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「コーラン經」 耶信品 第三十六 [ウル・ヤシン] 默伽 |
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「コーラン經」は日本初のコーラン全文翻訳本です |
「コーラン經」は<譯者・坂本健一>{上下二巻}として世界聖典全集刊行會から(大正九年)発行されました |
「コーラン經」の構成は凡例、目次、114品(章)の本文、附録として各品(章)の解題と註釋、イスラム教とコーランについての詳細な後書きから成っています。 |
ここでは114品(章)別に本文と解題と註釋をまとめて紹介します |
本文の漢字・ルビ・送り仮名は大正時代そのままの形を復刻できるように努めました |
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耶信品[ウル・ヤシン](1-83節)の本文 |
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大慈悲~の名に於て |
一 ヤ・シン。明經可蘭を以て |
二 爾は(~の)使者たり |
三 正道の爲に、(派せられしをわれは誓ふ。) |
四 最偉仁慈の~の默示なり、 |
五 その祖先のヘ戒されざる怠慢の生を送れる民を爾のヘ戒するは。 |
六 (わが)宣告は正しく渠等の大部分に宣せられき、さるに渠等は信ぜざるなり。 |
七 われその頸に扼を繋けてその顎に達せしめその頭を後に押へ |
八 その前に一條棒をその後に一條棒を置き暗Kを以て之を掩ひて見る能はざらしむ。 |
九 爾、渠等に說くも說かざるも均し、渠等は信ぜざるべし。 |
一〇 されど爾は唯(可蘭の)ヘ戒に從ひ竊に慈悲~を畏るゝ者にのみ(有效に)說くべし、渠に慈惠と光榮ある果報の吉報を與へよ。 |
一一 洵にわれ死者に生を復すべし、渠等がその前に爲せる所(の所業)と(その後に遺せる)足跡とを錄すべし、あらゆる事をわれ平明なる記錄に留むべし。 |
一二 渠等に(耶蘇の)使徒の至りし(アンチオク)城民を往例として說かん。 |
一三 われ渠等にその(使徒の)二人を派せしに渠等は欺瞞を以てそを誹れり。故にわれ第三者を派して之を助けしむ。渠等いへり、洵に吾曹は(~より)爾曹に流せらると。 |
一四 (その民)答へき、爾曹は吾曹の如く人に外ならず、慈悲~は(爾曹に)何事をも默示せず、爾曹はたゞ虛妄を公にするのみと。 |
一五 (使徒等)答へき、吾曹の上帝は吾曹の實に爾曹に派せられしを知る、 |
一六 吾曹の義務はたゞ公の說ヘ者なりと。 |
一七 渠等いへり、洵に吾曹は爾曹より惡を卜せり、爾曹(說ヘを)止めずば吾曹必ず爾曹を石殺せん、痛ましき重罰爾曹に下らんと。 |
一八 (使徒等)答へき、爾曹の卜惡しきは爾曹のことなり、爾曹戒しめられて尙(その迷妄を固執するや)。洵に爾曹は侵犯の民なりと。 |
一九 一人城市の彼方より來りていへり、噫わが民、(~の)使者に從へ |
二〇 爾曹より何等の報償を要求せざる者に從へ、此等は正しく導かれし者なれば。 |
二一 われを創造りし者を禮拜せざる理やある。~に爾曹は歸すべきに。 |
二二 ~の外に(他の)~祇をとるべきや。若し慈悲~われを苦しめんと欲せば渠等の勸解は遂にわれに效なくわれを救ひ得ず、 |
二三 當時われは明白なる迷誤者たらん。 |
二四 洵にわれ爾曹の上帝を信ず、故にわれに聽けと。 |
二五 (然るに渠等は之を石殺せり、その死するや之に)斯くいはれき、爾天堂に入れと。 |
二六 渠いへり、噫、わが民~の如何にわれに仁慈なるかを知れかし、~は大にかれを重んじたればと。 |
二七 われ(その殺されし)後に天より一軍をその民に下さず、また(往昔不信者に)わが下せし所(の他の破壞的武器)をも下さず、 |
二八 唯(天よりガブリエルの)一吼聲あり、見よ、渠等は全滅せり。 |
二九 噫、人閧フ不幸。渠等に至れる使徒は一も爲に嘲笑されざるは莫し。 |
三〇 渠等は如何に多數の代がその以前に破滅せるかを思はざるにや。 |
