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「コーラン經」 差別品 第二十五 [アル・フルカン] 默伽 |
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「コーラン經」は日本初のコーラン全文翻訳本です |
「コーラン經」は<譯者・坂本健一>{上下二巻}として世界聖典全集刊行會から(大正九年)発行されました |
「コーラン經」の構成は凡例、目次、114品(章)の本文、附録として各品(章)の解題と註釋、イスラム教とコーランについての詳細な後書きから成っています。 |
ここでは114品(章)別に本文と解題と註釋をまとめて紹介します |
本文の漢字・ルビ・送り仮名は大正時代そのままの形を復刻できるように努めました |
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差別品[アル・フルカン](1-77節)の本文 |
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大慈悲~の名に於て |
一 フルカンをその奴僕に默示せし~を祝せよ、あらゆるものゝ說ヘ者たり得るために。 |
二 その者に天地の王國は屬し、その者は子女を生まず、その王國には共治者なく、そは萬物を創作りてそを決定的意志によりて處理する者なり。 |
三 然るに渠等は渠の外に、何ものをも創作らず却つて自創作られ |
四 惡を避け得ず善を得る能はず生死の力も復活の力もなき他の者を~祇に立つ。 |
五 不信者はいふ、此(可蘭)は渠(麻訶末)の創出し且他人の援助を借りし僞作に外ならずと。されどその言は不正にして虚僞なり。 |
六 渠等またいふ、渠の錄せるところは古人の寓言なり、その朝夕に筆錄する所なりと。 |
七 いへ、天地の祕密を知る者これを默示せり、渠は洵に大度にして仁慈なりと。 |
八 渠等いふ、これ何等の使徒ぞや。渠は物を食ひ街を行く吾曹に異ならず。天使渠に下りてその同列の說ヘ者とならざれば、 |
九 寶貨渠に下らざれば渠その果實を食ひ得る園を有せざれば(吾曹信ぜざるべし)と。不敬者はまたいふ、爾曹狂者に外ならぬものに從ふやと。 |
一〇 見よ渠等は何に爾を諭ふるかを。されど渠等は欺かる。渠等は(爾を誹るの)方法を得ざるべし。 |
一一 その欲するに從ひ、(渠等の語るよりも)一層善き供給、則、河水の流する樂園と宮殿とを爾曹に授くる~を祝せよ。 |
一二 されど渠等は(審判の)時の信仰を虛妄として拒む。われその時の信仰を拒むべき者の爲には烈火を設けたり、 |
一三 そを遠方より望まば渠等その爆響を聞かん、 |
一四 渠等一括してその狹地に投ぜられんには渠等は一死を希はむ。 |
一五 (されど渠等に答ふべし)、此日一死を勿祈りそ、却りて萬死を希へ。 |
一六 いへ、これと敬~の徒に約せる常住の樂園と孰が善き。その樂園は渠等に報償として去處として與へられ、 |
一七 其處に永久にその欲する何ものをも得べし。これ爾曹の上帝の手に要請さるべき約東なり。 |
一八 その日~は渠等と渠等が~の外に禮拜せし者とを會すべし。(禮拜されし者には)いふべし、爾曹わが此等の奴僕をや惑はせる、さては渠等自正しき道よりや迷へると。 |
一九 渠等等ふべし、~は禁ず、爾の外に他の何等の保護者を得んことは吾曹の力に及ばず、されど爾は渠等と其祖先とに潤澤なる享受を許せしかば渠等は爾のヘ戒を忘れ亡はれたる民と爲れりと。 |
二〇 (~はその禮拜者にいふべし)、今此等は爾曹のいふ所の虛妄なるを爾曹に知らしめき、渠等は決して爾曹の害を避けずまた利を與へず。 |
二一 爾曹の中不正の罪ある者にわれ痛ましき苦痛を契せしめん。 |
二二 われ爾の前に送りし使節は一として物を食ひ街を行かざるは莫かりき。われ爾曹の或者に他に對する試を爲さしむ。爾能く耐へ忍ぶべきや、上帝は(爾の忍耐を)重んずれば。 |
二三 (復活の時)われに會ふを希はざる者はいふ、天使吾曹に下るか、吾曹わが上帝を見ずば(信ぜざるべし)と。洵に渠等は自誇負して大なる冒瀆を敢てせり。 |
二四 渠等の天使を見るべき日、その日惡人の爲には一の吉報なからむ。渠等いふべし、吾曹より遠く去るべきかと。われ渠等の行ひしところを行ふべし、 |
二五 われその業を塵の如く散らしめん。 |
二六 その日天堂に歸する者は更に幸なるべく、午時に優れたる休憩の地を得ん。 |
