「コーラン經」 分散品 第八十四 [アル・インシカク] 默伽
「コーラン經」は日本初のコーラン全文翻訳本です
「コーラン經」は<譯者・坂本健一>{上下二巻}として世界聖典全集刊行會から(大正九年)発行されました
「コーラン經」の構成は凡例、目次、114品(章)の本文、附録として各品(章)の解題と註釋、イスラム教とコーランについての詳細な後書きから成っています。
ここでは114品(章)別に本文と解題と註釋をまとめて紹介します
本文の漢字・ルビ・送り仮名は大正時代そのままの形を復刻できるように努めました
分散品[アル・インシカク](1-25節)の本文
大慈悲~の名に於て
一 天分散して
二 その上帝に聽從しその義務(つとめ)を盡くす時、
三 地敷布して
四 地上の物を(なげう)ちて空しく
五 その上帝に聽從しその義務(つとめ)を盡くす時、
六 噫、人、洵に爾は勞して爾の上帝に(()はんと)勞し、爾は渠に會ふべきよ。
七 右手にその記を受けたる
八 容易(たやす)きC算に()されて
九 歡びてその(やから)に向はん。
 されど其(そびら)にその記を授かりし
一一 破滅(の己の上に下らん)を禱るべし
一二 されど燒かるべく地獄に送られん、
一三 (地上にて)その(やから)の中に歡樂を(ほしいまま)にしたれば。
一四 洵に渠は決して~に歸せじと思ひき。
一五 然るに上帝は渠を照覽したり。
一六 よりてわれ日沒の天紅によりて、
一七 夜とその賂る所によりで、
一八 滿月によりて、
一九 爾曹の三界に流轉(るてん)すべきを誓ふ。
 然らば何ぞ渠等は復活を信ぜざるや、
二一 可蘭の讀誦(どくじゆ)さるに何ぞ禮拜せざるや。
二二 さなり、不信はそを虛妄と爲す。
二三 されど~は渠等の(心裏(こころ)に)(かく)せる所を熟知せり。
二四 故に渠等に悲しむべき責罰を宣す、
二五 信じて善行を修するを除きて。それには決して誤なき果報(むくい)あり。
分散品[アル・インシカク](1-25節)の解題(題名の由来、啓示時期、内容解説)
辭句格調第八十一(摺疊)第八十二(分裂)の品と頗相類す。
從って時代も略同時と推定せらる。
內容
審判の日の表徵、善惡正邪の記(一−一五)。
復活の誓と不信の威(一六−二五)。
分散品[アル・インシカク](1-25節)の註釋(文字の解釈)
 脊といふは左手を背に縛せらるればなり。
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