三一 洵に渠等は渠等に歸らざる可し、 |
三二 たゞその總べてはわが前に集まるべし。 |
三三 渠等に對する(復活の一の)表徵は死地なり。われ(雨を下して)そを甦らせ渠等の食ふ穀物(の各種)を生ず。 |
三四 われ其處に椰子葡萄の園を作り、われそれに注ぐC泉を湧かす、 |
三五 渠等がその果實とその手の勞力とを食ひ得るために。されば渠等は思はざるにや。 |
三六 地の生ずる各種の植物と渠等と(與に雌雄兩性を具して)また渠等の知らざるゥ物とを生ずる~を頌めよ。 |
三七 夜も亦渠等への表徵なり。われ晝をそれより引けば、見よ、暗Kは渠等を掩ひ、 |
三八 太陽はその休憩の地に去る。これ偉大にして賢明なる~の業なり。 |
三九 太陰の爲にはわれ若干の宿宮を設け、そを椰子の古葉の如く變化しまた復せしむ。 |
四〇 太陽は(その軌道に)太陰に及ばず、夜は晝に及ばず、兩者各その空に浮び動く。 |
四一 渠等その所產を船舶にて運ぶも亦渠等への表徵、 |
四二 われ渠等に之に類せる騎乘のものを創造りしも亦然り。 |
四三 われ欲せば渠等を溺らさんに之を助くる者なく、渠等は救はれざらん |
四四 わが慈惠によるに非ざれば、爲に一時その生を享樂し得ずんば。 |
四五 爾曹の前なると爾曹の後なるとを畏れよ、慈惠を得るためにと渠等にいへば(渠等は爾より引去る)、 |
四六 爾は上帝のゥの表徵の一を齎らさず、されど渠等はそを避く。 |
四七 ~が爾曹に授けしものより施與を爲せと渠等にいへば、不信者は(嘲りて)信者にいふ、~はして欲せばその養ふべきものを吾曹は養ふべきか、洵に爾は太く誤れりと。 |
四八 渠等いふ、何の時か(復活の)この約果さるべき、爾の言果して眞ならばと。 |
四九 渠等は唯その相爭へる時渠等に及ぶ角聲を待つ、 |
五〇 渠等は(その努力の)按配を爲す閧ネくまたその家族に歸り得ず。 |
五一 角再び鳴るや、見よ、渠等はその墓穴より出でその上帝に急ぐべし。 |
五二 渠等いふべし、吾曹の不幸よ、誰か吾曹を床より覺ませる、これ慈悲~の(吾曹に)約せる所なり、(その)使徒は實を語れりと。 |
五三 そは唯角の一聲なり、見よ、渠等は悉くわが前に集まるべし。 |
五四 この日、一人も少くも不正を以て遇せられず。爾曹はその所業に應じての外酬はれざるべし。 |
五五 この日、天堂の衆は全く喜スを以て盈たされ、 |
五六 渠等とその妻とは莊麗なる床に壕に憩ふべし。 |
五七 渠等は果賓を得べし、その欲する何ものをも得べし。 |
五八 平和は仁慈の上帝によりて(正しき者に)語らるゝ語なり。 |
五九 唯(~は惡人にいふべし)爾曹この日離れよ、噫、爾曹惡徒。 |
六〇 われ爾音に命ぜざりしか、噫、アダムの子孫、爾曹惡魔を禮拜する勿れ、そは爾曹の公敵なればと。 |
六二 (われいはざりしか)、われを拜せよ、是正しき道なりと。 |
六二 然るに今渠は爾曹の多數を惑はせり、さるに爾曹理解せざるにや。 |
六三 これ爾曹の威嚇されたる地獄なり、 |
六四 この日、爾曹そこに投じ燒かれん、爾曹は不信者なれば。 |
六五 この日、われ渠等の口を緘すべし、(自辯じ能はざる爲に)、その手はわれにその所業を語りその脚はその所業を證すべし。 |
六六 われ欲せばその眼を奪ひて(その行き馴れし)道に爭ひ走らしめん、如何に渠等は(その迷謬を)見るべきか。 |
六七 われ欲せばその(在るべき)場にその形を變ぜんに、渠等は去る能はず、また歸る能はじ。 |
六八 わが長生を許せし者をして(老いて)その身を曲げしむ。さるに渠等は思はざるにや。 |
六九 われ渠(麻訶末)に詩の學を授けず、(詩人たるべく)、そはまた渠に期せられず。この聖典は(~の)ヘ戒に外ならず、可蘭の明典たり、 |
七〇 渠をして生ける者を警告せしむべき。されど(處罰の)宣言は正しく不信者に實施さるべし。 |
七一 渠等思はざるか、われわが手の作りしものゝ中に渠等の爲にその有する各種の家畜を作り、 |
七二 そを渠等の下に服從せしめしを。その或ものは騎乘の用たり、或ものは食用たり、 |
七三 渠等はまた他の利uを得、その乳液を飮む。さるに渠等は感謝せざるにや。 |
