詩編第58編をヘブライ語原典から逐語訳してみました
ヘブライ語は右から左に日本語は左から右に読みます
ヘブライ語の音読みはウェブ上で公開されているヘブライ語聖書の朗唱と朗読によりました(朗唱朗読ではיהוהはアドナイと読み替えています)
ヘブライ語の文法はウェブ上で参照した逐語訳文法を纏め直したものです
ヘブライ語を日本語に逐語訳するにあたって定冠詞や複数形をできる限り日本語に反映するように努めました
人や土地などの固有名詞はカタカナ訳の後に元の意味を==内に訳して付けました
各節にリンクして最後に日本語訳を添付しました ☞@逐語訳の語順を変え言葉を添えた書き下し文(私訳) A文語訳(1917年)B口語訳(1954年)
詩編全150編
תהרימ  כתובים テヒリーム讃美 (ケツヴィイム諸書) 旧約聖書詩編第58編1節〜12節
☞58;7-7 神(エロヒーム)よ彼等の歯を折って下さい主ヤㇵウェㇵよ獅子の歯を砕いて下さい
☞58;12-12 地を裁く神(エロヒーム)は居ます
詩編58:1(01) ל:מנצח ラ・ムナツェーアㇰフ 歌を完全に指揮する[者]に(任せた) 前置詞+動詞・ピエル(強調)・分詞・男性・単数
詩編58:1(02) אל־ アル・ 〜ことはない(ようにしなさい) 副詞
詩編58:1(03) תשחת タシュㇰヘート [あなたは]滅亡させる 動詞・ヒフィル(使役)・未完了・二人称・男性・単数
詩編58:1(04) ל:דוד レ・ダヴィード ダビデ=最愛の=に(属する) 前置詞+名詞(固有)
詩編58:1(05) מכתם ミㇰフタム ミクタム(の歌) 名詞(普通)・男性・単数
詩編58:2(01) ה:אמנם ハ・ウムナム 本当に〜か? 疑問+接続詞
詩編58:2(02) אלם エーレム 沈黙(よ) 名詞(普通)・男性・単数
詩編58:2(03) צדק ツェーデク 正義を 名詞(普通)・男性・単数
詩編58:2(04) תדברון テダッベルン [あなたたちは]完全に語る 動詞・ピエル(強調)・未完了・二人称・男性・複数
詩編58:2(05) מישרים メイシャリーム 諸々の公平に 名詞(普通)・男性・複数
詩編58:2(06) תשפטו ティシュペトゥー [あなたたちは]裁く 動詞・クァル(基本)・未完了・二人称・男性・複数
詩編58:2(07) בני ベネイ 息子たち(よ) 名詞(普通)・男性・複数
詩編58:2(08) אדם アダム [男の]人の 名詞(普通)・男性・単数
詩編58:3(01) אף־ アフ・ 本当に 接続詞
詩編58:3(02) ב:לב ベ・レーヴ 心の中で 前置詞+名詞(普通)・男性・単数
詩編58:3(03) עולת オロート 諸々の不正を 名詞(普通)・女性・複数
詩編58:3(04) תפעלון ティフアルン [あなたたちは]働きます 動詞・クァル(基本)・未完了・二人称・男性・複数
詩編58:3(05) ב:ארץ バ・アーレツ 地に 前置詞+名詞(普通)・女性・単数
詩編58:3(06) חמס ㇰハマース 暴虐を 名詞(普通)・男性・単数
詩編58:3(07) ידי:כם イェデイ・ㇰヘム あなたたちの両手の 名詞(普通)・女性・双数+接尾辞・二人称・男性・複数
詩編58:3(08) תפלסון テファッレスン [あなたたちは]完全に量り(売り)ます 動詞・ピエル(強調)・未完了・二人称・男性・複数
詩編58:4(01) זרו ゾールー [彼等は]よそ者です 動詞・クァル(基本)・完了・三人称・通性・複数
詩編58:4(02) רשעים レシャイーム 邪悪な[者たちは] 形容詞・男性・複数
詩編58:4(03) מ:רחם メ・ラーㇰヘム 胎から 前置詞+名詞(普通)・男性・単数
