「コーラン經」 至上品 第八十七 [アル・アラ] 默伽
「コーラン經」は日本初のコーラン全文翻訳本です
「コーラン經」は<譯者・坂本健一>{上下二巻}として世界聖典全集刊行會から(大正九年)発行されました
「コーラン經」の構成は凡例、目次、114品(章)の本文、附録として各品(章)の解題と註釋、イスラム教とコーランについての詳細な後書きから成っています。
ここでは114品(章)別に本文と解題と註釋をまとめて紹介します
本文の漢字・ルビ・送り仮名は大正時代そのままの形を復刻できるように努めました
至上品[アル・アラ](1-19節)の本文
大慈悲~の名に於て
一 爾曹の至上の上帝の名を頌揚せよ、
二 創造し、
三 形成し、(その造物の目的を)決定し、示導し、
四 (家畜の爲に)(まき)を生じ、
五 のちそを淡K(うすくろ)刈科(かりかぶ)と化す。
六 われ爾をして(わが天啓(てんけい)を)說かしむ、爾は(その何の部分をも)忘れざるべし。
七 ~の(改を)欲する所を除きて。渠は(あら)はれしと()くれしとをせ知れば。
八 われ爾を最容易(たやす)き法に就かしむべし。
九 故に(爾の)ヘ戒(渠等に)利uあらば(爾の民を)ヘ化せよ。
 (~を)畏るゝ者はヘ戒されん、
一一 されど最惡しき(不信)は背き去らん、
一二 そは(地獄の)大火に投ぜられん、
一三 其處には死せずまた生きざらん。
一四 今幸を得るは(信仰によりて)(きよ)められし
一五 その上帝の名を(しる)してよ。
一六 さるに爾曹はこの現世を重んず、
一七 來世(らいせ)は更に善く更に長きに。
一八 洵にこれ上古(いにしへ)の聖典に在り、
一九 アブラハムとモセとの聖典に。
至上品[アル・アラ](1-19節)の解題(題名の由来、啓示時期、内容解説)
此處には特に~の刪去を欲する部分を除きて天啓を說くに麻訶末を助けんをいへり。
こは恐らく最早き改刪の發表ならん。
然るに最後の一節には可蘭はアブラハム、モーセの聖典によりて證すべきをいへば、七、一八、一九の如きは後の漆加と覺し。
從ひて大體は默伽書ならんもその中の若干は疑はし。
 內容 至上~の頌(一−五)。
    可蘭宣傳に麻訶末を援くる~的(六−九)。
      ~を畏るゝ者のみヘへらる、正邪の應報、現世を未來より重んずる人、アブラハム、モセの聖典は可蘭の證(一−一九)。
至上品[アル・アラ](1-19節)の註釋(文字の解釈)
八 最容易き法はガブリエルによりて天啓を默示することとも、またイスラムを最容易きヘ法となすとも解せらる。
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