二七 その日天は二に裂けて天使雲に乘りて下らん。 |
二八 その日眞の王國は慈悲~に屬すべく、その日は不信者の爲に悲しむべし。 |
二九 その日不正の者は(悲愁と失望との爲に)手を嚙みていふべし、噫、われ使徒と與に(眞の)道を取りたらんには、 |
三〇 鳴呼わが不幸よ、噫、われ斯る者を友とせざらましかば。 |
三一 渠われを~のヘ戒より誘惑したり、そのわれに來れるのち。惡魔は人の叛者なればと。 |
三二 使徒いふべし、噫、上帝よ、洵にわが民はこの可蘭を無用(の書)と爲したりと。 |
三三 之と同じくわれ各の豫言者に惡人の中より敵を作れり、されど爾の上帝は充分なる指導者にして保護者なり。 |
三四 不信者はいふ、可蘭の全部一度に爾に下されずば(吾曹信ぜざるべし)と。されど此の如く(われそを默示)して、われ由りて爾曹の心を固め、われその各部を漸次に筆錄す。 |
三五 そは爾曹に何等の奇を以て來らず、たゞ眞理と最優れたる解釋とを爾曹に齎らすのみ。 |
三六 渠等の面を地獄に向くるものは最惡しき境遇にあるべく(救濟の)道より最遠く離るべし。 |
三七 われ嘗てモーセに法典を授けその弟アアロンをその輔佐と爲せり。 |
三八 われ(渠等に)いへり、爾曹虛妄を以てわが表徵を誹る民に行け、われ渠等を全滅すべしと。 |
三九 ノアの民欺瞞を以てわが使徒を責めし時、われ渠等を溺らして人間に表徴を示せり。われ不正者の爲に痛ましき苦楚を說く。 |
四〇 またアド、タームド、アル・ラスに住める者、その他此間の幾多の民。 |
四一 その各に對してわれ(ヘ戒の爲に)往例を說き、全滅を以て之を滅したり。 |
四二 渠等(孤列種)は屢不幸の雨降りし城市を過ぎしに、何とてその嘗て何處に存せしを見ざるや。而も渠等は復活を希はず。 |
四三 渠等爾を見るや唯嘲笑を以て迎へいふ、これ~の(その)使徒として送りし者か、 |
四四 吾曹にして能く耐へざらんには渠は殆んど吾曹を吾曹の~祇(の信仰)より惑はさんとせりと。されど後來(渠等を待てる)責罰を見るに至らば孰か更に遠く正道より背けるかを知らん。 |
四五 爾何とか思ふ。その歡樂を以てその~祇となす者を。爾はその保護者たり得るか。 |
四六 爾は渠等多くは聞きまたは理解すと思ふや。渠等は獸畜に類せるのみ、さなり、渠等はそれよりも尙(眞)道に離れたり。 |
四七 爾曹上帝の如何に(日光の前に)陰を生ずるかを思はずや。若し渠欲せばそを(永久に)動かざらしむべし。 |
四八 われ太陽を昇らしめそを示し、のちわれ容易くそをわれに引く。 |
四九 衣の如く夜を爾曹に掩ひ、爾曹を睡らせ、晝をして爾曹を起さしむるは~なり。 |
五〇 風を送り雲を起してその慈惠の先驅となすは~なり。われ天より淨水を降し |
五一 そを以て死せる地を復活せしめ、そをわが創作りし多數の人畜に飮ましめ、 |
五二 そを渠等の知り得る幾多の方法にて渠等に分布す。然るに人多くは唯忘恩の爲に之を思はず。 |
五三 われ欲するまゝに各城市に說ヘ者を送れり。 |
五四 されば爾は不信者に勿從ひそ、唯强く之を以て渠等に反抗せよ。 |
五五 一はCく甘く他は鹽ありて辛く、雨水を分ちてその間に妨障、超え難き妨障を置きしは~なり。 |
五六 水より人を創作り、それに血族親族あらしめしは~なり、爾曹の~は有力なり。 |
五七 渠等は~の外に己を利せずまた害し得ざる者を禮拜す。不信者はその上帝に逆ふ惡魔の黨なり。 |
五八 われ爾を送りしは吉報を傳へ威嚇を宣せしめんが爲のみ。 |
五九 いへ、其上帝の道に入らんと希ふ者の改宗の外われ爾曹より此(わが說ヘ)に對して何等の報償をも求めずと。 |
六〇 爾は生きて死せざる~を信ョしそのコを稱へよ、(~はその奴僕の過失を熟知せり)、天と地とその閧フ萬物とを六日に創造りて後寶座に上りし慈悲聖~を。今渠に就きて知識を求めよ。 |
六一 (不信者に)慈悲~を稱へよといへば、渠等は慈悲~とは誰ぞ、吾曹は爾の命ずるところを稱ふべきかといひて、u急に遁れ去るべし。 |
六二 天に十二宮を置き、(晝は)其處に光明を(夜は)照る月を置きし~を頌めよ。 |
六三 夜と晝とを交替せしめて思慮あるものに見せてそを感謝せしむるは~なり。 |
六四 慈悲~の奴僕とは謙りて地を行き、無知の者之に語れば平和と答へ、 |
六五 その上帝を稱へて夜を過し、立ちて之に祈り、 |
六六 噫、上帝、吾曹より苦痛の絶へざる地獄の責苦を除け、洵にそは憐れむべき居所惡しき境遇なりといひ、 |
