「コーラン經」 凝血品 第九十六 [アル・アラク] 默伽
「コーラン經」は日本初のコーラン全文翻訳本です
「コーラン經」は<譯者・坂本健一>{上下二巻}として世界聖典全集刊行會から(大正九年)発行されました
「コーラン經」の構成は凡例、目次、114品(章)の本文、附録として各品(章)の解題と註釋、イスラム教とコーランについての詳細な後書きから成っています。
ここでは114品(章)別に本文と解題と註釋をまとめて紹介します
本文の漢字・ルビ・送り仮名は大正時代そのままの形を復刻できるように努めました
凝血品[アル・アラク](1-19節)の本文
大慈悲~の名に於て
一 造化の主たる爾の上帝の名に於て()め、
二 凝血(ぎようけつ)より人類を創造(つく)りたる。
三 最慈恩なる上帝の名に於て讀め、
四 筆の用をヘへ、
五 人に知らざる所をヘへたる。
六 確に。洵に人は傲慢(がうまん)となれり
七 自富多きを見て。
八 洵に爾曹の主に(悉く)復歸(ふくき)せん。
九 何とか思ふ爾曹は
 わが奴僕(しもべ)るを(さまた)ぐるに就きて。
一一 何とか思ふ爾曹は、渠(正しき)示導に從ひ
一二 若しくは敬~ならば。
一三 何とか思ふ爾曹は、渠僞瞞を以て(~の默示を)責めてその背を向けなば。
一四 渠は~の見るを知らざるにや。
一五 確に。洵に渠()めずば、われその額髮(ひたひがみ)()りて渠を引かん
一六 僞り罪ある額髮を。
一七 渠をしてその幕僚(ばくれう)(その應援に)招かしめん、
一八 われ亦(之を地獄に投ずべく)下僚を()さん。
一九 否、渠に()從ひそ、唯~を頌めてそれに近よれ。
凝血品[アル・アラク](1-19節)の解題(題名の由来、啓示時期、内容解説)
初の五は可蘭中の最古の默示として一般に承認せらる。第七十四品の冒頭の七節と同じくともにガブリエルの出現を說けり。
以外の十數節はアブ・ジァイルの事にて、之と關係なし。蓋し後に附綴せしならむ。
 內容 麻訶末に可蘭讀誦の~命(一−五)。
    ヘ敵アブジァイルへの威(六−一九)。
凝血品[アル・アラク](1-19節)の註釋(文字の解釈)
二 アダム、イヴ、耶蘇の外はみな凝血より創造(つく)らる。
一七 その幕僚はアブジァイルの黨なる孤列種の多數。
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