詩編58:4(04) תעו タァウー [彼等は]さ迷っています 動詞・クァル(基本)・完了・三人称・通性・複数
詩編58:4(05) מ:בטן ミ・ッベーテン 腹から 前置詞+名詞(普通)・女性・単数
詩編58:4(06) דברי ドヴレイ 語る[者たちは] 動詞・クァル(基本)・分詞・男性・複数
詩編58:4(07) כזב ㇰハザーヴ 偽りを 名詞(普通)・男性・単数
詩編58:5(01) חמת־ ㇰハマト・ 毒は 名詞(普通)・女性・単数
詩編58:5(02) ל:מו ラー・モー 彼等に(属する) 前置詞+接尾辞・三人称・男性・複数
詩編58:5(03) כ:דמות キ・ドムート 似たもののよう(です) 前置詞+名詞(普通)・女性・単数
詩編58:5(04) חמת־ ㇰハマト・ 毒に 名詞(普通)・女性・単数
詩編58:5(05) נחש ナㇰハシュ 蛇の 名詞(普通)・男性・単数
詩編58:5(06) כמו־ ケモ・ 〜のように 前置詞
詩編58:5(07) פתן フェーテン 名詞(普通)・男性・単数
詩編58:5(08) חרש ㇰヘレーシュ 聾の[者] 形容詞・男性・単数
詩編58:5(09) יאטם ヤテム [彼は]塞がさせる 動詞・ヒフィル(使役)・未完了・三人称・男性・単数
詩編58:5(10) אזנ:ו アズノ・ォー 彼の耳を 名詞(普通)・女性・単数+接尾辞・三人称・男性・単数
詩編58:6(01) אשר アシェール それは〜者 関係詞
詩編58:6(02) לא־ ロー・ 〜ことはない 否定
詩編58:6(03) ישמע イィシュマー [彼は]聞く 動詞・クァル(基本)・未完了・三人称・男性・単数
詩編58:6(04) ל:קול レ・コール 声を 前置詞+名詞(普通)・男性・単数
詩編58:6(05) מלחשים メラㇰハシㇶム 完全に囁く[者たちの] 動詞・ピエル(強調)・分詞・男性・複数
詩編58:6(06) חובר ㇰホッヴェール 呪文を唱える[者の] 動詞・クァル(基本)・分詞・男性・単数
詩編58:6(07) חברים ㇰハヴァリーム 諸々の呪文を 名詞(普通)・男性・複数
詩編58:6(08) מחכם メㇰフッカム 完全に自分自身を賢く見させられる[者] 動詞・プアル(強調受動)・分詞・男性・単数
詩編58:7(01) אלהים エロヒーム 神[々](よ) 名詞(普通)・男性・複数
詩編58:7(02) הרס־ ハラス・ [あなたは]折って下さい 動詞・クァル(基本)・命令・男性・単数
詩編58:7(03) שני:מו シㇶンネイ・モー 彼等の両歯を 名詞(普通)・両性・双数+接尾辞・三人称・男性・複数
詩編58:7(04) ב:פי:מו ベフィー・モー 彼等の口の中で 前置詞+名詞(普通)・男性・単数+接尾辞・三人称・男性・複数
詩編58:7(05) מלתעות マルテオート 諸々の大きな歯を 名詞(普通)・女性・複数
詩編58:7(06) כפירים ケフィリーム 若獅子たちの 名詞(普通)・男性・複数
詩編58:7(07) נתץ ネトツ [あなたは]砕いて下さい 動詞・クァル(基本)・命令・男性・単数
詩編58:7(08) יהוה アドナイ 主ヤㇵウェㇵ=在る者=(よ) 名詞(固有)
詩編58:8(01) ימאסו イィムマァアス [彼等は]流出される(ように) 動詞・ニファル(受動)・未完了・三人称・男性・複数
詩編58:8(02) כמו־ ㇰヘモ・ 〜のように 前置詞
詩編58:8(03) מים マーイィム 諸々の水 名詞(普通)・男性・複数
詩編58:8(04) יתהלכו־ イィトハッレㇰフー・ [彼等は]自分自身を行かさせる 動詞・ヒトパエル(再帰)・未完了・三人称・男性・複数
