四つの福音書による一つのイエス物語324
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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324
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トマスに見ないで信じることを教える
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
20;24〜29
第二〇章二四〜二九節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
約翰傳iケ書第二〇章
二四 イエス來しとき十二の弟子の一人なるデドモと稱るトマス彼等と偕に在ざりき
二五 是故に他の弟子かれに曰けるは我主を見たりトマス彼等に曰けるは我もし其手に釘の跡を見わが指を釘の迹に探わが手を其脅に探に非ずば信ぜじ
二六 八日を越し後また弟子たち室の內に在けるがトマスも彼等と偕に在り門を閉たるにイエス來て其中に立て曰けるは爾曹安かれ
二七 遂にトマスに曰けるは爾の指を此に伸て我手を見なんぢの手を伸て我脅にさせ信ぜざる勿れ信ぜよ
二八 トマス答て彼に曰けるは我主よ我~
二九 イエス彼に曰けるは爾われを見しに因て信ず見ずして信ずるなり
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
ヨハネ傳iケ書第二〇章
二四 イエス來り給ひしとき、十二弟子の一人デドモと稱ふるトマスともに居らざりしかば、
二五 他の弟子これに言ふ『われら主を見たり』トマスいふ『我はその手に釘の痕を見、わが指を釘の痕にさし入れ、わが手をその脅に差入るるにあらずば信ぜじ』
二六 八日ののち弟子等また家にをり、トマスも偕に居りて戶を閉ぢおきしに、イエス來り、彼らの中に立ちて言ひたまふ『平安なんぢらに在れ』
二七 またトマスに言ひ給ふ『なんぢの指をここに伸べて、わが手を見よ、汝の手をのベて、我が脅にさしいれよ、信ぜぬとならで信ずるとなれ』
二八 トマス答へて言ふ『わが主よ、わが~よ』
二九 イエス言ひ給ふ『なんぢ我を見しによりて信じたり、見ずして信ずるは幸なり』
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
ヨハネによる福音書第二〇章
二四 十二弟子のひとりで、デドモと呼ばれているトマスは、イエスがこられたとき、彼らと一緒にいなかった。
二五 ほかの弟子たちが、彼に「わたしたちは主にお目にかかった」と言うと、トマスは彼らに言った、「わたしは、その手に釘あとを見、わたしの指をその釘あとにさし入れ、また、わたしの手をそのわきにさし入れてみなければ、決して信じない」。
二六 八日ののち、イエスの弟子たちはまた家の内におり、トマスも一緒にいた。戸はみな閉ざされていたが、イエスがはいってこられ、中に立って「安かれ」と言われた。
二七 それからトマスに言われた、「あなたの指をここにつけて、わたしの手を見なさい。手をのばしてわたしのわきにさし入れてみなさい。信じない者にならないで、信じる者になりなさい」。
二八 トマスはイエスに答えて言った、「わが主よ、わが神よ」。
二九 イエスは彼に言われた、「あなたはわたしを見たので信じたのか。見ないで信ずる者は、さいわいである」。
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