四つの福音書による一つのイエス物語321
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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321
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番兵うそ言いふらす
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
28;11〜15
第二八章一一〜一五節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
馬太傳iケ書第二八章
十一 婦の去しのも守兵のうち或ども城に至り凡て有し事を祭司の長等にしかば
十二 彼等と長老あつまりて共に議おほくの銀子を兵卒に給て曰けるは
十三 爾曹いへ我が寢たる時その弟子夜きたりて彼を竊りと
十四 此事もし方伯に聞るとも我かれに勸て爾曹に憂慮なからしめん
十五 かれら銀子を取て囑められたる如したりし是に於て此の如き話今日に至るまでユダヤ人の中に傳播られたり
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
マタイ傳iケ書第二八章
一一 女たちの往きたるとき、よ、番兵のうちの數人、にいたり、凡て有りし事どもを祭司長らにぐ。
一二 祭司長ら、長老らと共に集りて相議り、兵卒どもに多くの銀を與へて言ふ、
一三 『なんぢら言へ「その弟子ら夜きたりて、我らの眠れる間に彼を盜めり」と。
一四 この事もし總督に聞えなば、我ら彼を宥めて汝らに憂なからしめん』
一五 彼ら銀をとりて言ひ含められたる如く爲たれば、此の話ユダヤ人の中にひろまりて、今日に至れり
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
マタイによる福音書第二八章
一一 女たちが行っている間に、番人のうちのある人々が都に帰って、いっさいの出来事を祭司長たちに話した。
一二 祭司長たちは長老たちと集まって協議をこらし、兵卒たちにたくさんの金を与えて言った、
一三 「『弟子たちが夜中にきて、われわれの寝ている間に彼を盗んだ』と言え。
一四 万一このことが総督の耳にはいっても、われわれが総督に説いて、あなたがたに迷惑が掛からないようにしよう」。
一五 そこで、彼らは金を受け取って、教えられたとおりにした。そしてこの話は、今日に至るまでユダヤ人の間にひろまっている。
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