詩編58:8(05) ל:מו ラー・モー 彼等に 前置詞+接尾辞・三人称・男性・複数
詩編58:8(06) ידרך イィドロㇰフ [彼は]曲げる(ように) 動詞・クァル(基本)・未完了・三人称・男性・単数
詩編58:8(07) חצ:ו ㇰヒツァー・ヴ 彼の諸々の矢を 名詞(普通)・男性・単数+接尾辞・三人称・男性・単数
詩編58:8(08) כמו ケモー 〜ように 前置詞
詩編58:8(09) יתמללו イィトモラールー [それらは]自分自身を切り離させる 動詞・ヒトポレル(使役再帰)・未完了・三人称・男性・複数
詩編58:9(01) כמו ケモー 〜のように 前置詞
詩編58:9(02) שבלול シャブルル 蝸牛 名詞(普通)・男性・単数
詩編58:9(03) תמס テーメス 溶けるものの 名詞(普通)・男性・単数
詩編58:9(04) יהלך ヤハロㇰフ [彼は]歩く(ように) 動詞・クァル(基本)・未完了・三人称・男性・単数
詩編58:9(05) נפל ネーフェル 流産(児) 名詞(普通)・男性・単数
詩編58:9(06) אשת エーシェト 女の 名詞(普通)・女性・単数
詩編58:9(07) בל־ バル・ 〜ことはない(ように) 副詞
詩編58:9(08) חזו ㇰハーズー [彼等は]見る 動詞・クァル(基本)・完了・三人称・通性・複数
詩編58:9(09) שמש シャーメシュ 太陽を 名詞(普通)・両性・単数
詩編58:10(01) ב:טרם ベ・テーレム 〜前に 前置詞+副詞
詩編58:10(02) יבינו ヤヴィーヌー [それらが]理解する 動詞・クァル(基本)・未完了・三人称・男性・複数
詩編58:10(03) סירתי:כם シーロテイ・ㇰヘム あなたたちの諸々の鍋が 名詞(普通)・両性・複数+接尾辞・二人称・男性・複数
詩編58:10(04) אטד アタド 茨を 名詞(普通)・男性・単数
詩編58:10(05) כמו־ ケモ・ 〜のように 前置詞
詩編58:10(06) חי ㇰハーイ 生の[もの] 形容詞・男性・単数
詩編58:10(07) כמו־ ケモ・ 〜のように 前置詞
詩編58:10(08) חרון ㇰハロン 名詞(普通)・男性・単数
詩編58:10(09) ישער:נו イィスアレ・ンヌー [彼が]一掃する(ように)、彼を 動詞・クァル(基本)・未完了・三人称・男性・単数+接尾辞・三人称・男性・単数
詩編58:11(01) ישמח イィスマㇰフ [彼は]喜びます 動詞・クァル(基本)・未完了・三人称・男性・単数
詩編58:11(02) צדיק ツァッディーク 正しい[者は] 形容詞・男性・単数
詩編58:11(03) כי־ キー・ 〜時 接続詞
詩編58:11(04) חזה ㇰハザー [彼は]見る 動詞・クァル(基本)・完了・三人称・男性・単数
詩編58:11(05) נקם ナカーム 復讐を 名詞(普通)・男性・単数
詩編58:11(06) פעמי:ו ペアマー・ヴ 彼の諸々の足を 名詞(普通)・女性・複数+接尾辞・三人称・男性・単数
詩編58:11(07) ירחץ イルㇰハツ [彼は]洗います 動詞・クァル(基本)・未完了・三人称・男性・単数
詩編58:11(08) ב:דם ベ・ダム 血によって 前置詞+名詞(普通)・男性・単数
詩編58:11(09) ה:רשע ハ・ラシャ その悪い[者の] 定冠詞+形容詞・男性・単数
詩編58:12(01) ו:יאמר ヴェ・ヨマール そして[彼は]言います 接続詞+動詞・クァル(基本)・未完了・三人称・男性・単数
詩編58:12(02) אדם アダム [男の]人は 名詞(普通)・男性・単数
詩編58:12(03) אך־ アㇰフ まことに 副詞
