四つの福音書による一つのイエス物語316
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
*
316
*
葬られる
*
上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
15;42〜47 27;57〜61 23;50〜56 19;38〜42
第一五章四二〜四七節 第二七章五七〜六一節 第二三章五〇〜五六節 第一九章三八〜四二節
*
英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
馬可傳iケ書第一五章
四二 是日は備日にて安息日の前の日なりし故
四三 日暮るとき尊き議員なるアリマタヤのヨセフと云るきたれり此人は~の國を慕るなり彼はからずピラトに往てイエスの屍を求たり
四四 ピラト イエスの已に死るを奇み百人の長を呼て彼は死てより時を經たるや否やを問
四五 百夫の長より聞て之をしり屍をヨセフに予ふ
四六 ヨセフ布を買求め而してイエスを取下し之をその布にてみ磐に鑿たる墓におき石を墓の門に轉し置り
四七 マグダラのマリア及ヨセの母なるマリア其屍を葬し處を見たり
馬太傳iケ書第二七章
五七 日くれてイエスの弟子なるヨセフと云るアリマタヤの富人きたりてピラトに往イエスの屍を請しかば
五八 ピラトその屍を付せと命ず
五九 ヨセフ屍を取て潔き布に裏み
六十 之を磐に鑿たる己が新しき墓におき大なる石を墓の門に轉して去
六一 マダダラのマリアと他のマリアと墓に對て坐し其處に居り
路加傳iケ書第二三章
五十 議員たるヨセフと云る善かつ義なる人あり
五一 彼等の評議と行爲を肯はざりき是はユダヤのアリマタヤの邑の人にて~の國を慕るなり
五二 此人ピラトに往イエスの屍を乞て
五三 之を取下し布にていまだ人を葬し事なき石の鑿たる墓に置り
五四 此日は備日なり且安息日近きぬ
五五 ガリラヤよりイエスと偕に來りし婦たち後に隨ひて其墓と屍の置れたる狀を見たり
五六 彼等かへりて香物と香膏を備へ置て誡に從ひ安息日を休めり
約翰傳iケ書第一九章
三八 是後アリマタヤのヨセフと云るにて前にユダヤ人を懼て隱にイエスの弟子となれるイエスの屍を取んとてピラトに求ピラト之を許しに因きたりて其屍を取り
三九 またに夜間イエスに就しニコデモといふ人沒藥と蘆を和おほよそ百斤ばかり携來る
四十 彼等ィェスの屍を取てユダヤ人の葬の例に循ひ之を布と香にて
四一 さて十字架に釘し其近傍に園あり園の中に未だ人を葬りし事なき新き墓あり
四二 是日はユダヤ人の筵の備日なり又墓近かりければ其處にイエスを置り
*
日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
マルコ傳iケ書第一五章
四二 日旣に暮れて、準備日、ち安息日の前の日となりたれば、
四三 貴き議員にして、~の國を待ち望める、アリマタヤのヨセフ來りて、憚らずピラトの許に往き、イエスの屍體を乞ふ。
四四 ピラト、イエスは早や死にしかと訝り、百卒長を呼びて、その死にしより時經しや否やを問ひ、
四五 旣に死にたる事を百卒長より聞き知りて、屍體をヨセフに與ふ。
四六 ヨセフ亞麻布を買ひ、イエスを取下して之に包み、岩に鑿りたる墓に納め、墓の入口に石を轉ばし置く。
四七 マグダラのマリヤとヨセの母マリヤとイエスを納めし處を見ゐたり。
マタイ傳iケ書第二七章
五七 日暮れて、ヨセフと云ふアリマタヤの富める人きたる。彼もイエスの弟子なるが、
五八 ピラトに往きてイエスの屍體を請ふ。ここにピラト之を付すことを命ず。
五九 ヨセフ屍體をとりて淨き亞麻布につつみ、
 岩にほりたる己が新しき墓に納め、墓の入口に大なる石を轉ばしおきて去りぬ。
六一 其處にはマグダラのマリヤと他のマリヤと墓に向ひて坐しゐたり.
