「コーラン經」 無花果品 第九十五 [アル・チン] 默伽
「コーラン經」は日本初のコーラン全文翻訳本です
「コーラン經」は<譯者・坂本健一>{上下二巻}として世界聖典全集刊行會から(大正九年)発行されました
「コーラン經」の構成は凡例、目次、114品(章)の本文、附録として各品(章)の解題と註釋、イスラム教とコーランについての詳細な後書きから成っています。
ここでは114品(章)別に本文と解題と註釋をまとめて紹介します
本文の漢字・ルビ・送り仮名は大正時代そのままの形を復刻できるように努めました
無花果品[アル・チン](1-8節)の本文
大慈悲~の名に於て
一 無花果によりて、檻欖(かんらん)によりて、
二 シナイの山によりて、
三 この安全境によりて、
四 洵にわれ最優(すぐ)れたる整齋(せいせい)の人を創造(つく)りき。
五 後われ之を卑劣の最卑劣に下せり、
六 信じて正しきを行ひ無窮の果報を受くるを除きて。
七 然るに其のも爾曹をして審判(の日)を否ましむるは何ぞや。
八 最賢き判官は~ならずや。
無花果品[アル・チン](1-8節)の解題(題名の由来、啓示時期、内容解説)
可蘭中最早く復活をいひしは此か。
ネルデケは第八十五(天徵)品の次に之を繫く。
  ~、人を創造る最整へるも眞の信の外は最卑し。何人も審判の日を否み得ず。
無花果品[アル・チン](1-8節)の註釋(文字の解釈)
一 無花果、檻欖は最人間に有uの果物なれば誓詞にかけしといふと、天上にて此二果物を生ずる兩山を指せりといふと、ダマスクス、ヱルサレムの兩地の廟宇を指せりといふ說とあり。
三 安全境は默伽。第九十品の一を見よ。
四 ~人を創造るに最精細なれども、そのヘを信ぜざるや最卑しとなり。
Office Murakami