七四 渠等は~の外に(他の)~祇をとれり、それに助けられんと希ひて。 |
七五 されどそは渠等に何等の援助を與ふる能はず、さるに渠等はそを掩護する軍士たり。 |
七六 されば渠等の語をして爾を勿憂へしめそ。われ渠等の私に隱すところと公に顯すところとを兼ね知れり。 |
七七 人知らずや、わが種より人を創造りしを、さて見よ、渠は(復活に對する)公爭者たり、 |
七八 渠はわれに類似を說きてその創造を忘れき。渠いふ、誰か腐骨に生を復すべきやと。 |
七九 答へよ、始て渠等を創造りし者渠等に生を復すべし、そはあらゆる創造に熟通したればなり、 |
八〇 その者は告より爾曹に火を與ふ、見よ、爾曹はそれによりてその薪を燃やす。 |
八一 天と地とを創造りし者は新生を授くる能はざらんや。左なり確に。渠は賢明なる造物主なれば。 |
八二 渠一物を欲せば唯在れといへぼ則其處に在り。 |
八三 故にその手はあらゆる事物の王國たり(最後の日に)爾曹の歸復すべき渠~を頌揚せよ。 |
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耶信品[ウル・ヤシン](1-83節)の解題(題名の由来、啓示時期、内容解説) |
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卷頭にヤ・シンの二字の記號あれば斯く名づくれども、イスラムヘ徒は之を最期の死人の爲に讀誦して特に尊重し、ヘ祖は之を可蘭心品とさへ名づけたりといふ。蓋し復活を說けるによるならん。 |
時代 |
或は默コ那默示となす說あるも、默伽と爲す方正しからん。ムイアの說にては宣ヘ第十第十一年頃と爲せども、或は更に早きに似たり。 |
內容 |
麻訶末は~使たり可蘭は默伽ヘ化に下すとの~誓(一-五)。 |
默伽人の排ヘと祕密の信者(六-一○)。 |
死者の更生(一一)。アンチオクの二使徒(一二-三二)。 |
復活と各種の~力(三三-四四)。 |
審判と復活(四五-六八)。 |
麻訶末は詩人に非ず、可蘭は~語なり(六九-七〇)。 |
~惠(七一-七三)。 |
偶像は其信徒を助けず(七四-七五)。 |
豫言者は異瑞の剌詆を憂ひず(七六)。 |
~は復活の力あり(七七-八三)。 |
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耶信品[ウル・ヤシン](1-83節)の註釋(文字の解釈) |
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一 ヤ(Y)シン(S)は或說にはヤ•インサンYa insan(噫、人)の畧字なりといへども、もとより詳ならず。 |
五 祖先の警戒されざる民とは亞剌此亞人、第三十四の四三參照。 |
一三 傳へいふ、耶蘇その徒弟ニ人をアンチオクに派せしに、唯エ匠ハピブHabib al Naijarのみ之を信ぜしも他は悉く信ぜず、三者を獄に投ず。シモン•ペテル赴き救ひて若干の歸依者を得しが他は悉くガブリエルの一喝の下に滅亡せりと。 |
アンチオクにはハビブの家といふもの今尙存して巡拜者の跡を絕たずとぞ。第三者はシモン•ペテルにて一九節の一人は勿論ハビブなり。 |
二六 われを重んずとは、殉道者たらしめし意ともいひ、また天堂に上らしめしをいふともいふ。 |
三九 若干の宿宮は所謂ニ十八宿。椰子の枯葉は凋黃捲縮して新月の形に似たリ。 |
四ニ 騎乘のものは駱駝なり。駱駝を陸上の船といひ沙漠を海洋に譬ふれば、この語活く。 |
四五 爾曹の前爾曹の後云々は現當二世の責罰を指す。 |
五二 誰か吾曹を覺ませるといふは、二度の角聲の間眼れるなリ、則、死と復活との間に當る。 |
六九 可蘭を空想の詩篇と目せる者への答辯。 |
七〇 生ける人とは頑迷不靈を死者に比するに對して理解ある者を指す。 |
八〇 獄リよリ火を出すとは鑚木發火の故俗をいふ。 |
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Office Murakami |