四つの福音書による一つのイエス物語315
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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315
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イエスの死を見守る人々がいた
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
15;39〜41 27;54〜56 23;47〜49 19;25〜27
第一五章三九〜四一節 第二七章五四〜五六節 第二三章四七〜四九節 第一九章二五〜二七節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
馬可傳iケ書第一五章
三九 イエスに對て立たる百夫の長かく呼り氣絶しを見て曰けるは誠に此人は~の子なり
四十 また遙に望ゐたる婦ありし其中に在しはマグダラのマリアおよび年少ヤコブとヨセの母なるマリア又サロメなり
四一 彼等はイエスのガリラヤに居たまひし時これに從ひ事し等なり亦この他にも彼と共にエルサレムに上りし多の婦ゐたりき
馬太傳iケ書第二七章
五四 百夫の長と偕にイエスを守たるもの地震および其有し事を見て甚く懼れ此は誠に~の子なりと曰り
五五 此處に遙に望ゐたる多の婦ありし彼等はガリラヤよりイエスに從ひ事し等なり
五六 其中に居しはマグダラのマリアとヤコブ ヨセの母なるマリアとゼベダイの子等の母と也
路加傳iケ書第二三章
四七 百夫の長この成し事を見て~を崇め曰けるは誠に此人は義人なりき
四八 之を觀んとて聚れる衆人みな此ありし事等を見て膺をて返れり
四九 イエスの相識の人およびガリラヤより隨ひし婦ども遠く立て此等の事を見たり
約翰傳iケ書第一九章
二五 イエスの母と母の妹およびクロパの妻のマリアマグダラのマリアその十字架の旁に立り
二六 イエス母と愛する所の弟子と旁に立るを見て母に曰けるは婦よ此なんぢの子なり
二七 また弟子に曰けるは此なんぢの母なり是時その弟子かれを己の家に携往り
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
マルコ傳iケ書第一五章
三九 イエスに向ひて立てる百卒長、かかる樣にて息え給ひしを見て言ふ『實にこの人は~の子なりき』
 また遙に望み居たる女等あり、その中にはマグダラのマリヤ、小ヤコブとヨセとの母マリヤ及びサロメなども居たり。
四一 彼らはイエスのガリラヤに居給ひしとき、從ひ事へしどもなり。此の他イエスと共にエルサレムに上りし多くの女もありき。
マタイ傳iケ書第二七章
五四 百卒長および之と共にイエスを守りゐたるども、地震とその有りし事とを見て、甚く懼れ『實に彼は~の子なりき』と言へり。
五五 その處にて遙に望みゐたる多くの女あり、イエスに事へてガリラヤより從ひ來りしどもなり。
五六 その中には、マグダラのマリヤ、ヤコブとヨセフとの母マリヤ及びゼベダイの子らの母などもゐたり。
ルカ傳iケ書第二三章
四七 百卒長この有りし事を見て、~を崇めて言ふ『實にこの人は義人なりき』
四八 これを見んとて集りたる群衆も、ありし事どもを見てみな胸を打ちつつ歸れり。
四九 凡てイエスの相識のおよびガリラヤより從ひ來れる女たちも遙に立ちて此等のことを見たり。
ヨハネ傳iケ書第一九章
二五 さてイエスの十字架の傍らには、その母と母の妹と、クロパの妻マリヤとマグダラのマリヤと立てり。
二六 イエスその母とその愛する弟子との近く立てるを見て、母に言ひ給ふ『をんなよ、よ、なんぢの子なり』
二七 また弟子に言ひたまふ『よ、なんぢの母なり』この時より、その弟子かれを己が家に接けたり。
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
マルコによる福音書第一五章
三九 イエスにむかって立っていた百卒長は、このようにして息をひきとられたのを見て言った、「まことに、この人は神の子であった」。
四〇 また、遠くの方から見ている女たちもいた。その中には、マグダラのマリヤ、小ヤコブとヨセとの母マリヤ、またサロメがいた。
四一 彼らはイエスがガリラヤにおられたとき、そのあとに従って仕えた女たちであった。なおそのほか、イエスと共にエルサレムに上ってきた多くの女たちもいた。
マタイによる福音書第二七章
五四 百卒長、および彼と一緒にイエスの番をしていた人々は、地震や、いろいろのできごとを見て非常に恐れ、「まことに、この人は神の子であった」と言った。
五五 また、そこには遠くの方から見ている女たちも多くいた。彼らはイエスに仕えて、ガリラヤから従ってきた人たちであった。
五六 その中には、マグダラのマリヤ、ヤコブとヨセフとの母マリヤ、またゼベダイの子たちの母がいた。
ルカによる福音書第二三章
四七 百卒長はこの有様を見て、神をあがめ、「ほんとうに、この人は正しい人であった」と言った。
四八 この光景を見に集まってきた群衆も、これらの出来事を見て、みな胸を打ちながら帰って行った。
四九 すべてイエスを知っていた者や、ガリラヤから従ってきた女たちも、遠い所に立って、これらのことを見ていた。
ヨハネによる福音書第一九章
二五 さて、イエスの十字架のそばには、イエスの母と、母の姉妹と、クロパの妻マリヤと、マグダラのマリヤとが、たたずんでいた。
二六 イエスは、その母と愛弟子とがそばに立っているのをごらんになって、母にいわれた、「婦人よ、ごらんなさい。これはあなたの子です」。
二七 それからこの弟子に言われた、「ごらんなさい。これはあなたの母です」。そのとき以来、この弟子はイエスの母を自分の家に引きとった。
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