「コーラン經」 畜牛品 第六 【アル・アナム】 默伽
「コーラン經」は日本初のコーラン全文翻訳本です
「コーラン經」は<譯者・坂本健一>{上下二巻}として世界聖典全集刊行會から(大正九年)発行されました
「コーラン經」の構成は凡例、目次、114品(章)の本文、附録として各品(章)の解題と註釋、イスラム教とコーランについての詳細な後書きから成っています。
ここでは114品(章)別に本文と解題と註釋をまとめて紹介します
本文・解題・註釋の漢字・送り仮名は大正時代そのままの形を復刻できるように努めました
畜牛品【アル・アナム】(1-165節)の本文
大慈悲~の名に於て
一 天と地とを創作り冥暗と光明とを命ぜる~を頌めよ。されど上帝を信ぜざるは(其~祇を~に列す。
二 泥土より爾曹を創り(爾曹の生命の)期を定めしものは~なり、豫定の期は~とともに在り。されど爾曹は(そを)信ぜず。
三 渠は天に於ける~にして地に於ける~なり、渠は爾曹のする所と爾曹の公にする所とを知り爾曹の應對する所を知れり。
四 渠等には渠等の上帝の多くの表徵の中何も來らず、渠等はそを避け退く、
五 渠等は眞理の來るやこれに抗辯す。されど渠等の嘲笑せる所に就きては使到らん。
六 渠等知らずや、如何に多くの時代をわれ渠等以前に破滅せしかを。われ渠等を確立せしは爾曹を確立せしが如くならず、われ渠等に多く天雨を下し渠等(の脚下)にC流を與へしも、その罪の爲には渠等を滅却してのち新時代を作れり。
七 われ爾曹に紙面に錄されし聖典を下し、渠等は手からそれをきながら不信はなはいへり、是明白なる魔術に外ならずと。
八 渠等はいへり、天使渠に下るに非ざれば(吾曹信ぜざるべし)と。されど若しわれ天使を下せば、洵に事は卽決せらる、渠等は生くる所なからむ、(改悛の閧ネければ)。
九 而してわれ使として天使を下さばわれ之を人の形に於て下し、渠等と同じくその前に衣を着けしむ。
 爾の前に嘲笑されし(他の)使徒多かりき、而も嘲笑に就きての渠等の裁斷は渠等をその中に圍繞せり。
一一 いへ、世界を遍曆せよ、(吾曹の豫言を)欺瞞を以て罪せしの末路を見よと。
一二 いへ、天と地とにあるものは皆誰にか屬すると。いへ、~にと、自仁慈に任ずる~にと。渠は復活の日に必ず爾曹を會すべし。そは毫も疑なし。自己の心を破壞するは信ぜざる()なり。
一三 夜にも晝にも起りし事は何にても渠に(歸す)。聞き且知るは渠(なり)。
一四 いへ、われ~より外に他の保護を有すべきか、天地の創造にして(萬物を)育するも(他の爲に)育せられざる~より外に。いへ、洵にわれはイスラムを宣言する第一たるべき命を受く、爾して偶像信(の一)たるべからず(とはわれにいはれし所なり)。
一五 いへ、われ若しわが上帝に背かばわれ洵に大なる日の責罰を畏ると。
一六 此日に避けらるべきには~は仁惠なるべし、こは明白なる救なり。
一七 若し~何等かの害を以て爾曹に加へんか、そを(爾曹より)除き能ふ~の外にあらず。されど~爾曹に善を下さば~は全能なり、
一八 ~はその奴僕に臨む至上の帝なり、~は賢明にして叡智なり。
一九 いふ、證を立つるに最も强きものは何ぞと。いへ、~なり、~はわれと爾曹との間の證なりと。而してこの可蘭は爾曹を戒むる爲に且その達し得るを戒むる爲にわれに默示さる。爾曹眞に~とともに他のゥ~ありといふや。いへ、われそをいはずと。いへ、洵に渠は唯一~なり、爾曹が(他のゥ~を渠と)同列に置きし罪はわれになし。
 われ聖典を授けしは(わが使徒を)知ること猶その子女を知るが如けむ。されど己の心を害へるは信ぜざるべし。
二一 誰か~に對して虛僞を構へその表徵を僞瞞と爲すよりも不正なるあらむや。實に不正は昌ゆる能はず。
二二 復活の日にわれ悉く渠等を會むべし、この時われ(~と他のとを)同列に置きしにいふべし、爾曹が(~と同じと)想像せし爾曹の友何處に在りやと。されど渠等は、吾曹が上帝たる~かけて吾曹は偶像信たらざりきといふの外の辭なからむ。
二三 見よ、如何に渠等が自欺きしかを、如何に(慢にも~の同侶たりきと)その想像せしもの渠等より飛び去りしかを。
二四 渠等の中には(爾曹可蘭を論ずる時)耳を傾くるあり、されどわれ渠等のそを理會し得ざるためにその胸上に幕を垂れその雙耳を聾にす、かくて渠等はすべての表徵を見るもそを信ぜざるべし、渠等は敢て進んで爾曹と爭ふに至らん(かくまで渠等の不信不敬はミ上せん)。不信はいふならん、こは唯往昔の無稽の寓言は外ならずと。
二五 斯くて渠等は他人の信ずるをも禁め、それより遠く離れ退くべし、されど是唯己の心を害うて自知らざるなり。
二六 爾曹若し渠等が(地獄の)火上に置かれて、~は吾曹を(世に)復し得べきか、吾曹は僞瞞を以て吾曹の上帝の表徵を譏らざるべし、吾曹は眞の信となるべしといふを見んか、
