「コーラン經」 焰父品 第百十一 [アル・アブ・ラハブ] 默伽
「コーラン經」は日本初のコーラン全文翻訳本です
「コーラン經」は<譯者・坂本健一>{上下二巻}として世界聖典全集刊行會から(大正九年)発行されました
「コーラン經」の構成は凡例、目次、114品(章)の本文、附録として各品(章)の解題と註釋、イスラム教とコーランについての詳細な後書きから成っています。
ここでは114品(章)別に本文と解題と註釋をまとめて紹介します
本文の漢字・ルビ・送り仮名は大正時代そのままの形を復刻できるように努めました
焰父品[アル・アブ・ラハブ](1-5節)の本文
大慈悲~の名に於て
一 アブラハブの手は死すべし、渠死すべし。
二 その富は渠をuせず、渠何の得る所ぞ。
三 渠は落ちて猛火に燒かれざるべからず、
四 その妻も亦(たきぎ)を抱きて、
五 その(くび)椰子條(やしのえだ)(なは)(まと)ひて。
焰父品[アル・アブ・ラハブ](1-5節)の解題(題名の由来、啓示時期、内容解説)
バニハシム Bani Hashim の會に、アブラハブ Abu Lahab (焰の父)到りて罵倒せしため、會破れしかば、麻訶末之に對して此言を爲せり。
宣傳第四、五年のものたらむ。
 內容 アブラハブとその一家に對する麻訶末の呪咀
焰父品[アル・アブ・ラハブ](1-5節)の註釋(文字の解釈)
一 アブ・ラハブはアブダル・ムッタリブの一子にて麻訶末の叔父たるアブダル・ウッザAbdul Uzzaの綽名。
   その「手」とはアブ・ラハブの一身とも、その事業とも、また現當二世に於けるその希望ともいふ。
三 猛火云々はアブ・ラアブは火の父の義なれば、一種の洒落なり。所謂名詮自稱の謂。
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