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四つの福音書による一つのイエス物語312 |
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マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました |
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます |
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています |
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました |
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312 |
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十字架の上で嘲られる |
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか |
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ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ |
ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ |
ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ |
ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ |
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馬可傳iケ書 |
馬太傳iケ書 |
路加傳iケ書 |
約翰傳iケ書 |
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マルコ傳iケ書 |
マタイ傳iケ書 |
ルカ傳iケ書 |
ヨハネ傳iケ書 |
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マルコによる福音書 |
マタイによる福音書 |
ルカによる福音書 |
ヨハネによる福音書 |
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15;25〜32 |
27;37〜44 |
23;35〜43 |
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第一五章二五〜三二節 |
第二七章三七〜四四節 |
第二三章三五〜四三節 |
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう |
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馬可傳iケ書第一五章 |
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二五 朝の第九時にイエスを十字架に釘 |
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二六 その罪標をユダヤ人の王と書つく |
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二七 二人の盜賊かれと共に一人は其右一人は其左に十宇架に釘らる |
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二八 これ聖書に彼は罪人と共に算られたりと云しに應り |
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二九 往來の者イエスを詬り首を搖て曰けるは噫聖殿を毀て之を三日に建る者よ |
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三十 自己を效て十字架を下よ |
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三一 祭司の長學者等も同く嘲弄して互に曰けるは人を救て自己を救ひ能ず |
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三二 イスラエルの王キリストは今十字架より下るべし然ば我儕見て之を信ぜん又ともに十字架に釘られたる者等も彼を詬れり |
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馬太傳iケ書第二七章 |
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三七 また罪標に此はユダヤ人の王イエスなりと書して其首の上に置り |
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三八 其とき二人の盜賊イエスと偖に一人は其右一人は其左に十字架に釘らる |
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三九 往來の者イエスを詈り首を搖て曰けるは |
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四十 殿を毀ちて三日に之を建る者よ自己を救へ爾もし~の子ならば十字架より下よ |
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四一 祭司の長學者長老等も亦おなじく嘲弄して曰けるは |
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四二 人を救て己が身を救あたはず若イスラエルの王たらば今十字架より下るべし然ば我儕かれを信ぜん |
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四三 彼は~に依ョめり~もし彼を愛しまば今救ふべし蓋かれ我は~の子なりと云し也 |
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四四 同に十字架に釘られたる盜賊も同くイエスを詈れり |
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路加傳iケ書第二三章 |
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三五 人々立てイエスを見たり有司も亦嘲哂ふて曰けるは彼は他人を救へり若キリスト~の選たる者ならば自己を救べし |
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三六 兵卒も亦かれを嘲弄し來り酢を予て |
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三七 爾もしユダヤ人の王ならば自己を救へと曰り |
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三八 又ギリシヤ ロマ ヘブルの文字にて此はユダヤ人の王なりと書る罪標を其上に建たり |
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三九 懸られたる罪人の一人イエスを譏て曰けるは爾もしキリストならば己と我儕を救へ |
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四十 他の一人こたへて彼を責め曰けるは爾おなじく審判を受ながら~を畏ざる乎 |
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四一 我儕は當然なり行との報を受なれど此人は何も不是事は行ざりし也 |
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四二 斯てイエスに曰けるは主よ爾國に來ん時我を憶たまへ |
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四三 イエス答けるは誠に我なんぢに吿ん今日なんぢは我と偕に樂園に在べし |
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう |
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マルコ傳iケ書第一五章 |
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二五 イエスを十字架につけしは、朝の九時頃なりき。 |