二七 否とよ唯これ嚮に渠等が隱蔽せしところの今渠等に明になりしなり、假令渠等にして(世に)復するとも必ずや渠等の禁ぜられし所に歸らむ。渠等は洵に虛僞なり。
二八 渠等はいへり、吾曹の現世の外に他の世なし、吾曹は復活せざるべしと。されど爾等若し渠等のその上帝の前に到るを見んか、
二九 ~は(渠等に)いふべし、是眞に非ずやと。渠等も答ふべし、然り、吾曹の上帝によりてと。~乃いふべし、故に(爾曹に歸すべき)責罰を喫せよ、爾曹は信ぜざりしかばと。
 (來世に於て)其時急に渠等の上に到るまで~の會を虛僞として拒みしは破滅すべし。(其時)渠等はいふ(べし)、鳴呼、こは吾曹が(生時に)等閑せし所なりきと。而して渠等は背上に重擔を負ふべし、渠等の負擔は惡に非ずや。
三一 此現世は唯一遊一幻影に外ならず、されど未來の地は~を畏るゝ者には確により善し、されば渠等は理會せざらんや。
三二 今われ、渠等の語る所の爾を愁へしむるを知る。而も渠等は唯虛僞を以て爾を責むるのみか、不敬~の表徵に反す。
三三 渠等は爾の前のの使徒をも僞瞞となせり、されど渠等はわが救の到るまで僞瞞と呼ばれ侵されて耐へたり、~の語を變ふる他にあらざれば、而して今や嘗て~の送りしに就きての譚は爾に來れり。
三四 (爾の訓戒に就きて)渠等の嫌忌爾を愁へしめんか、爾は大地(の中)に(入し得る)洞穴、さては蒼天に(昇り得る)梯子を索し出し表徵を渠等に示し得ん(には然爲せよ、渠等は索する能はじ)。何となれば~にして欲せば渠等をすべて(眞の)方向に致すべく、爲に(一人も)無智なるなからん。
三五 ~は熱心に)聽くにのみスんで答ふべし、~は死を甦らすべし、其時渠等は~に歸すべし。
三六 渠等(不信)はいふ、上帝より何等かの表徵下らざれば(吾曹は信ぜざるべし)と。いへ、洵に~は表徵を下し得るも唯渠等の多くは知らざるなりと。
三七 地を走る獸も天を飛ぶ禽も亦爾曹の如き民と同じからざるは莫し。われわが(ヘ戒の)明典中には何ものをも除外せず。渠等は悉くその上帝に歸るなり。
三八 わが表徵を欺瞞として誹る者は聾なり啞なり暗中を行くなり。~はその欲するを迷誤に導き、その欲するを正道に誘はずや。
三九 いへ、爾曹何とか爲す、~の責罰爾曹に下り復活の時爾曹に至らば、爾曹~の外の何人を呼ぶべきや、爾曹にして眞實を語らばと。
 否とよ、爾曹の呼ぶは~なり、~は若し欲せば爾曹が遁れんと求むる所より爾曹か救ふべし、而して爾曹は(~と同じと)推せし所のを忘れざるを要す。
四一 われ爾の前に(雜多の)民族に夙に使を致せり、而して渠等の自屈從し得るために困艱苦を以て渠等を苦しめたり、
四二 而もその困苦の至るや渠等尙屈從せず、渠等の心を固め惡魔は其爲すところを助けたり。
四三 渠等その警戒されし所を忘るやわれ萬象の門を開けり、渠等が與へられし所を享樂せる閧ノ急にわれ之を捕へ、見よ、渠等が失望の境に陷りしまで。
四四 惡を行ひし民の最大多數は粉されき、~を頌めよ、萬物の創造たる上帝を。
四五 いへ、爾曹何とか爲す、~爾曹の聽を奪ひ爾曹のを奪ひ爾曹の心を閉さば、~の外に何の~かそを爾曹に復すべきや。
四六 見よ、如何に種にわれ~の(唯一の)表徵を表現せしかを、而も渠等なは(それに)面を背く。いへ(渠等に)、爾曹何とか爲す、~の責罰に若しくは公然に爾曹に至らば死滅するは不敬の民ならずして誰ぞと。
四七 われわが使を下せしは吉報警戒を齎し至るに外ならず。故に何人にても信じ且改むるには畏怖なく悲愁なからむ、
四八 されど僞瞞を以てわが表徵を目するは何人たりとも責罰を免れず、渠等は惡を爲したればなり。
四九 いへ、われ爾曹に語らず、~の寶貨はわれに在りと、またいはず、われ~密を知ると、更にまた爾曹にいはず、洵にわれは天使なりとは、われは唯天啓に從ふのみと。いへ、盲視者と同じかるべきや、されば爾曹思はざるか。
 渠等の上帝の前に召さるべきを畏るゝ者に之を說く、渠等は~の外に一人の恩主一人の勸解を有せず、恐らく渠等は自己を愼むべきなり。
五一 晨に夕にその面(を見んこと)を望みて上帝を呼ぶを勿逐ひそ、渠等に對して何等の裁斷を爲すことは爾曹に屬せず、爾曹に就きて何等の裁斷を爲すことは渠等に屬せず、故に爾曹若し渠等を逐は不正爾曹に在らん。
五二 斯くしてわれ渠等の一部によりて他部を試みたり、渠等、~の慈惠を垂れしは斯るなりや、~は眞に謝恩の心あるを知らざるかといひ得ん爲に。
五三 わが表徵を信ずる渠等爾曹に到り、爾曹幸あれ、爾曹の上帝は爾曹に惠を垂る、されば無智の爲に惡を爲してのちひ改むるには~は確に大度にして仁慈ならんといふ。
五四 斯くしてわれ罪惡の道の明にされ得る爲にわが表徵を明示せり。
五五 いへ、洵にわれは、爾曹が~の外に禱る所(の僞~)を禮拜するを禁ぜらる。われ爾曹の希望に伴はざるべし、若し伴はわれ誤らん、正しく導かれしの一人たり得ず。
五六 われわが上帝より授かりし明白なる宣言に據る。然るに爾曹はそを僞瞞と呼ぶ。爾曹が好んで急ぐ所はわが力の及ぶ所ならず、裁斷は唯~に屬す、~は眞を決すべし、~は正否を熟知せり。
