「コーラン經」 力夜品 第九十七 [アル・カドル] 默伽
「コーラン經」は日本初のコーラン全文翻訳本です
「コーラン經」は<譯者・坂本健一>{上下二巻}として世界聖典全集刊行會から(大正九年)発行されました
「コーラン經」の構成は凡例、目次、114品(章)の本文、附録として各品(章)の解題と註釋、イスラム教とコーランについての詳細な後書きから成っています。
ここでは114品(章)別に本文と解題と註釋をまとめて紹介します
本文の漢字・ルビ・送り仮名は大正時代そのままの形を復刻できるように努めました
力夜品[アル・カドル](1-5節)の本文
大慈悲~の名に於て
一 洵にわれ此(可蘭(コーラン))をアルカドルの夜に下せり。
二 アルカドル(の夜の如何に優れしか)を爾に知らしむるは何ぞ。
三 アルカドルの夜は一千月よりもよし。
四 其處に天使と精靈(せいれい)(ガブリエル)とは萬事に關(する上帝の宣旨を持)してその上帝の允許(ゆるし)によりて下れり。
五 平和なり、曉天に(いた)るまで。
力夜品[アル・カドル](1-5節)の解題(題名の由来、啓示時期、内容解説)
麻訶末始めて天啓を得し夜をアルカドル al Qadr といふ。後年此夜を以て一年の~命天旨を決すと爲す。
アルカドルは力なり、名譽なり、威權なり、~旨なり。但しイスラムヘの力夜の何の日たるを確定せず。通說にてはラマダンの月二十三夜とせらる。
ネルデケは之を第九十三(開胸)品の次に置く。その默伽天啓最古の一たるは衆說の一致する所なり。
 內容 力夜の天啓。
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