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「コーラン經」 諾品 第七十一 [ヌー] 默伽 |
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「コーラン經」は日本初のコーラン全文翻訳本です |
「コーラン經」は<譯者・坂本健一>{上下二巻}として世界聖典全集刊行會から(大正九年)発行されました |
「コーラン經」の構成は凡例、目次、114品(章)の本文、附録として各品(章)の解題と註釋、イスラム教とコーランについての詳細な後書きから成っています。 |
ここでは114品(章)別に本文と解題と註釋をまとめて紹介します |
本文の漢字・ルビ・送り仮名は大正時代そのままの形を復刻できるように努めました |
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諾品[ヌー](1-29節)の本文 |
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大慈悲~の名に於て |
一 洵にわれノアをその民に送りき、悲しき責罰の下る前に民を戒しめよと(いひて)。 |
二 渠(ノア)いへり、噫、わが民、洵にわれは爾曹に對する公の警吿者なり、 |
三 故に~に仕へよ、~を畏れよ、われに從へ、 |
四 ~は爾曹の罪(の一部)を赦すべし、定まれる時まで爾曹に猶豫すべし、~の定めし時至れば毫も躊躇せざれば、爾曹若し理解の人ならば(それを知らん)と。 |
五 渠いへり、上帝、洵にわれ日夜わが民に說けり、されどそは唯渠等の反感を加ふる耳。 |
六 われ渠等を(眞の信仰に)徵して爾の渠等を赦さんことを說くや、渠等耳を掩ひ衣を冠りて(頑迷に)反抗し傲然(わが談を)排斥す。 |
七 加之ならずわれ公然渠等を招き |
八 また公然渠等に語り、また窃に渠等を戒しめ、 |
九 いへを、赦を爾曹の上帝に請へ、渠は赦を欲すれば、 |
一〇 渠は天より多く雨を爾曹に下さん、 |
一一 富と子孫とを爾曹に加へん、爾曹に園を與へ爾曹に河を授けん、 |
一二 何を苦んでか爾曹~の慈恩を希はざる、 |
一三 渠種々にして爾曹を創造れるに。 |
一四 爾曹如何ぞ~の層々七層の天を創造れるを見ずや、 |
一五 其處に光明として太陰を置き燭火として太陽をかけしを。 |
一六 ~はまた爾曹を生じ土より爾曹を創造れり。 |
一七 のち~は爾曹をそれに歸すべし、而してまた(墓穴より)爾曹を復起せしめん。 |
一八 ~は爾曹の床として土地を展べ |
一九 種々の道に爾曹を來徃せしむと。 |
二〇 ノアいへり、上帝よ、洵に渠等はわれに從はず、渠等はその富資と子孫とその滅亡を招くの外なき者に從ふと。 |
二一 渠等は(ノアに對して)危險なる隱謀を企てき。 |
二二 (その領袖その徒に)いへり、爾曹決して爾曹の~祇を勿捨てそ、爾曹決してワッドをもスヮをも |
二三 ヤグースをもヤウクをもナスルをも勿忘そと。 |
二四 渠等は多數を誘惑せり、ー爾は唯惡人の惡を加ふればー |
二五 渠等の罪にて渠等は溺れき、(地獄の)火に投ぜられき、 |
二六 ~に逆ひて渠等を保護する者なかりき。 |
二七 ノアいへり、上帝、不信者の族を地上に遺す勿れ、 |
二八 若しそを遺さば渠等爾の奴僕を誘惑せん、惡人と不信者(の子孫)とのみ生れん。 |
二九 上帝、われとわが兩親とわが家に入る者とを眞の信者男女の眞の信者として赦せ、不正者には破滅の外何ものをも勿與へそと。 |
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諾品[ヌー](1-29節)の解題(題名の由来、啓示時期、内容解説) |
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ヌー nuh はノアなり。 |
時代 |
ヘジラ前七年頃。 |
內容 |
ノアその民の警戒者として遺されしも、その民信ぜず(一−二〇)。 |
民ノアを謀りて滅ぶ(二一−二六)。 |
ノア異端の撲滅を祈り父母信者の爲に敵を祈る(二七−二九)。 |
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諾品[ヌー](1-29節)の註釋(文字の解釈) |
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一 ノアの事は第十一品の二六−四九その他參照。 |
四 罪の一部は過去の罪。 |
一三 種々にしては、精より人となるまでの種々相、第二十二品の五、第二十三品の一四等參照。 |
二二 ワッドWadd は天を表する男~、スワSuwaは女~、ヤグートYaghuthは獅子の形せる~、ヤウクYaukは馬形の~、ナスルNasrは鷲形の~。 |
二九 ノアの父をラメクLamech母をシアムカーShamkhaといふ。わが家はノアの家か~廟か方舟か明ならず。 |
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Office Murakami |