詩編58:12(04) פרי ペリー 実(報い)が(あります) 名詞(普通)・男性・単数
詩編58:12(05) ל:צדיק ラ・ツァッディーク 正しい[者]に 前置詞+形容詞・男性・単数
詩編58:12(06) אך アㇰフ まことに 副詞
詩編58:12(07) יש־ イェシュ・ 〜居ます 副詞
詩編58:12(08) אלהים エロヒーム 神[々]は 名詞(普通)・男性・複数
詩編58:12(09) שפטים ショフェティーム 裁く[者たち] 動詞・クァル(基本)・分詞・男性・複数
詩編58:12(10) ב:ארץ バ・アーレツ 地を 前置詞+名詞(普通)・女性・単数
日本語訳 詩編第58編
☞1節
(文語訳) ダビデがよみて「ほろぼすなかれ」といふ調にあはせて伶長にうたはしめたるミクタムのうた
(口語訳) 一 聖歌隊の指揮者によって、「滅ぼすな」というしらべにあわせてうたわせたダビデのミクタムの歌
☞2節
(文語訳) 一 なんぢら默しゐて義をのべうるか 人の子よなんぢらなほき審判をおこなふや
(口語訳) 二 あなたがた力ある者よ、まことにあなたがたは正しい事を語り、公平をもって人の子らをさばくのか。
☞3節
(文語訳) 二 否なんぢらは心のうちに惡事をおこなひ その手の暴をこの地にはかりいだすなり
(口語訳) 三 否、あなたがたは心のうちに悪い事をたくらみ、その手は地に暴虐を行う。
☞4節
(文語訳) 三 あしきものは胎をはなるゝより背きとほざかり生れいづるより迷ひていつはりをいふ
(口語訳) 四 悪しき者は胎を出た時から、そむき去り、生れ出た時から、あやまちを犯し、偽りを語る。
☞5節
(文語訳) 四 五 かれらの毒は蛇のどくのごとし かれらは蠱術をおこなふものの甚たくみにまじなふその聲をだにきかざる耳ふさぐ聾ひの蝮のごとし
(口語訳) 五 彼らはへびの毒のような毒をもち、魔法使または巧みに呪文を唱える者の声を聞かない/耳をふさぐ耳しいのまむしのようである。
☞6節
(文語訳) 四 五 かれらの毒は蛇のどくのごとし かれらは蠱術をおこなふものの甚たくみにまじなふその聲をだにきかざる耳ふさぐ聾ひの蝮のごとし
(口語訳) 六 
☞7節
(文語訳) 六 ~よかれらの口の齒ををりたまへ ヱホバよ壯獅の牙をぬきくだきたまへ
(口語訳) 七 神よ、彼らの口の歯を折ってください。主よ、若いししのきばを抜き砕いてください。
☞8節
(文語訳) 七 願くはかれらを流れゆく水のごとくに消失しめ その矢をはなつときは折れたるごとくなし給はんことを
(口語訳) 八 彼らを流れゆく水のように消え去らせ、踏み倒される若草のように衰えさせてください。
☞9節
(文語訳) 八 また融てきえゆく蝸牛のごとく婦のときならずたる日をみぬ嬰のごとくならしめ給へ
(口語訳) 九 また溶けてどろどろになるかたつむりのように、時ならず生れた日を見ぬ子のようにしてください。
☞10節
(文語訳) 九 なんぢらの釜いまだ荊蕀の火をうけざるさきにをも燃たるをもともに狂風にて吹さりたまはん
(口語訳) 一〇 あなたがたの釜がまだいばらの熱を感じない前に/青いのも、燃えているのも共につむじ風に/吹き払われるように彼らを吹き払ってください。
☞11節
(文語訳) 一〇 義者はかれらが讎かへさるゝを見てよろこび その足をあしきものの血のなかにてあらはん
(口語訳) 一一 正しい者は復讐を見て喜び、その足を悪しき者の血で洗うであろう。
☞12節
(文語訳) 一一 かくて人はいふべし 實にたゞしきものに報償あり實にさばきをほどこしたまふ~はましますなりと
(口語訳) 一二 そして人々は言うであろう、「まことに正しい者には報いがある。まことに地にさばきを行われる神がある」と。
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