「コーラン經」 分裂品 第八十二 [アル・インフィタル] 默伽
「コーラン經」は日本初のコーラン全文翻訳本です
「コーラン經」は<譯者・坂本健一>{上下二巻}として世界聖典全集刊行會から(大正九年)発行されました
「コーラン經」の構成は凡例、目次、114品(章)の本文、附録として各品(章)の解題と註釋、イスラム教とコーランについての詳細な後書きから成っています。
ここでは114品(章)別に本文と解題と註釋をまとめて紹介します
本文の漢字・ルビ・送り仮名は大正時代そのままの形を復刻できるように努めました
分裂品[アル・インフィタル](1-19節)の本文
大慈悲~の名に於て
一 天の分裂する時、
二 星の散亂する時、
三 海水の合する時、
四 (はか)(くつがへ)る時、
五 各の人はその行ひし所とその爲さざりし所とを知らん。
六 噫、人、爾曹を爾曹の大なる上帝、
七 爾曹を創造(つく)り爾曹を集め爾曹を正しく配列(はいれつ)せるより誘惑せしは何ぞや。
八 ~は欲する形に爾曹を(よそほ)へり。
九 確然(たしかに)。然るに爾曹は虛妄を以て(最後の)審判を拒めり。
 洵に爾曹の上には監への天使)あり、
一一 名譽(ほまれ)ある、(爾曹の行爲を)記錄する、
一二 爾曹の行爲を知れる。
一三 正は確にス樂(の境)に
一四 惡は必ず地獄に、
一五 渠等は審判の日燒かるべく其處に投ぜられん
一六 其處を去る能はじ(永久に)。
一七 爾曹をして審判の日の何たるかを知らしむるは何ぞ。
一八 再びいふ、審判の日の何たるかそ爾曹に知らしむるは何ぞや。
一九 そは一の心他の心の爲に何事をも得ざるべき日なり、その日の令は~に在り。
分裂品[アル・インフィタル](1-19節)の解題(題名の由来、啓示時期、内容解説)
名は冒頭の句に出づ。
時代は明ならず、ただ早出の默伽書の一たるを知るのみ。ネルデケは直に前の後に踵ぐと爲せり。
內容
審判の日の表徵(一−五)。
造物主に背く人(六−九)。
人事を錄する天使(一−一二)。
審判の日の報償、某日勸解行はれず(一三−一九)。
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