五七 いへ、若し爾曹の好んで急ぐ所わが力にあらば決定とわれと爾曹との閧ノ在りたらむ、~は能く不正のを知る。
五八 ~~祕の鍵あり、~の外は之を知らず、~は陸上のもの中のものを知る、一葉の落つるも~の知らざるは莫し、暗地に於ける一粒の生の物乾ける物一として明典に錄されざる莫し。
五九 夜は爾曹を眠らせ爾曹の晝行ふ所を知るは~なり、而してまた爾曹を醒まし、以て爾曹の定命を完うせしむるも亦渠なり、而る後渠に爾曹は歸す、渠は爾曹にその爲せし所を宣明すべし。
 ~はその奴僕の上に君臨し、爾曹に(監天使を)守護として送る。死が爾曹の一に臨みてわが使そを死せしむるまで。而して渠等は(わが命を)等閑にせざるべし。
六一 その後渠等はその眞の主たる~に歸すべし。裁斷は~に屬せずや、~はC算に最速なり。
六二 いへ、誰か陸のの暗Kより爾曹を救ひしぞ、爾曹遜りて私に、洵に爾此暗Kより吾曹を救は吾曹必ず感謝すべしと~に訟ふる時。
六三 いへ、~は爾曹を暗Kより救ひまたあらゆる心の愁より救へり、(然るに尙)其後爾曹は(~に)其伴を與へたり。
六四 いへ、~は爾曹に頭上よりも脚下よりも責罰を下し得、また爾曹に諍鬪を起さしめ、また爾曹の或をして他のの暴虐を味はしめ得。見よ、如何に種にわれ(わが)表徵を示せしかを、恐らく渠等そを解し得たらむ。
六五 此民は(爾の齎せし)默示を僞瞞を以て責む、そは眞理なるに。いへ、われ爾曹の保護たらずと、
六六 各の豫言はその(完成の)定時あり、爾曹のち終に之を知るべし。
六七 爾曹わが表徵を爭議し若しくは嘲笑するを見ば、渠等がある他の談論に移るまで渠等より別れよ。惡魔爾曹をして(此訓戒を)忘れしむとも、そを想せば斯る不敬の徒と同坐する勿れ。
六八 ~を畏るゝ者は終に渠等に責任なし、唯(義務として)心せよ、渠等恐らく愼み得ん。
六九 渠等のヘ法を樂となし遊となす、現世の生涯に欺かるゝ者を捨てよ、心は其行によりて破滅に赴くことを、~の外に恩主も勸解もなきことを(可蘭によりて渠等に)ヘへよ、
 而して充分の報償を以て贖ふも尙且容れられざるべきを。
七一 その行によりて破滅に陷りし渠等は熱水を飮むべく悲しむべき責罰を受くべし、その信ぜざる爲に。いへ、吾曹は~の外に吾曹をuする能はず吾曹を害する能はざるを禱るべきか、~が吾曹を導けるのち、惡魔に魂を奪はれて地上を迷ひ彷徨ふの如く、(なは)吾曹に來れと(いひて)眞の道に招く伴を有するの如く、踵をすべきか。いへ、~の示導は(眞の)示導なり、吾曹は萬物の創造主たる上帝に敬聽すべく命ぜらる、
七二 定時の禱を行ひ、~を畏れよ、爾曹の集めらる~の前なればなり、(といひてまた吾曹に命ぜらる。)
七三 天と地とを眞實に創りしは~なり、而して(一事物に對して)~「在れ」といへば則それあり。
七四 ~の語は眞理なり、~の意は喇叭の音くとき王國たるべし、~せるものをも公にせるものをも知る、~は賢明にして良知なり。
七五 想せよ、アブラハムがその父アザルに向ひ、爾は~の像をとるか、洵にわれ爾と爾の民との明に誤れるを見るといひしを。
七六 斯くてわれアブラハムに天と地との王國を示しぬ、其堅固なる信の一となり得るために。
七七 夜陰の來るや渠星を見て、是わが上帝なりといへり、されど其沒るを見てはわれ沒る~々を愛せずといへり。
七八 其太陰の昇るを見ては、是わが上帝なりといへり、されど其沒るを見ては、洵にわが上帝われを導かずばわれ迷へる民の一人たるべしといへり。
七九 其太陽の昇るを見るに及びて、是わが上帝なり、是最大なりといへり、されどその沒るを見てはいへり、噫、わが民、洵にわれは爾曹が~と爲すところのを明にせり、
 われわが面を天と地とを創りしに向く、われは正轉の徒なり、偶像信(の一)ならずと。
八一 その民之と爭ふや、渠いへり、爾曹~に就きてわれと爭はんとするか。~今やわれを導き、わが上帝の欲するに非ざれば、爾曹が~と同じとなすをわれ畏れざれば、何となればわが上帝は(その)智を以て萬象を理會すれば。そを爾曹思はざるにや。
八二 ~が然爲すべく爾曹に何等の力をも下さを爾曹~と同じと爲すを畏れざれば、われ如何に爾曹が~と爲すものを畏るべきや。從ひて兩の孰か信仰の價値あるか、爾曹正しく理會せんにはと。
八三 信じて、不正を以てその信仰を掩はざるは安全を得べく(正しく)導かるべし。
八四 これアブラハムをしてその民に對せしめしわが論議なり。われはわが欲するに智と識とを高む、爾曹の上帝は賢にして智なればなり。
八五 而してわれそをイサアクとヤコブとに授け、(二人を)ともに導けり、ノアをわれ前に導けり、その子孫にはダテとソロモンとを、而してヨブとヨセフとモセとアアロンとを。斯くてわれ正しきに報ひたり、
八六 而してザカリアスとヨハネと耶蘇とエリアスと、(これ)總べて正しき人なり。
