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ヨナ書の日本語訳を明治(大正)・昭和の時代に沿って読み比べてみました |
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明治訳は英国聖書會社「舊約全書」(明治三十九年発行)による文語訳です。 |
大正訳は日本聖書協會「舊約聖書」(大正六年)による文語訳です。明治訳と本文は同じです(書名は「出埃及記→出エジプト記」「利未記→レビ記」と変わります) |
昭和訳は日本聖書協会「新約聖書」(昭和二十九年)による口語訳です。 |
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明治(大正)訳は漢字・送り仮名・ルビとも明治(大正)時代そのままの形を復刻できるように努めました。シフトJISにない漢字はUnicodeで捜しました。 |
明治(大正)・昭和訳を一節ずつ縦に並べて記すことで時代に沿った訳の変化を読み取れるようにしました。 |
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<約拿書>舊約全書(明治訳:文語訳)= |
<ヨナ書>舊約聖書(大正訳:文語訳) |
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<ヨナ書>新約聖書(昭和訳:口語訳) |
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☞1章 |
1章 |
一 ヱホバの言アミタイの子ヨナに臨めり いはく |
☞2章 |
一 主の言葉がアミッタイの子ヨナに臨んで言った、 |
☞3章 |
二 起てかの大なる邑ニネベに往きこれを呼はり責めよ そは其惡わが前に上り來ればなりと |
☞4章 |
二 「立って、あの大きな町ニネベに行き、これに向かって呼ばわれ。彼らの悪がわたしの前に上ってきたからである」。 |
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三 しかるにヨナはヱホバの面をさけてタルシシへ逃れんと起てヨツパに下り行けるが機しもタルシシへ往く舟に遇ければその價値を給へヱホバの面をさけて偕にタルシシヘ行んとてその舟に乘れり |
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三 しかしヨナは主の前を離れてタルシシへのがれようと、立ってヨッパに下って行った。ところがちょうど、タルシシへ行く船があったので、船賃を払い、主の前を離れて、人々と共にタルシシへ行こうと船に乗った。 |
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四 時にヱホバ大風を海の上に起したまひて烈しき颶風海にありければ舟は幾んど破れんとせり |
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四 時に、主は大風を海の上に起されたので、船が破れるほどの激しい暴風が海の上にあった。 |
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五 かゝりしかば船夫恐れて各おのれの~を呼び又舟を輕くせんとてその中なる載荷を海に投すてたり 然るにヨナは舟の奧に下りゐて臥て酣睡せり |
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五 それで水夫たちは恐れて、めいめい自分の神を呼び求め、また船を軽くするため、その中の積み荷を海に投げ捨てた。しかし、ヨナは船の奥に下り、伏して熟睡していた。 |
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六 船長來りて彼に云けるは汝なんぞかく酣睡するや起て汝の~を呼べあるひは彼われらを眷顧て淪亡ざらしめんと |
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六 そこで船長は来て、彼に言った、「あなたはどうして眠っているのか。起きて、あなたの神に呼ばわりなさい。神があるいは、われわれを顧みて、助けてくださるだろう」。 |
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七 かくて人衆互に云けるは此災の我儕にのぞめるは誰の故なるかを知んがため去來鬮を掣んと やがて鬮をひきしに鬮ヨナに當りければ |
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七 やがて人々は互に言った、「この災がわれわれに臨んだのは、だれのせいか知るために、さあ、くじを引いてみよう」。そして彼らが、くじを引いたところ、くじはヨナに当った。 |
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八 みな彼に云けるはこの災禍なにゆゑに我らにのぞめるか 請ふ吿げよ汝の業は何なるや何處より來れるや汝の國は何處ぞや何處の民なるや |
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八 そこで人々はヨナに言った、「この災がだれのせいで、われわれに臨んだのか、われわれに告げなさい。あなたの職業は何か。あなたはどこから来たのか。あなたの国はどこか。あなたはどこの民か」。 |
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九 ヨナ彼等にいひけるは我はヘブル人にして海と陸とを造りたまひし天の~ヱホバを畏るゝ者なり |
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九 ヨナは彼らに言った、「わたしはヘブルびとです。わたしは海と陸とをお造りになった天の神、主を恐れる者です」。 |
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一〇 是に於て船夫甚だしく懼れて彼に云けるは汝なんぞ其事をなせしやと その人々はかれがヱホバの面をさけて逃れしなるを知れり 其はさきにヨナ彼等に吿たればなり |
