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「コーラン經」 難抗品 第五十六 【アル・ワキア】 默伽 |
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「コーラン經」は日本初のコーラン全文翻訳本です |
「コーラン經」は<譯者・坂本健一>{上下二巻}として世界聖典全集刊行會から(大正九年)発行されました |
「コーラン經」の構成は凡例、目次、114品(章)の本文、附録として各品(章)の解題と註釋、イスラム教とコーランについての詳細な後書きから成っています。 |
ここでは114品(章)別に本文と解題と註釋をまとめて紹介します |
本文の漢字・ルビ・送り仮名は大正時代そのままの形を復刻できるように努めました |
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難抗品【アル・ワキア】(1-96節)の本文 |
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大慈悲~の名に於て |
一 抗ひ難き(審判の)日の不意に至る時、 |
二 何人も虛妄を以てその來るを爭ひ得ず。 |
三 そは褒貶隲黜す。 |
四 その時大地激しく震ふべし、 |
五 山嶽崩れ壞るべし、 |
六 塵埃の如く四散せん。 |
七 爾曹は三級に分たれん。 |
八 右手の一級--如何に(幸なるよ)右手の級、-- |
九 左手の一級--如何に(不幸なるよ)左手の級、-- |
一〇 而して唱首、唱首。 |
一一 此等(唱首)は(~に)近づく者、 |
一二 ス樂の園に住む者。-- |
一三 上古に多くして |
一四 後世に尠し、-- |
一五 黃金珠玉の榻床に在りて |
一六 互に相對す。 |
一七 長に若き少年ありて其傍に侍す、 |
一八 盞を持て觴を持て(芳釀の)溢るる杯を持て。 |
一九 そを飮むに頭痛まず心亂れず。 |
二〇 (各種の)果實は其擇むに任せ、 |
二一 (ゥ般の)鳥肉は其欲するに從ふ。 |
二二 大なる瞳Kき美姬ありて(殼に)藏れたる眞珠の如し。 |
二三 以て渠等の所業に對する報償とす。 |
二四 其處に空談なく責罪なし、 |
二五 唯平和の挨拶あり。 |
二六 右手の群、--如何に(幸なるよ)右手の級、-- |
二七 棘なきロト樹、 |
二八 時を正して頂より根まで實るタルー樹の中に、 |
二九 その漉tの蔭に、 |
三〇 湧泉の傍に、 |
三一 果實の閧ノ、 |
三二 腐らず(取るを)禁ぜられざる果實の閧ノ、 |
三三 高床に在るべし。 |
三四 洵にわれ渠等(天堂の美姬)を(特殊の)創造によりて創造れり、 |
三五 われ渠等を處女となせり、 |
三六 (それと)齡當れる夫に愛され、 |
三七 右手の群の(ス樂の)爲に。 |
三八 上古に多して |
三九 後世にも亦多し。 |
四〇 左手の群--如何に(不幸なるよ)左手の級、-- |
四一 焦風熱水の閨A |
四二 K煙の蔭、 |
四三 凉しからず快からず、 |
四四 洵に渠等に之より前に(現世にて)人生の快樂を味ひ |
四五 頑迷に惡業を持し、 |
四六 斯くいひたれば、 |
四七 吾曹は死すべし死灰枯骨となりし後に必ず復活すべきか |
四八 吾曹の祖先も亦然るかと。 |
四九 いへ、洵に古今ともに |
五〇 知られし日定まりし時必ず(審判に)會せられん。 |
五一 その時爾曹迷ひて虛妄を以て(復活を)否みし者は |
五二 必ずアル・ザククムの樹(の果)を食ひ、 |
五三 そを以て腹を滿たさん、 |
五四 熱水を飮まん、 |
五五 渴ける駱駝の飮むが如く飮まん。 |
五六 これ審判の日の渠等の饗宴。 |
五七 われ爾曹を創造れり、されば爾曹(わが爾曹を復活し得るを)信ぜずや。 |
五八 何とか思ふ、爾曹は。爾曹出す所(の汁)を。 |
五九 そは爾曹創造れりやわれ創造れりや。 |
六〇 われ爾曹に死を宣せり、そを防ぐべからず。 |
六一 われ(爾曹の代に)爾曹に似し(他の)者を創造り、爾曹の知らざる所(の事情または形體)にて(再び)爾曹を生じ得。 |
六二 爾曹太初の創出を知る、さらば爾曹(わが復活の能力あるを)思はずや。 |
六三 何とか思ふ爾曹は、爾曹の耕す所(の穀種)は。 |
六四 そは爾曹創造れりやわれ創造れりや。 |
六五 われ欲せば必ずそを乾枯無毛ならしめん、爾曹驚きて斯くいふまでに、 |