八七 而してイスマエルとエリシアとヨナスとロットと、(これ)總べてわが世界の他のよりも眷遇せるなり、
八八 而して渠等の父、渠等の子孫、渠等の同胞(の人をも亦)、われ渠等を擇び、渠等を正道に導きたり。
八九 これ~の示導なり、乃~はその奴僕の中よりその欲するところを示導せり、されど偶像を信じて罪を得しの爲す所は全く功なからん。
 これ等はわが聖典と智慧と豫言とを授けしなり、されど若し此等にして信ぜずば、われそを信ずべき民に渠等の監を歸すべし。
九一 これ等は~が示導せし、故に渠等の示導に從へ、いへ、(メッカの住民に)、われ(可蘭の說ヘの爲に)何等の報償をも爾曹に求めず、そは(あらゆる)人類に對するヘ戒に外ならずと。
九二 ~の眞コを解せざるはいふ、~は終に人間に何ものをも下さりきと。いへ、モセの齎せる聖典、人閧フ光明と示ヘとを下せるは誰ぞや、そを爾曹紙上に寫し、その一部を公にし大部分を隱せる聖典を。而して爾曹は爾曹も爾曹の父も末だ曾て知ちざりし所を(麻訶未によりて)ヘへられき。いへ、~(そを下せり)と。而して渠等をしてその無用の談論を樂ましめよ。
九三 わが下せる此聖典に幸あれ。それより前に默示せるところを確認し、爾がそをメッカの大都竝にその附近のに說く爲めに爾に附與せる此聖典に。而して未來を信ずるはそを信ずべし、渠等はめて禱の時を守るべし。
九四 誰か~に就きて僞瞞を爲すよりも惡きぞ。さては何等の默示なきに是われに默示されたりといふよりも惡きありや。われ~の下せる所と同じ默示をなすべしといふよりも惡きありや。斯る不敬の徒死の苦痛に臨みて天使その手を伸べて、爾の靈魂を投出せといふを見しや。此日爾曹は~に就きて僞を語りし事の罰を受けざるべからず、爾曹傲然として~の表徵を拒絶したれば。
九五 而して今や爾曹は初われ爾を創りし時の如く單獨われに來る、わが爾曹に與へしものを後に殘し留めて、また爾曹が~に對して爾曹の伴たるべしと思ひし爾曹の勸解もともに到らず。今や爾曹の緣は斷絶せり、爾曹の想ひし所は爾曹を欺けり。
九六 ~種棗實を生ぜしむ、~は死より生を生じ生より死を生ず。これ~なり。さるに何とて爾曹は(~より)背き去るか。
九七 ~は晨に出でしめ、夕に休ましむ、太陽と太陰とを以て時を算へしむ。これ偉大にして賢明なる~理なり。
九八 爾曹に星辰を示すは~なり、陸ととの暗Kに於て爾曹に方向を知らしむる爲に。われ現に明に理會ある民に(わが)表徵を示したり。
九九 一の心靈より爾曹を創りしは~なり、爾曹の爲に安全なる住捿倉を(設け)與へしも~なり。われ明に賢良なる民に(わが)表徵を示したり。
〇〇 天より雨水を下せるは~なり、われそれを以て萬物の苞芽を腫ませ、高フものを生じ、列れる粒、累たる果實、さては葡萄檻欖石榴等互に相似また相似ざる幾多の物を生ず。その結實のときその果實を見よ、その熟大するを見よ。洵に此處に信ずる民に對する表徵あり。
一 されと渠等は妖を以て~の類と爲す、そは~に創られたるに。渠等は無知にもりて~に子女ありと爲す。~を頌めよ、渠等が(~に)歸する所よりも遙に高く。~は天地の創造主たり、如何ぞ~に後裔あらむ、配偶なきに。~は萬物を創造せり、全知なり。
二 爾曹の上帝は~なり、~の外に~なし、萬物の創造主たる。故に~に仕へよ。~は萬物を監督す。
三 眼は~る能はずとも、~は眼をる、~は大度にして賢明なり。
四 今や爾曹の上帝より爾曹に內省(明なる表示)至る、そを以て自省察するは自己の爲なり、されど之に盲なるは其心に反く。而してわれ爾曹の守護たらず。
五 斯くてわれ種にわが表徵を說明せり、爾能く學びたりと渠等のいひ得るため、吾曹が渠等を理解ある民といひ得るため。
六 爾曹の上帝より爾曹に默示せるところに從へ。~の外に一も~なし、故に偶像信より遠ざかれ。
七 若し~(しか)欲せば、渠等は偶像禮拜の罪を得ざるべし。われ爾に渠等の守護に任ぜずまた爾は渠等のヘ戒に任ぜず。
八 渠等が~の外に禱る所(の偶像)を讒謗する勿れ、渠等また無智にして太く~を讒謗せざるため。斯くしてわれはあらゆる民にその業を開く、今後~に渠等は歸せざるべからず、而して~は渠等の爲せるところを渠等に明に告ぐべし。
九 渠等は最嚴肅なる誓盟を以て、若し渠等に表徵下らば、渠等は必そを信仰すべきを~かけて誓ひたり。いへ、洵に幾多の表徵は唯~の力に在りその來れる時渠等尙信ぜざるは何とて爾曹に理會せらるべき。
一一 われ渠等の始に信ぜぎりし如く、(眞理より)渠等の心と渠等の視とを外に轉ぜしむべし、而してわれ渠等をしてその迷誤に彷徨はしめん。
一一一 われの天使を渠等に下し、死は渠等に語り、われ渠等の前に一目の下にあらゆる事物を會したりとも、~の欲するに非ざれば渠等は信ぜざるべし、而も渠等の多數は之を知らず。
一一二 斯くてわれ各の豫言に敵を作れり、人の惡魔と妖の惡魔、そは密に互に欺くことをヘふ。されど爾の上帝にして欲せば、渠等はそを行ふ能はず。故に渠等を放任せよ。その僞りて想ふ所に任せよ。