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一〇 そこで人々ははなはだしく恐れて、彼に言った、「あなたはなんたる事をしてくれたのか」。人々は彼がさきに彼らに告げた事によって、彼が主の前を離れて、のがれようとしていた事を知っていたからである。 |
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一一 遂に船夫彼にいひけるは我儕のために海を靜かにせんには汝に如何がなすべきや 其は海いよいよ甚だしく狂蕩たればなり |
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一一 人々は彼に言った、「われわれのために海が静まるには、あなたをどうしたらよかろうか」。それは海がますます荒れてきたからである。 |
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一二 ヨナ彼等に曰けるはわれを取りて海に投いれよ さらば海は汝等の爲に靜かにならん そはこの大なる颶風の汝等にのぞめるはわが故なるを知ればなり |
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一二 ヨナは彼らに言った、「わたしを取って海に投げ入れなさい。そうしたら海は、あなたがたのために静まるでしょう。わたしにはよくわかっています。この激しい暴風があなたがたに臨んだのは、わたしのせいです」。 |
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一三 されど船夫は陸に漕もどさんとつとめたりしが終にあたはざりき 其は海かれらにむかひていよいよ烈しく蕩たればなり |
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一三 しかし人々は船を陸にこぎもどそうとつとめたが、成功しなかった。それは海が彼らに逆らって、いよいよ荒れたからである。 |
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一四 こゝにおいて彼等ヱホバに呼はりて曰けるはヱホバよこひねがはくは此人の命の爲に我儕を滅亡したまふ勿れ 又罪なきの血を我らに歸し給ふなかれ そはヱホバよ汝聖意にかなふところを爲し給へるなればなりと |
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一四 そこで人々は主に呼ばわって言った、「主よ、どうぞ、この人の生命のために、われわれを滅ぼさないでください。また罪なき血を、われわれに帰しないでください。主よ、これはみ心に従って、なされた事だからです」。 |
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一五 すなはちヨナを取りて海に投入たり しかして海のあるゝことやみぬ |
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一五 そして彼らはヨナを取って海に投げ入れた。すると海の荒れるのがやんだ。 |
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一六 かゝりしかばその人々おほいにヱホバを畏れヱホバに犧牲を獻げ誓願を立たり |
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一六 そこで人々は大いに主を恐れ、犠牲を主にささげて、誓願を立てた。 |
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一七 さてヱホバすでに大なる魚を備へおきてヨナを呑しめたまへり ヨナは三日三夜魚の腹の中にありき |
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一七 主は大いなる魚を備えて、ヨナをのませられた。ヨナは三日三夜その魚の腹の中にいた。 |
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2章 |
一 ヨナ魚の腹の中よりその~ヱホバに祈禱て |
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一 主は大いなる魚を備えて、ヨナをのませられた。ヨナは三日三夜その魚の腹の中にいた。 |
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二 曰けるはわれ患難の中よりヱホバを呼びしに彼われにこたへたまへり われ陰府の腹の中より呼はりしに汝わが聲を聽たまへり |
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二 ヨナは魚の腹の中からその神、主に祈って、 |
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三 汝我を淵のうち海の中心に投いれたまひて海の水我を環り汝の波濤と巨浪すべて我上にながる |
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三 言った、「わたしは悩みのうちから主に呼ばわると、主はわたしに答えられた。わたしが陰府の腹の中から叫ぶと、あなたはわたしの声を聞かれた。 |
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四 われ曰けるは我なんぢの目の前より逐れたれども復汝の聖殿を望まん |
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四 あなたはわたしを淵の中、海のまん中に投げ入れられた。大水はわたしをめぐり、あなたの波と大波は皆、わたしの上を越えて行った。 |
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五 水われを環りて魂にも及ばんとし淵我をとりかこみ海草わが頭に纒へり |
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五 わたしは言った、『わたしはあなたの前から追われてしまった、どうして再びあなたの聖なる宮を望みえようか』。 |