六七 その施與には濫費せず貪婪ならずその中問を以てし、 |
六八 (眞の)~と他の~祇とをともに禮拜せず、正しき理由なくして~の禁ずるところを殺さず、姦淫の罪なき者なり。されど姦淫を行ふ者は其罪惡の報を受くべし。 |
六九 其責罰は復活の日に倍加すべし、渠は永久に恥辱を蒙るべし。 |
七〇 唯悔ひ改めて信じ正しきを行ふ者には、~はその(曩日の)惡を善に化すべし、~は赦を好みて仁慈なれば。 |
七一 何人にても悔ひて正に歸せる者には~快く之に向ひ語るべし。 |
七二 虛僞の證を立てず無用の辯を排し、 |
七三 其上帝の表徵を以てヘ戒さるれば聾盲の如くならず(して之に注意し) |
七四 噫、上帝よ吾曹に妻子をして吾曹の眼をスばせ吾曹を(爾を)畏るゝ者の師表たらしめよといふ者。 |
七五 此等には(天堂に於て)最高の宝を以て酬はるべし、渠等は固執堅忍なれば。渠等は其處に好遇を得べし、 |
七六 渠等は其處に永久に在るべし、そは優れたる居處にして愉快き境遇なり。 |
七七 いへ、わが上帝は爾曹の爲に費心せず、爾曹そを禮拜せざれば。爾曹旣に欺瞞を以て(その使徒を責めたり、されど今後其處に(爾曹の上に下る)久しき責罰あるべし。 |
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差別品[アル・フルカン](1-77節)の解題(題名の由来、啓示時期、内容解説) |
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アル・フレカンは光躍照明して差別を立つるの義にて、イスラムヘにては可蘭の別名とす。劈頭にフルカンの稱あるによりて經に名く。 |
時代 |
默伽宣傳の早時に默示されしものとす。或は四三、四四をタイフにての默示と爲す者あるも確據なし。また七〇節以下を默コ那默示と爲す者はそをオードの戰にハムヅを殺せしワーシに就きてと解するに由るも、 是亦必ずしも特殊の人を對象と爲すに及ばず。 |
內容 |
可蘭の爲に天地創造者たる唯一~の祝(一-二)。 |
偶像信者は無力の~祇を禮拜す(三-四)。 |
可蘭を僞典となす者への辯明(五-七)。 |
不信者の麻訶末排斥(八-一〇)。 |
地獄に墮つる不信者と天堂に上る信者(一一-一七)。 |
僞~は審判の日に其信者を捨つ(一八-二一)。 |
古來の豫言者皆麻訶末に同じ(二二)。 |
不信の孤列種の運命(二三-三一)。 |
可蘭の斷續的默示に對する不信者の非難(三二-三六)。 |
ゥ豫言者の徃例を以て孤列種を戒む(三七-四六)。 |
~業の證蹟(四七-五二)。 |
麻訶末に不信者に動かされざれとの戒(五三-五四)。 |
~は萬物の創造者司配者(五五-五六)。 |
偶像を拜し惡魔を肋くる異端の徒(五七)。 |
說ヘ者たる麻訶末の希望信ョ(五八-六一)。 |
~業の頌(六二-六三)。 |
~の奴僕(六四-六八)。 |
惡人も改峻善行によりて救はる(六九-七一)。 |
懺悔者の果報(七二-七六)。 |
孤列種に對する~の非難(七七)。 |
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差別品[アル・フルカン](1-77節)の註釋(文字の解釈) |
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五 他人の援助とは主として麻訶末の爲に往史故事をヘへし猶太人を指す。 |
一四 狹地といふは罪人多ければなり。 |
二四 天使を見るべき日は其死後若しくは復活の時とす。 |
三四 可蘭は實に前後ニ十三年に亙リし默示なり。 |
四〇 アル•ラスai rassは何處なりや明ならず。一說にはミヂアン附近の井の名(アルラスは井の義)にて、豫言者その地の住民にヘを說きしに皆聽かざりしかば井陷り家倒れ民溺れきといふ。 |
一說にはヤママYamamaの一市にて,タームド族の殘部その地に移リー豫言者を殺せし罪惡の爲に全滅せりといふ。一說にはアンチオク附近の井にてハビブ•アル・ナジァルHabib al Najjarの殉道せる處といふ。更に一說にはハドラマウトHadhramautの井なりといふ。 |
四二 城市はソドムあリ。 |
五二 渠等に分布す云々は、或は可蘭を指し、上節とは別と爲す說あり。 |
五四 之を以ては、可蘭を指すといふ。 |
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Office Murakami |