一一三 來世を信ぜざるの心を其處に傾かしめよ、渠等をしてそを自スばしめよ、而して渠等をしてその自得ると爲すところを得せしめよ。
一一四 われ~の外に(吾曹の閧裁く可き他の)ある判官を求め待べきか。(善と惡とを)甄別する(可蘭の)聖典を爾曹に下せしは~なり。わが聖典を得しはその眞理を以て爾曹の上帝より下されしを知る。故に(そを)從ふ(一人も)あらしめそ。
一一五 爾曹の上帝の語は眞理と正義とに從ひて完全なり。其語を變易し能ふ一人もあらず。~は聞き且知れり。
一一六 されど爾曹地上に在る渠等の多數に從はず、渠等は爾曹を~の道より外に導くべし、渠等は唯(不確の)俗說に從ひ虛僞の外何事をも語らず。
一一七 洵に爾曹の~は能く~の道より外るゝ者を知れり、また能く正道を踏むを知れり。
一一八 ~の名の表揚られし物を食へ、爾曹その表徵を信じなば。
一一九 ~の名の表揚られし物を爾曹何とて食はざる、~はその爾曹に禁ぜし所を明白に爾曹に告げたるに、爾曹必要已むなくして食ふ物を除きて。多數が他人を迷誤に導くは知識なくして慾に任すればなり。されど爾曹の~は誰が侵犯たるかを能く知れり。
一二 罪の明なるも隱れたるも問ふ勿れ、罪を犯せしはその當に受くべき報償を受くべければ。
一二一 故に~の名の表揚られざる物を勿食ひそ。そは必ず惡事たればなり。されど惡魔はその友に(此ヘ戒に就きて)爾曹と爭はしめん、而も爾曹若し渠等に從は爾曹(も亦)確に偶像信なり。
一二二 死してわれ之に生を復しわれ之に光明を授け爲に人閧フ中に行き能ふは暗Kより離脫し能はざると同じかるべきや。斯くして不信の行ふところは渠等に歸るなり。
一二三 斯くてわれ各の市城に惡人の首領を置き其處に渠等をして虛僞を行はしむ、されど渠等は唯己の心に逆きて虛僞む行ふなり、而して自之を知らず。
一二四 表徵渠等に來る時、渠等はいふ、~の使(使徒)に下されし如き默示の吾曹に來るまで吾曹は決して信ぜざるべしと。~は誰をかその使とすべきかを能く知れり。~の眼に於ける陋劣は惡を行ひしに下るべく、その虛僞を行ひしために悲しむべき責罰下らん。
一二五 ~はその導かんと欲するの心をイスラム(の信仰)に開くべし、されどその迷誤に導かんと欲するの心を、宛も天に上らんと希ふの如く、固く狹くすべし。かくして~は信ぜざるに恐るべき責罰を負はしむ。
一二六 是爾曹の上帝の正しき道なり。今われ明に(わが)表徵を考へんとする民に表明せり。
一二七 渠等は其上帝とともに平和の棲所を有すべし、~は渠等の恩主なるべし。
一二八 ~が總べて渠等を集むべき日、噫、妖の群、爾曹多く人類を惑はしたり(といへば)、人類の中の其友はいふべし、噫、上帝よ、吾曹の一は他より利uを得たり、吾曹は爾の命ぜし一定の期限に到達せりと。~はいふべし、(地獄の)火は爾曹の棲所(たるべし)、其處に爾曹は(永久に)在るべし、~が(爾曹の苦痛を輕減するを)欲せざれは。爾曹の上帝は賢明にして良知なれば。
一二九 われ斯くして不正の或をその他のの上におく、渠等の行爲の應報として。
一三 噫、妖と人類との伴、爾曹の中より使爾曹に至り、わが表徵を爾曹に說き爾曹の此日の集合を爾曹に戒めざりしか。渠等は答ふべし、吾曹は己に逆ひて證を立つと。現世は渠等を瞞く。渠等はその不信なることを自立證ずべし。
一三一 これ(~のその創造りし者を處理するの法なり、)爾曹の上帝は城市の民の不用意に乘じて其惡事の爲に城市を破却せざればなり。
一三二 各人はその爲すべき報償の程度を有す。
一三三 爾曹の上帝は渠等の所爲に不注意ならす。爾曹の上帝は自滿具足して慈惠なり。其欲するまに爾曹を破滅しその欲する所をして爾曹の後を繼がしむるむ得ること、なは他の民の後昆より爾曹を生ぜしが如けむ。
一三四 洵に爾曹をすものは必ず來るべし、爾曹そを避し得ざる可し。
一三五 いへ(メッカの衆に)、噫、わが民、爾曹の力に應じて爲せ、洵にわれまた(わが義務に應じて)爲すべし。而して今後爾曹は誰に天堂の報償あるかを知らむ。不敬~の徒は榮えざるべし。
一三六 (メッカの衆は)~が地より生ぜるもの家畜より生ぜるものの一部を~の爲に割きて(陽言して)、これは~にといひ、而してこれは吾曹の伴に(屬す)といふ。その伴にといふ物は~に至らざるに~の爲に(割きし)といふ物も亦渠等の伴に至る。如何に惡しき渠等の裁斷よ。
一三七 之と似し方法にて渠等の伴は多數の偶像信にその子女を殺さしむ、そを破滅に陷れ渠等の宗ヘを混迷するために。されど~にして欲せば渠等はそを行ひ得ず。故に渠等を、渠等の惑ひ思ふところを放任せよ。
一三八 渠等またいふ、此等の土と家畜とは~聖なり、(渠等の思惟する所によれば)吾曹の許すところの外は何人も之を味ふ能はずと。其處に(騎乘も負擔も)禁ぜられし家畜あり、また(そを殺す時)~の名を表揚ざる家畜あり、~に逆ひて瞞を企て~は渠等の僞瞞に對して酬ふべし。
