それが]役立つ 動詞・完了・三人称・女性・単数
87章9節(4) الذِّكْرَى ッ・ディㇶクラー その戒めが 定冠詞+名詞・主格・女性
87章10節(1) سَيَذَّكَّرُ サ・ヤダㇵッカル [彼は]注意を払うことになる 助詞・未来+動詞・未完了・三人称・男性・単数
87章10節(2) مَن マン 〜者は 代名詞・関係
87章10節(3) يَخْشَى ヤクㇷシャー [彼は]恐れる 動詞・未完了・三人称・男性・単数
87章11節(1) وَيَتَجَنَّبُهَا ワ・ヤタジャンナブ・ハー そして[彼は]避けます、それを 接続詞+動詞・未完了・三人称・男性・単数+代名詞・目的・三人称・女性・単数
87章11節(2) الْأَشْقَى ル・アシュクァー 最も可哀そうな者は 定冠詞+名詞・主格・男性・単数
87章12節(1) الَّذِي ッラデㇶィー それは〜者 [定冠詞]代名詞・関係・男性・単数
87章12節(2) يَصْلَى ヤスラー [それは]燃える 動詞・未完了・三人称・男性・単数
87章12節(3) النَّارَ ン・ナーラ その火に 定冠詞+名詞・対格・女性
87章12節(4) الْكُبْرَى ル・クブラー 最も大いなる[ものに] 定冠詞+形容詞・対格・女性
87章13節(1) ثُمَّ スムマ その時 接続詞
87章13節(2) لَا ラー 〜ことはない 助詞・否定
87章13節(3) يَمُوتُ ヤムートゥ [彼は]死ぬ 動詞・未完了・三人称・男性・単数
87章13節(4) فِيهَا フィー・ハー それの中で 前置詞+代名詞・目的・三人称・女性・単数
87章13節(5) وَلَا ワ・ラー また〜こともない 接続詞+助詞・否定
87章13節(6) يَحْيَى ヤヒヤー [彼は]生きる 動詞・未完了・三人称・男性・単数
87章14節(1) قَدْ クァド 必ず 助詞・確信
87章14節(2) أَفْلَحَ アフラハ [彼は]成功します 動詞・完了・三人称・男性・単数
87章14節(3) مَن マン 〜者は 代名詞・関係
87章14節(4) تَزَكَّى タザッカー [彼は]身を浄める 動詞・完了・三人称・男性・単数
87章15節(1) وَذَكَرَ ワ・ダㇵカラ そして[彼は]心に留める 接続詞+動詞・完了・三人称・男性・単数
87章15節(2) اسْمَ スマ 名を 名詞・対格・男性
87章15節(3) رَبِّهِ ラッビ・ヒ 彼の主の 名詞・属格・男性+代名詞・所有・三人称・男性・単数
87章15節(4) فَصَلَّى ファ・サッラー そして[彼は]祈る 接続詞+動詞・完了・三人称・男性・単数
87章16節(1) بَلْ バル いや 助詞・取消
87章16節(2) تُؤْثِرُونَ トゥティㇶルー・ナ あなたたちは好みます 動詞・未完了・二人称・男性・複数+代名詞・主語
87章16節(3) الْحَيَاةَ ル・ハヤタ その人生を 名詞・対格・女性
87章16節(4) الدُّنْيَا ッ・ドゥニヤー この世の[ものを] 形容詞・対格・女性・単数
87章17節(1) وَالْآخِرَةُ ワ・ル・アーキㇶラトゥ ところが一方あの世は〜なのに 接続詞+定冠詞+名詞・主格・女性・単数
87章17節(2) خَيْرٌ カㇵイルン もっと優るもの 名詞・不定・主格・男性・単数
87章17節(3) وَأَبْقَى ワ・アブクァー そして永く続くもの(である) 接続詞+名詞・主格
87章18節(1) إِنَّ インナ 真に 助詞・対格
87章18節(2) هَذَا ハーダㇵー これは 代名詞・指示・男性・単数
87章18節(3) لَفِي ラ・フィー 確かに〜[の]中に(ある) 接頭辞・強調+前置詞
87章18節(4) الصُّحُفِ ッ・スフフィ その聖典の諸々の言葉の 定冠詞+名詞・属格・女性・複数
87章18節(5) الْأُولَى ル・ウーラー 大昔の[ものの] 定冠詞+形容詞・属格・女性
87章19節(1) صُحُفِ スフフィ 聖典の諸々の言葉の(中にある) 名詞・属格・女性・複数
87章19節(2) إِبْرَاهِيمَ イブラーヒーマ アブラハムの 名詞・固有・属格・男性
87章19節(3) وَمُوسَى ワ・ムーサー そしてモーセの 接続詞+名詞・固有・属格・男性