ルカ傳iケ書第二三章
 議員にして善かつ義なるヨセフといふ人あり。
五一 ─この人はかの評議と仕業とに與せざりき─ユダヤの町なるアリマタヤのにて、~の國を待ちのぞめり。
五二 此の人ピラトの許にゆき、イエスの屍體を乞ひ、
五三 これを取りおろし亞麻布にて包み巖に鑿りたる、未だ人を葬りし事なき墓に納めたり。
五四 この日は準備日なり、かつ安息日近づきぬ。
五五 ガリラヤよりイエスと共に來りし女たち後に從ひ、その墓と屍體の納められたる樣とを見、
五六 歸りて香料と香油とを備ふ。斯て誡命に遵ひて、安息日を休みたり。
ヨハネ傳iケ書第一九章
三八 この後、アリマタヤのヨセフとてユダヤ人を懼れ、密にイエスの弟子たりし、イエスの屍體を引取らんことをビラトに請ひたれば、ピラト許せり、乃ち往きてその屍體を引取る。
三九 また曾て夜、御許に來りしニコデモも、沒藥沈香の混和物を百斤ばかり携へて來る。
 ここに彼らイエスの屍體をとり、ユダヤ人の葬りの習慣にしたがひて、香料とともに布にて卷けり。
四一 イエスの十字架につけられ給ひし處に園あり、園の中にいまだ人を葬りしことなき新しき墓あり。
四二 ユダヤ人の準備日なれば『この墓の近きままに其處にイエスを納めたり。
*
日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
マルコによる福音書第一五章
四二 さて、すでに夕がたになったが、その日は準備の日、すなわち安息日の前日であったので、
四三 アリマタヤのヨセフが大胆にもピラトの所へ行き、イエスのからだの引取りかたを願った。彼は地位の高い議員であって、彼自身、神の国を待ち望んでいる人であった。
四四 ピラトは、イエスがもはや死んでしまったのかと不審に思い、百卒長を呼んで、もう死んだのかと尋ねた。
四五 そして、百卒長から確かめた上、死体をヨセフに渡した。
四六 そこで、ヨセフは亜麻布を買い求め、イエスをとりおろして、その亜麻布に包み、岩を掘って造った墓に納め、墓の入口に石をころがしておいた。
四七 マグダラのマリヤとヨセの母マリヤとは、イエスが納められた場所を見とどけた。
マタイによる福音書第二七章
五七 夕方になってから、アリマタヤの金持で、ヨセフという名の人がきた。彼もまたイエスの弟子であった。
五八 この人がピラトの所へ行って、イエスのからだの引取りかたを願った。そこで、ピラトはそれを渡すように命じた。
五九 ヨセフは死体を受け取って、きれいな亜麻布に包み、
六〇 岩を掘って造った彼の新しい墓に納め、そして墓の入口に大きい石をころがしておいて、帰った。
六一 マグダラのマリヤとほかのマリヤとが、墓にむかってそこにすわっていた。
ルカによる福音書第二三章
五〇 ここに、ヨセフという議員がいたが、善良で正しい人であった。
五一 この人はユダヤの町アリマタヤの出身で、神の国を待ち望んでいた。彼は議会の議決や行動には賛成していなかった。
五二 この人がピラトのところへ行って、イエスのからだの引取り方を願い出て、
五三 それを取りおろして亜麻布に包み、まだだれも葬ったことのない、岩を掘って造った墓に納めた。
五四 この日は準備の日であって、安息日が始まりかけていた。
五五 イエスと一緒にガリラヤからきた女たちは、あとについてきて、その墓を見、またイエスのからだが納められる様子を見とどけた。
五六 そして帰って、香料と香油とを用意した。それからおきてに従って安息日を休んだ。
ヨハネによる福音書第一九章
三八 そののち、ユダヤ人をはばかって、ひそかにイエスの弟子となったアリマタヤのヨセフという人が、イエスの死体を取りおろしたいと、ピラトに願い出た。ピラトはそれを許したので、彼はイエスの死体を取りおろしに行った。
三九 また、前に、夜、イエスのみもとに行ったニコデモも、没薬と沈香とをまぜたものを百斤ほど持ってきた。
四〇 彼らは、イエスの死体を取りおろし、ユダヤ人の埋葬の習慣にしたがって、香料を入れて亜麻布で巻いた。
四一 イエスが十字架にかけられた所には、一つの園があり、そこにはまだだれも葬られたことのない新しい墓があった。
四二 その日はユダヤ人の準備の日であったので、その墓が近くにあったため、イエスをそこに納めた。
Office Murakami