一三九 渠等いふ、斯る家畜の胎內にある物は男子に(食ふことを)許さるも婦人には禁ぜらる。た其墮胎流の時には男女ともに味ふむ得と。~は渠等の歸托の報償を授くべし。~は知り且賢なり。
一四 無智にして愚にも子女を殺せし~に對して僞を構へて~が食物として與へし所を禁ぜしは、ともに必ず亡はるべし。渠等は迷へり、正しく導かれざりき。
一四一 (木の)棚に耕されしと野生とに論なく葡萄を生じ、椰子、種の食物となる物、檻欖、榴の種を生ずるは~なり、その果實を結ぶや之を食へ、爾曹そを收集むる時は其謝儀を拂へ、されど浪費する勿れ、~は餘りに浪費するを愛せざれば。
一四二 (~は爾曹に)負擔の用に充つるある家畜とた屠らるもの(を與へたり)。食物として~の授けしところを食へ、爾曹の敵なる惡魔の轍を勿踏みそ。
一四三 四對(の家畜を~は爾曹に授く)。羊一對、山羊一對。いへ(渠等に)、~は(羊と山羊との)二牡か、二牝か、二牝の胎內に有つものを禁じたりや。爾曹の言眞ならば確にそをわれにいへと。
一四四 駱駝の一對、牛の一對、(を~は爾曹に授く)。いへ、(その)二牡か、二牝か、二牝の胎內に有つものを禁じたりや。~それを爾曹に命ぜし時爾曹現場に在りしか。理解なくして他人を惑はすために、~に對して僞を構ふるより惡しきありや。洵に~は正しからぬ民を示導せず。
一四五 いへ、われはわれに默示されし處に、自死せしものと血の流るものと豚の肉とを除きて勿食ひそと禁ぜし何ものをも發見さず。これらは嫌忌のものなり、また~の外の或もの名に於て殺されて瀆れたるものなり。されど必要已むを得ずして(斯るものを食ひ)、嗜慾の爲にせず、また故に犯すに非ざれば、洵に爾曹の上帝は(そのに對して)大度にして仁慈ならむ。
一四六 猶太人にわれ蹄の(剖れざる)獸を禁ぜり、去勢の牛と羊との膀をわれ渠等に禁ぜり、その背その內部その骨と雜れるものを除きて。これを禁戒せるは渠等の惡行の爲なり、われ洵に眞を語るものなり。
一四七 若し渠等僞瞞を以て爾曹を責めなばいへ、爾曹の~は廣大の慈悲なりと雖も、その峻烈は惡しき民に對して假せずと。
一四八 偶像信はいふべし、~にして欲せば吾曹は偶像崇拜を以て罪せられざらむ、吾曹の先も亦、吾曹は何事をも禁ぜられざらむと。斯くして渠等の前に出でしは僞瞞を以て(の豫言を責めたり、そのわが峻烈なる責罰を味ひしまで。いへ、爾曹は(自辯ずるある)知識を有するかさらばそを吾曹に示せ。爾曹はた(虛僞の)想像を追ふなり、爾曹は唯虛僞を語る耳と。
一四九 いへ、故に最も顯明なる論議は~に屬す、~若し欲せば爾曹すべてを示導すべし。
一五○ いへ、~のそを禁ぜしと證し能ふは證據を示せと。されど渠等その證を爲すとも、爾曹渠等とともに立證する勿れ、また虛瞞を以てわが表徵を責むるの慾望に應ずる勿れ、來世を信ぜず(偶像を)その上帝と同等におくの慾望に應ずる勿れ。
一五一 いへ、來れ、われ爾曹の上帝が爾曹に禁ぜし所を復誦せむ、(則)、爾曹は偶像崇拜の罪を勿犯しそ、(爾曹の)父母に孝なれ、貧困を恐れて爾曹の子女を勿殺しそ、われ爾曹と渠等とを助けん。公然にも密にも極惡の罪に勿近きそ、正しき理由なくして~の(殺すを)禁ぜるを勿殺しそ。これ~の爾曹に命ずるところなり、爾曹恐らく理解し得む。
一五二 孤兒成年に達するまではその利uの爲ならでその財物に勿干りそ、充分の思慮と正しき酌量とを用ひよ。われ何人にもその能力以外の責務を課せざるべし。爾曹裁斷を行ふ時は、假令その事近親の爲にしまたは之に反すとも、公正を持して~の約を完うすべし。これ~の爾曹に命ずるところなり、恐らく爾曹戒め得ん。
一五三 これわが正しき道なることを爾曹知り得ん、故に之に從へ、爾曹~の道より離れざらんとせば他の道に勿迷ひそ。これ~の爾曹に命ずる所なり、恐らく爾曹留意し得む。
一五四 われまたモセに(ヘ法の)典籍を授けき、正しきを行ふべきの完全なる戒律、(必要なる)萬事に就きての決定、示ヘと仁慈との典籍を、(イスラエルの子孫が)その上帝の集會を信じ得んために。
一五五 これわが(今)下すところの聖典なり、そは頌むべし。故に之を從へ、~を畏れよ、爾曹仁惠を得るために。
一五六 斯る聖典は吾曹の前唯二箇の民に下されしなり、吾曹は仔細に讀誦するを怠りたりと爾曹はいひ得るため、
一五七 さては若し(~の默示の)典籍吾曹に下らば吾曹は必ず渠等よりも善く導かれんと、爾曹のいひ得るために。而して今や爾曹の上帝より爾曹に顯明なる宜明は下れり、示ヘと仁慈との。~の表徵に對して虛妄を構へ之より背き去るよりも惡きあらんや。
一五八 渠等は、(その靈魂をその肉體より離すために)の天使の渠等に來る、さては(渠等を處罰するために)爾曹の上帝の來る、さては(審判の日近きを示すために)爾曹の上帝の表徵のあらはるより外、何事をか期待し得べき。爾曹の上帝のある表徵のあらはれし日に於て、その信仰はその前に信ぜざりし心を利せざるべく、またその信仰に善を與へざるべし。いへ、爾曹(その日を)待て、われ亦必ず(それを)待つと。
