「コーラン經」 香象品 第百五 [アル・フィル] 默伽
「コーラン經」は日本初のコーラン全文翻訳本です
「コーラン經」は<譯者・坂本健一>{上下二巻}として世界聖典全集刊行會から(大正九年)発行されました
「コーラン經」の構成は凡例、目次、114品(章)の本文、附録として各品(章)の解題と註釋、イスラム教とコーランについての詳細な後書きから成っています。
ここでは114品(章)別に本文と解題と註釋をまとめて紹介します
本文の漢字・ルビ・送り仮名は大正時代そのままの形を復刻できるように努めました
香象品[アル・フィル](1-5節)の本文
大慈悲~の名に於て
一 爾曹見ずや、爾曹の上帝が如何に香象の主を遇せしかを。
二 渠は敵の謀略(はかりごと)を以て却りて自誤らしめざりしか、
三 鳥軍を渠等に派し
四 土石をその上に()らし
五 渠等をして(家畜に)ひ散らされし牧草の如くならしめざりしか。
香象品[アル・フィル](1-5節)の解題(題名の由来、啓示時期、内容解説)
麻訶末の生れし年盈滿(エーマン)副王アブラハイブンアルサバ Aboraba Ibn al Sabah 大軍象軍を率て默伽を攻めしに急に敗る。
蓋し痘瘡陣中に流行せしに因る。此を以て~譴と爲せるにて、原長篇の經文の斷片なるべし。
時代の第百二の次に置くべき古き默示の一。
  方廟(カアバ)の攻擊に失敗せるアブラハの軍。
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