六六 洵に吾曹は負債を負へり、然るに收穫なしと。 |
六七 何とか思ふ爾曹は。爾曹の飮む水を。 |
六八 そを雲より降すは爾曹かはたわれか。 |
六九 われ欲せばそをKからしめん。されば爾曹考へざるや。 |
七〇 何とか思ふ爾曹は、爾曹の鑽る火を。 |
七一 その發する木を生ぜしは爾曹かはたわれか。 |
七二 われそを多く生じ漠中の行旅に便にせり。 |
七三 されば大~上帝の名を頌揚せよ。 |
七四 加ふるにわれ落つる星によりて誓へり、-- |
七五 そは爾曹の知る如く大なる誓なり、-- |
七六 これ優秀なる可蘭なり、 |
七七 原本の秘籍ありて、 |
七八 Cき者に非れば何人も觸るゝ能はざるを。 |
七九 そは萬有の主宰の默示。 |
八〇 何ぞや、爾曹この新默示を否むや。 |
八一 爾曹の拒む~より爾曹の食を得るや。 |
八二 その(死人の心靈)咽喉に上り來り |
八三 その時爾曹見つゝあり、-- |
八四 われ爾曹よりもそれに近し、されど爾曹は(その眞の情況を)見得ず-- |
八五 爾曹(今後の行動に對して)報はれざれば、 |
八六 爾曹そを(體內に)歸すを欲せざるにや、爾曹の言信ならば。 |
八七 されど渠(~に)近づく者ならば |
八八 (その報償として)休憩仁慈ス樂の園、 |
八九 若し渠右手の群ならば |
九〇 (その夥伴なる)右手の群より、爾曹に平和なれと(挨拶さるべし)、 |
九一 若し渠(眞の信仰を)拒みて |
九二 迷はゞ |
九三 その饗宴は熱水と |
九四 (地獄の)火の焦燃なり。 |
九五 洵にこれ確たる眞理。 |
九六 されば大~たる爾曹の上帝の名を頌めよ。 |
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難抗品【アル・ワキア】(1-96節)の解題(題名の由来、啓示時期、内容解説) |
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難抗は冐頭の字面を採ること他のゥ品に同じ。此一卷は他のゥ品と異にして一品一論首尾一貫せるは珍らし。 |
時代 |
ネルデケは之を以て山嶽品に踵ぐと爲せども、ムイアは前の慈悲品に續くと爲す。後說可なるに似たり。 |
內容 |
難抗の審判來と人の三級の區別(一-一〇)。 |
唱首(一一-二五)。 |
右手の群たる善者(二六-三九)。 |
左手の群たる惡者の責罰(四〇-五六)。 |
創造に徵する復活の論(五七-七三)。 |
星辰によりて可蘭天啓の誓(七四-八一)。 |
人死を救ひ得ざれば~を信ずべし(八二-九六)。 |
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難抗品【アル・ワキア】(1-96節)の註釋(文字の解釈) |
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一 難抗の原語ワキアWaquiaは難譯の語なり。必然來るも不時に至る困厄を指す。乃、審判の到來をいふに最適當の語なれども、適譯なし。 |
八 左右は祝されし者と呪咀されし者と其行爲を錄せる記錄の右手と左手とに授けらるゝより名づく。 |
一〇 唱首はイスラムヘの最初の歸依者または各そのヘ民の首領たりしゥ豫言者、その他敬虔コ行等衆に超越せる者をも含む。或は師長と爲すべし。また譯して「信仰に先ちし者は先ちて天堂に入るべし」と爲せるあり。或は解して二語を重ねしは特に唱首師長を重んずる所以と爲すもあり。 |
一四 アダムより麻訶末に至る古來幾多の唱首者ありしも今はその數少しといふなり。 |
二八 タルーTalhはマウヅMauzの類、幹高く荊あり、花は芳香を放つ、アカシアに類すといふ。ロドヱルはバナナならんといへり。 |
三三 高床の床は或は妻妾の義と解せらる。 |
三四 特殊の創造は普通には現世の婦女よりも精巧の創造に出でしと解くも、一說には老女醜婦も天堂に復活するや悉く妙齡の美人と生ると解せり。 |
三五 處女と爲せりとは、幾たび男子に見ゆるも常に處女なりといふ義。 |
七八 Cきは心身共にC淨の意。 |
八二 八二−八六の數節は甚瞹眛なり。强ひて解かば、爾曹の信ずるが如く見ゆる復活の否認によりて最後の日に行爲のC算を爲ざしとならば、死人の心靈をその屍體中に返へすべしとの義かといはる。 |
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Office Murakami |