一五九 そのヘ法を分離し別派を爲せる、爾曹は渠等とともに何事をも爲さじ、渠等の事は唯~に屬す。今後に~は渠等の爲せるところを渠等に明示すべし。
一六 善行を以て來るは善行に對して十倍の報償を受くべし、されど惡業を以て來るには唯それに對して均しき處罰を受くべし、渠等は不正を以て遇せられざる可し。
一六一 いへ、洵にわが上帝はわれを正道に導けり、
一六二 眞の道、正轉のアブラハムのヘに導けり、渠は偶像信に非ずと。
一六三 いへ、洵にわが禱とわが禮拜とわが生命とわが死亡とは萬物の創造主たる~に捧げらる、~に侶伴なし、これわが命ぜられし所なり、われは最初の敬聽者なり。
一六四 いへ、われ~の外にある他の上帝を求むべきかと。~は萬物の上帝なり、何人もその外に(何等の功過をも)得る所なく、負擔せる心は更に他の負擔を負はざるに。加ふるに爾曹の上帝に爾曹は歸すべし、爾曹の(今)爭ふところに就きて~は爾曹に宣明すべし。
一六五 爾曹をして地上に於て(爾曹の先に)繼嗣せしめ、爾曹のあるを(世間的利uの)各種の階級によりて他のの上にげ、その爾曹に授くる所によりて爾曹に證し得るは~なり。爾曹の上帝は處罰に~速なり、而して(また)大度にして仁慈なり。
畜牛品【アル・アナム】(1-165節)の解題(題名の由来、啓示時期、内容解説)
此品中には默伽市民の偶像ヘの儀禮式典と連關して家蓄の事を多く載せたれば斯く名つけたり。
此品は麻訶末の默コ那に遁走する前其ク里の民衆との爭抗論議なることは、其默示の聲調に徵するも明白なり。滿孤列種族を以て救濟の望なき異端、不信、~に捨てられ死滅の運を負へるとせざる莫し。可蘭の表徵を拒み天使の語聞ゆるも聖典天より降るも豫言はその表徵を示す爲に天に昇り天にみて渠等は毫も聽諦せずと爲せり。以外の章句は豫言に偶像信より去り之と交る可からずと爲すものにて、是やがて麻訶末が默伽を去りて默コ那に遁るるの意圖を示すものとす。
時代
上述の理由、特に一のヘジラを指せりと爲す家のに據れば、此一の默示は殆んどヘジラの直前に出でしに似たり。されど中尙若干の默コ那默示に屬するなきに非ず。九二−九四、一五一−一五三の如き是なり。或は一一八−一二一、一四五−一四六、一五九−一六五の如きも亦然りとの說あり。た大體に於て默伽默示たるなり。
內容
全知全能の造物主の頌(一−三)。
默伽異端の頑迷なる不信(四−五)。
それに對する~裁の威(六)。
默伽市民の失望的不信(七)。
何故に天使は不信に下らざる(八−九)。
嘗て豫言を拒みしの處罰(一−一一)。
何故に眞~に仕ふべきか(一二−一八)。
~はヘ徒と不信との間の證(一九)。
猶太人麻訶末を豫言と認む(二)。
審判の日の偶像信(二一−二三)。
嘲笑的偶像信の排斥(二四−二九)。
死後の信と不信と(三−三一)。
不信~を虛偽者となす(三二−三三)。
不易の~~意(三四)。
~の起死生(三五)。
~が不信の要求する表徵を示さぬ理由(三六)。
裁斷に於ける禽獸(三七)。
聾啞なる不信(三八)。
偶像信の際~に禱る(三九−四)。
安危昌否ともに無意味の不信(四一−四四)。
~苦の唯一の援助(四五)。
改悛せざる不信は死滅す(四六−四八)。
麻訶末~密に參せず(四九)。
審判の日に勸解なし(五)。
信ヘの意志の不裁斷(五一−五四)。
麻訶末の偶像信の提言の峻拒(五五−五七)。
不知至上の帝たる~(五八−六一)。
不能の救世主たる~(六二−六四)。
欺瞞と目さし麻訶末(六五)。
必ず罰せらるべき不信(六六)。
ヘ徒の避くべき嘲笑(六七−六八)。
確に起るべき偶像信の處罰(七−七一)。
~に從ふべし(七一−七四)。
アブラハムの偶像ヘに對する試(七五−八四)。
アブラハム後のの豫言(八五−九一)。
(默コ那)不信の猶太ヘ徒の排斥(九二)。
可蘭の前典舊經の確認(九三)。
聖典讒謗の運命(九四)。
審判の日にその~々に捨てられし偶像信(九五)。
眞の~(九六−一〇〇)。
~に子なし(一一−一三)。
~惠として可蘭の下賜(一四−一五)。
默伽退去の命(一六−一八)。
奇蹟なき麻訶末(一九)。
不信の手に歸せる默伽の民(一一−一一三)。
~の豫言たる麻訶末(一一四)。
ヘ徒と偶像信との向背(一一四−一一七)。
食物禁否の律(一一八−一二一)。
と不信との比較(一二二)。
惡しき君酋(一二二−一二五)。
信仰の頌揚(一二六−一二七)。
不信に對する~の威(一二八−一三)。
~の豫戒(一三一)。
行業に應ずる賞罰(一三二−一三三)。
不信の必罰(一三四)。
默伽の偶像信の排斥(一三五−一三六)。
孤列種の惡風(一三七−一三九)。
默伽の偶像信の威(一四)。
食ふべき菓實(一四一)。