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六 われ山の根基にまで下れり地の關木いつも我うしろにありき しかるに我~ヱホバよ汝はわが命を深き穴より救ひあげたまへり |
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六 水がわたしをめぐって魂にまでおよび、淵はわたしを取り囲み、海草は山の根元でわたしの頭にまといついた。 |
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七 わが靈魂衷に弱りし時我ヱホバをおもへり しかしてわが祈なんぢに至りなんぢの聖殿におよべり |
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七 わたしは地に下り、地の貫の木はいつもわたしの上にあった。しかしわが神、主よ、あなたはわが命を穴から救いあげられた。 |
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八 いつはりなる虛き者につかふるものは自己の恩たる者を棄つ |
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八 わが魂がわたしのうちに弱っているとき、わたしは主をおぼえ、わたしの祈はあなたに至り、あなたの聖なる宮に達した。 |
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九 されど我は感謝の聲をもて汝に献祭をなし 又わが誓願をなんぢに償さん 救はヱホバより出るなりと |
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九 むなしい偶像に心を寄せる者は、そのまことの忠節を捨てる。 |
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一〇 ヱホバ其魚に命じたまひければヨナを陸に吐出せり |
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一〇 しかしわたしは感謝の声をもって、あなたに犠牲をささげ、わたしの誓いをはたす。救は主にある」。 |
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3章 |
一 ヱホバの言ふたゝびヨナに臨めり曰く |
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一 時に主の言葉は再びヨナに臨んで言った、 |
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二 起てかの大なる府ニネベに往きわが汝に命ずるところを宣よ |
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二 「立って、あの大きな町ニネベに行き、あなたに命じる言葉をこれに伝えよ」。 |
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三 ヨナすなはちヱホバの言に循ひて起てニネベに往りニネベは甚だ大なる邑にしてこれをめぐるに三日を歷る程なり |
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三 そこでヨナは主の言葉に従い、立って、ニネベに行った。ニネベは非常に大きな町であって、これを行きめぐるには、三日を要するほどであった。 |
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四 ヨナその邑に入はじめ一日路を行つゝ呼はり曰けるは四十日を歷ばニネベは滅亡さるべし |
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四 ヨナはその町にはいり、初め一日路を行きめぐって呼ばわり、「四十日を経たらニネベは滅びる」と言った。 |
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五 かゝりしかばニネベの人々~を信じ斷食を宣れ大なる者より小き者に至るまでみな麻布を衣たり |
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五 そこでニネベの人々は神を信じ、断食をふれ、大きい者から小さい者まで荒布を着た。 |
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六 この言ニネベの王に聞えければ彼位より起ち朝服を脫ぎ麻布を身に纏ふて灰の中に坐せり |
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六 このうわさがニネベの王に達すると、彼はその王座から立ち上がり、朝服を脱ぎ、荒布をまとい、灰の中に座した。 |
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七 また王大臣とともに命をくだしてニネベ中に宣しめて曰く人も畜も牛も羊もともに何をも味ふべからず又物をくらひ水を飮べからず |
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七 また王とその大臣の布告をもって、ニネベ中にふれさせて言った、「人も獣も牛も羊もみな、何をも味わってはならない。物を食い、水を飲んではならない。 |
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八 人も畜も麻布をまとひ只管~に呼はり且おのおの其惡き途および其手に作す邪惡を離るべし |
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八 人も獣も荒布をまとい、ひたすら神に呼ばわり、おのおのその悪い道およびその手にある強暴を離れよ。 |
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九 或は~その聖旨をかへて悔い其烈しき怒を息てわれらを滅亡さゞらん誰かその然らざるを知んや |
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九 あるいは神はみ心をかえ、その激しい怒りをやめて、われわれを滅ぼされないかもしれない。だれがそれを知るだろう」。 |
