「コーラン經」 顰蹙品 第八十 [アル・アバス] 默伽
「コーラン經」は日本初のコーラン全文翻訳本です
「コーラン經」は<譯者・坂本健一>{上下二巻}として世界聖典全集刊行會から(大正九年)発行されました
「コーラン經」の構成は凡例、目次、114品(章)の本文、附録として各品(章)の解題と註釋、イスラム教とコーランについての詳細な後書きから成っています。
ここでは114品(章)別に本文と解題と註釋をまとめて紹介します
本文の漢字・ルビ・送り仮名は大正時代そのままの形を復刻できるように努めました
顰蹙品[アル・アバス](1-41節)の本文
大慈悲~の名に於て
一 渠(豫言澁面(じふめん)して他を向けり
二 (めしひ)渠に至りたれば。
三 されど如何に爾は知るべき、その或は(きよ)められ
四 さてはヘへられ、其ヘそをuせんかと。
五 富める
六 爾は恭しく迎へて
七 そのCからぬを顧慮(こりよ)せず、
八 さるに熱心に爾に至りて
九 (濟度(さいど)を)求め(~を)畏るゝ者
 爾は等閑(なほざり)にせり。
一一 決して(斯く()ありそ)。洵にそれ(可蘭)はヘ戒なり、
一二 欲するはそを保持す
一三 名譽(ほまれ)ある(しる)され
一四 高く淨く
一五 名ありて正しき書吏(かきて)の手に()でし。
一六 人は(のろ)はれん。そを不信に(いざな)ひしは何ぞ。
一七 何より~はそを創造(つく)れるや。
一八 精の一滴より
一九 そを創造(つく)れり、整齊を以て形成(かたちづく)れり。
 容易(たやす)く胎內より出せり。
二一 のち死して墓にらしむ。
二二 更に後その欲する時そを生に(かへ)すべし。
二三 確然(たしかに)。渠今に至るまで~の命ずる所を完行せざりき。
二四 人をしてその食物を考へしめよ、(如何にそは給與さるや)。
二五 われ雨水を降し、
二六 われ地を裂き
二七 われそれより物と
二八 葡萄と苜蓿(うまこやし)
二九 檻欖(かんらん)椰子(やし)とを生ぜしめ、
 園には樹木
三一 果實と草とを
三二 爾曹と爾曹の家畜との爲に茂生せしめき。
三三 角聲(かくせい)耳を(ろう)する時、
三四 その日人はその兄弟より
三五 その母よりその父より
三六 その妻よりその子より分れん。
三七 その日渠等の各は自己の爲に心を用ゆるに忙し。
三八 その日ある面は(かかや)
三九 笑ひ歡び
 その日他の面には泥土あり暗Kあらん、
四一 そは不信なり、惡人なり。
顰蹙品[アル・アバス](1-41節)の解題(題名の由来、啓示時期、内容解説)
に、麻訶末が孤列種と談論せる際、一盲者アブダルラー・イブン・オム・マクツム Abdullah Ibn Omu Maktum 至りてヘを請ひしに、麻訶末顧みざりしかば、このヘ戒ありといふ。事必ずしも信じ難し。
家皆之を早出の默伽書と爲すも其年代は不明なり。
內容
の請ヘを顧みざりし麻訶末の懲戒、可蘭のC眞(一−一五)。
造物主に背く人の呪咀、食を授くるは~なり(一六−三二)。
審判の日に近親なし、輝ける面と暗き面(三三−四二)。
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