「コーラン經」 孤列種品 第百六 [アル・ヨフイシュ] 默伽
「コーラン經」は日本初のコーラン全文翻訳本です
「コーラン經」は<譯者・坂本健一>{上下二巻}として世界聖典全集刊行會から(大正九年)発行されました
「コーラン經」の構成は凡例、目次、114品(章)の本文、附録として各品(章)の解題と註釋、イスラム教とコーランについての詳細な後書きから成っています。
ここでは114品(章)別に本文と解題と註釋をまとめて紹介します
本文の漢字・ルビ・送り仮名は大正時代そのままの形を復刻できるように努めました
孤列種品[アル・ヨフイシュ](1-4節)の本文
大慈悲~の名に於て
一 孤列種(コレイシユ)の合一の爲に、
二 冬夏商隊派遣の合一の爲に。
三 渠等をしてこの廟の上帝に仕へしめよ、饑饉には食を與へ
四 畏怖(おそれ)には安全ならしめし上帝に。
孤列種品[アル・ヨフイシュ](1-4節)の解題(題名の由来、啓示時期、内容解説)
或は第百五(香象)品と同一經文の殘闕となす。
 内容 通商的巡拜の爲に~に感謝すべしと孤列種への勸
孤列種品[アル・ヨフイシュ](1-4節)の註釋(文字の解釈)
一 孤列種を合同してといふ句は、三の「此廟の上帝に仕へしめよ」に續くと解すると、前の香象品の最後の句に續けて、~は孤列種の商隊合一の爲にアブハラ軍を破れりとの意に解するとあり。
二 默伽にて年冬は盈滿(エーマン)に夏は里亞(シリア)に商隊を派するは麻訶末の父ハシェムに始まる。
四 安全たらしむは、アブハラ軍を破りて默伽を安全にしたりといふか、または例の安全たる靈地となせりとの意。
Office Murakami