コーラン(私訳) 第八七章 アル・アァラー いと高き者 メッカ啓示
☞1節 一 [あなたは]讃えなさい いと高きあなたの主の名を
☞2節 二 それは(被創造物を)創った者 それから[彼は]調和をとった[者]
☞3節 三 そしてそれは(運命を)定めた者 それから[彼は](道を)示し導いた[者]
☞4節 四 そしてそれはあの牧草を生み出した者
☞5節 五 それから[彼は]それを黒い刈り株に為す(者)
☞6節 六 [私たちは]あなたに読誦させることにする だから[あなたは]忘れてはいけない
☞7節 七 御神が望んだことを除いて 真に 彼は知っています 現れているものを そして隠れているものを
☞8節 八 そして私たちはあなたを容易にします 最も容易な道に向かって
☞9節 九 だから[あなたは]戒めなさい もしその戒めが役立つなら
☞10節 一〇 恐れる者は注意を払うことになる
☞11節 一一 そして最も可哀そうな者はそれ(戒め)を避けます
☞12節 一二 それは最も大いなる火に燃える者
☞13節 一三 その時それの中で[彼は]死ぬことはない また[彼は]生きることもない
☞14節 一四 必ず[彼は]成功します 身を浄める者は
☞15節 一五 そして彼の主の名を心に留める[者は] そして祈る[者は]
☞16節 一六 いや あなたたちは好みます この世の人生を
☞17節 一七 ところが一方あの世はもっと優るもの そして永く続くもの(である)のに
☞18節 一八 真に これは確かに 大昔の聖典の言葉の中に(ある)
☞19節 一九 アブラハムの そしてモーセの聖典の言葉の(中にある)
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「コーラン經」 至上品 第八十七 [アル・アラ] 默伽
「コーラン經」は日本初のコーラン全文翻訳本です
「コーラン經」は<譯者・坂本健一>{上下二巻}として世界聖典全集刊行會から(大正九年)発行されました
「コーラン經」の構成は凡例、目次、114品(章)の本文、附録として各品(章)の解題と註釋、イスラム教とコーランについての詳細な後書きから成っています。
ここでは114品(章)別に本文と解題と註釋をまとめて紹介します
本文の漢字・送り仮名は大正時代そのままの形を復刻できるように努めました
至上品[アル・アラ](1-19節)の本文
大慈悲~の名に於て
一 爾曹の至上の上帝の名を頌揚せよ、
二 創造し、
三 形成し、(その造物の目的を)決定し、示導し、
四 (家畜の爲に)牧を生じ、
五 のちそを淡Kき刈科と化す。
六 われ爾をして(わが天啓を)說かしむ、爾は(その何の部分をも)忘れざるべし。
七 ~の(改删を)欲する所を除きて。渠は顯はれしと隱くれしとを併せ知れば。
八 われ爾を最容易き法に就かしむべし。
九 故に(爾の)ヘ戒(渠等に)利uあらば(爾の民を)ヘ化せよ。
一〇 (~を)畏るゝ者はヘ戒されん、
一一 されど最惡しき(不信)者は背き去らん、
一二 そは(地獄の)大火に投ぜられん、
一三 其處には死せずまた生きざらん。
一四 今幸b得るは(信仰によりて)淨められし者、
一五 その上帝の名を記して祈る者よ。
一六 さるに爾曹はこの現世を重んず、
一七 來世は更に善く更に長きに。
一八 洵にこれ上古の聖典に在り、
一九 アブラハムとモーセとの聖典に。
至上品[アル・アラ](1-19節)の解題(題名の由来、啓示時期、内容解説)
此處には特に~の刪去を欲する部分を除きて天啓を說くに麻訶末を助けんをいへり。
こは恐らく最早き改刪の發表ならん。
然るに最後の一節には可蘭はアブラハム、モーセの聖典によりて證すべきをいへば、七、一八、一九の如きは後の漆加と覺し。
從ひて大體は默伽書ならんもその中の若干は疑はし。
 內容 至上~の頌(一−五)。
    可蘭宣傳に麻訶末を援くる~的(六−九)。
      ~を畏るゝ者のみヘへらる、正邪の應報、現世を未來より重んずる人、アブラハム、モーセの聖典は可蘭の證(一〇−一九)。
至上品[アル・アラ](1-19節)の註釋(文字の解釈)
八 最容易き法はガブリエルによりて天啓を默示することとも、またイスラムを最容易きヘ法となすとも解せらる。
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