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一〇 ~かれらの爲すところをかんがみ其あしき途を離るゝを見そなはし彼等になさんと言し所の災禍を悔てこれをなしたまはざりき |
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一〇 神は彼らのなすところ、その悪い道を離れたのを見られ、彼らの上に下そうと言われた災を思いかえして、これをおやめになった。 |
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4章 |
一 ヨナこの事を甚だ惡しとして烈く怒り |
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一 ところがヨナはこれを非常に不快として、激しく怒り、 |
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二 ヱホバに祈りて曰けるはヱホバよ我なは本國にありし時斯あらんと曰しに非ずやさればこそ前にタルシシへ逃れたるなれ其は我汝は矜恤ある~憐憫あり怒ること遲く慈悲深くして災禍を悔たまふものなりと知ばなり |
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二 主に祈って言った、「主よ、わたしがなお国におりました時、この事を申したではありませんか。それでこそわたしは、急いでタルシシにのがれようとしたのです。なぜなら、わたしはあなたが恵み深い神、あわれみあり、怒ることおそく、いつくしみ豊かで、災を思いかえされることを、知っていたからです。 |
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三 ヱホバよ願くは今わが命を取たまへ其は生ることよりも死るかた我に善ればなり |
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三 それで主よ、どうぞ今わたしの命をとってください。わたしにとっては、生きるよりも死ぬ方がましだからです」。 |
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四 ヱホバ曰たまひけるは汝の怒る事いかで宜しからんや |
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四 主は言われた、「あなたの怒るのは、よいことであろうか」。 |
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五 ヨナは邑より出てその東の方に居り己が爲に其處に一の小屋をしつらひその蔭の下に坐して府の如何に成行くかを見る |
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五 そこでヨナは町から出て、町の東の方に座し、そこに自分のために一つの小屋を造り、町のなりゆきを見きわめようと、その下の日陰にすわっていた。 |
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六 ヱホバ~瓢を備へこれをして發生てヨナの上を覆はしめたりこはヨナの首の爲に庇蔭をまうけてその憂を慰めんが爲なりきヨナはこの瓢の木によりて甚だ喜べり |
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六 時に主なる神は、ヨナを暑さの苦痛から救うために、とうごまを備えて、それを育て、ヨナの頭の上に日陰を設けた。ヨナはこのとうごまを非常に喜んだ。 |
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七 されど~あくる日の夜明に虫をそなへて其ひさごを嚙せたまひければ瓢は枯たり |
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七 ところが神は翌日の夜明けに虫を備えて、そのとうごまをかませられたので、それは枯れた。 |
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八 かくて日の出し時~暑き東風を備へ給ひ又日ヨナの首を照しければ彼よわりて心の中に死ることを願ひて言ふ生ることよりも死るかた我に善し |
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八 やがて太陽が出たとき、神が暑い東風を備え、また太陽がヨナの頭を照したので、ヨナは弱りはて、死ぬことを願って言った、「生きるよりも死ぬ方がわたしにはましだ」。 |
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九 ~またヨナに曰たまひけるは瓢の爲に汝のいかる事いかで宜しからんや彼曰けるはわれ怒りて死るともよろし |
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九 しかし神はヨナに言われた、「とうごまのためにあなたの怒るのはよくない」。ヨナは言った、「わたしは怒りのあまり狂い死にそうです」。 |
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一〇 ヱホバ曰たまひけるは汝は勞をくはへず生育ざる比の一夜に生じて一夜に亡びし瓢を惜めり |
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一〇 主は言われた、「あなたは労せず、育てず、一夜に生じて、一夜に滅びたこのとうごまをさえ、惜しんでいる。 |
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一一 まして十二萬餘の右左を辨へざる者と許多の家畜とあるこの大なる府ニネベをわれ惜まざらんや |
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一一 ましてわたしは十二万あまりの、右左をわきまえない人々と、あまたの家畜とのいるこの大きな町ニネベを、惜しまないでいられようか」。 |
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Office Murakami |