禁食に就きての麻訶末と孤列種との爭議(一四二−一四四)。
禁食律の復誦(一四五)。
猶太族の禁食律(一四六)。
豫言を欺瞞となすの處罰(一四七)。
默伽の偶像信の責罰(一四八−一四九)。
信ずべからざるその證言(一五)。
禁律の復誦(一五一−一五三)。
セ耶蘇のヘを認むる可蘭(一五四−一五七)。
審判の日の惡人の運命(一五八)。
分派の戒(一五八)。
と惡人との報償の比較(一六○)。
眞ヘたるイスラム(一六一−一六二)。
~に對する麻訶末の自尊(一六三)。
偶像信に信仰の勸(一六四−一六五)。
畜牛品【アル・アナム】(1-165節)の註釋(文字の解釈)
二 前の期字は人間生死の期をいひ、後の期字は其死後より復活に至る期間を指す。
三 以上~の全智を力說するにて、一にある不信に對する語と解すべし。
五 四以下メッカの不信異端に對していふ。使の來る云は現當兩世中に破壞減却の時至るの意か、或はイスラムの終に興隆するを玆に豫言するならん。
八 ~の天使を下さるは仁惠なり、若し直に天使を下さば不信は改悛の間なく直に所罰に逢はんといひ、また、假今天使を下すも人間の姿を假り衣を着て豫言として顯はるれぱ不信は知らざるなりといふ。
三七 明典は~の宣旨を錄せる表にて宇宙の事象大小巨細となく錄載せざる莫し。ル.イ•マフヅLuh-に.Mahfuz是なり。
四六 「不意に若しくは公然に」は或は夜中若しくは晝間と解するあり、或は豫戒なしに若しくは前警ありてと解するもあり。
四八 「僞瞞を以て表徵を誹る」といふ句は、本品のみにても旣に數反復せり。麻訶末が此汚辱を雪がんと欲するの切なりしを想ふべし。
四九 三四に天に昇る梯子地に潛む洞穴をいひて,麻訶末は自奇蹟の力を否めり。此にはまた唯天啓默示に從ふといひて~祕に參し豫言のカあるを拒めり。「約翰傳」に出でし耶蘇の言と大に異なるを見るべし。
五一 麻訶末のヘ門に遊ぶに卑賤の徒多かりしかば、他のヘ徒之を厭ひしより此語ありといひ、或は麻訶末がその信ヘの爲に來らずして他の要請の爲ならんを疑ひて之を避けしより此語ありともいへり。
五二 「渠等の部によりて他部を試」むといふは卑賤の徒を以て富貴の徒を試むるなり。
五八 明典は三七の語にいへるル•イ•マフヅなり。
五九 「夜は爾曹を眠らせ」云、夜は爾曹の靈魂を~に取り爾曹の間得し所を知るとあり。
六二 暗Kは危の意。
六三 危に際しては~を呼び禱りながら安全の時は偶像を禮拜するをいふ。
六四 頭上よりとはノア其他の不信の時の如き風雨天變をいひ、脚下よりとは紅の事蹟の如き地異か指すなり。
七五 アザルAzarは希伯來傳にはテラTerahとあり、亞剌伯語にはTarahなり、然るにユセビウスが冠語を附してAtharとなせしより轉してAzarの稱を生ず。從來は唯像のみなりしに此人土をねて像を造るに妙を得、ニムロド王の女婿として王の像を造りしことあり亦多く偶像を造りしといふ。
七六 アブラハムも偶像ヘの父母より生れたれば亦偶像信たり、否、當時その地方に行はれし拜星ヘ徒たり。その眞ヘに歸せしは何時なりしやに就きては異說區たれども、夙くより正道に奔りしが如し。傅へいふ、その少時母に向ひて、誰か卿の保護なりやと問ひしに、母、爾の父と答ふ。誰か父の保護なりやと問ひしに、母、二ムロド王と答ふ。誰かニムロド王の保護なりやと問ふに及びて母の辭窮せりと。その最初に上帝なりとせしは或は太白(金)星なりといひ、或は木星なりといふ。
九三 メッカとわるは當にメヂナに作るべしとの說あり。
九五 爾曹の勸解とは偶像僞~の類なり。
九九 倉、或は胎(子宮)とあり。
一 ジンGinn(またdjinn)はぜニGeniiと同じ。天使惡魔等に論なく總べて不可見超自然的生物の精靈なり。或は土を以て作られず火より生ると爲し、趙自然カあれども、また人類と同じく~約に支配せらる。大抵惡性なれど善もなきに非らず。蓋し古代の自然崇拜の僞~の遺れるならむ。東洋のこたま、すだまの如きに近し。
一二五 「天に上らんと希ふ」は不可能の大事を希圖して失敗するを譬ふ。
三四 爾曹の約せるところ必ず來る可しともあり。
一三六 伴と玆にいふは偶像の~なり。亞剌比亞の異端の徒は收獲家畜を二部に分ちて一は~に他は偶像その他の~々に屬すと爲し、~の部分大なれば、全智全能の~は他の貧窮の小~の如く大量を要せずといひて、~の部分を奪ふの俗あり。蓋し~の爲に割きし所は主として貧人外人の救濟に用ふるも他の~々の所屬は僧祝の有に歸するを以てなり。
一三七 偶像ヘにては人を犧牲となし、また女兒を生めば生育のカなきものは直に之を生埋に-する俗あり。
一三八 「吾曹の許す所」とは吾曹の偶像を信仰する男子といふ意にて、女子は與るを得ず。
一四一 「謝儀を拂へ」とは施與を爲すの意。
一四二 「屠らる」は擴げらるとあり、殺されし時は皮の擴げられまたはそれにて床を爲すの意なりといふ。
Office Murakami