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二六 その罪標には『ユダヤ人の王』と書せり。 |
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二七 イエスと共に、二人の强盜を十字架につけ、一人をその右に、一人をその左に置く。 |
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二八 |
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二九 往來の者どもイエスを譏り、首を振りて言ふ『ああ宮を毀ちて三日のうちに建つる者よ、 |
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三〇 十字架より下りて己を救へ』 |
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三一 祭司長らも亦同じく學者らと共に嘲弄して互に言ふ『人を救ひて、己を救ふこと能はず、 |
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三二 イスラエルの王キリスト、いま十守架より下りよかし、然らば我ら見て信ぜん』共に十字架につけられたる者どもも、イエスを罵りたり。 |
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マタイ傳iケ書第二七章 |
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三七 その首の上に『これはユダヤ人の王イエスなり』と記したる罪標を置きたり。 |
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三八 爰にイエスとともに二人の强盜、十字架につけられ、一人はその右に、一人はその左におかる。 |
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三九 往來の者どもイエスを譏り、首を振りていふ、 |
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四〇 『宮を毀ちて三日のうちに建つる者よ、もし~の子ならば己を救へ、十字架より下りよ』 |
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四一 祭司長らも、また同じく學者・長老らとともに、嘲弄して言ふ、 |
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四二 『人を救ひて己を救ふこと能はず。彼はイスラエルの王なり、いま十字架より下りよかし、然らば我ら彼を信ぜん。 |
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四三 彼は~に依りョめり、~かれを愛しまば今すくひ給ふべし「我は~の子なり」と云へり』 |
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四四 ともに十字架につけられたる强盜どもも、同じ事をもてイエスを罵れり。 |
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ルカ傳iケ書第二三章 |
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三五 民は立ちて見ゐたり。司たちも嘲りて言ふ『かれは他人を救へり、若し~の選び給ひしキリストならば巳をも救へかし』 |
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三六 兵卒どもも嘲弄しつつ近よりて酸き葡萄酒をさし出して言ふ、 |
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三七 『なんぢ若しユダヤ人の王ならば、己を救へ』 |
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三八 又イエスの上には『此はユダヤ人の王なり』との罪標あり。 |
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三九 十字架に懸けられたる惡人の一人、イエスを譏りて言ふ『なんぢはキリストならずや、己と我らとを救へ』 |
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四〇 他の者これに答へ禁めて言ふ『なんぢ同じく罪に定められながら、~を畏れぬか。 |
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四一 我らは爲しし事の報を受くるなれば當然なり。然れど此の人は何の不善をも爲さざりき』 |
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四二 また言ふ『イエスよ、御國に入り給ふとき、我を憶えたまへ』 |
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四三 イエス言ひ給ふ『われ誠に汝に吿ぐ、今日なんぢは我と偕にパラダイスに在るべし』 |
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう |
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マルコによる福音書第一五章 |
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二五 イエスを十字架につけたのは、朝の九時ごろであった。 |
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二六 イエスの罪状書きには「ユダヤ人の王」と、しるしてあった。 |
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二七 また、イエスと共にふたりの強盗を、ひとりを右に、ひとりを左に、十字架につけた。 |
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二八 〔こうして「彼は罪人たちのひとりに数えられた」と書いてある言葉が成就したのである。〕 |
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二九 そこを通りかかった者たちは、頭を振りながら、イエスをののしって言った、「ああ、神殿を打ちこわして三日のうちに建てる者よ、 |
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三〇 十字架からおりてきて自分を救え」。 |
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三一 祭司長たちも同じように、律法学者たちと一緒になって、かわるがわる嘲弄して言った、「他人を救ったが、自分自身を救うことができない。 |
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三二 イスラエルの王キリスト、いま十字架からおりてみるがよい。それを見たら信じよう」。また、一緒に十字架につけられた者たちも、イエスをののしった。 |
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マタイによる福音書第二七章 |
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三七 そしてその頭の上の方に、「これはユダヤ人の王イエス」と書いた罪状書きをかかげた。 |
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三八 同時に、ふたりの強盗がイエスと一緒に、ひとりは右に、ひとりは左に、十字架につけられた。 |
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三九 そこを通りかかった者たちは、頭を振りながら、イエスをののしって |
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四〇 言った、「神殿を打ちこわして三日のうちに建てる者よ。もし神の子なら、自分を救え。そして十字架からおりてこい」。 |
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四一 祭司長たちも同じように、律法学者、長老たちと一緒になって、嘲弄して言った、 |
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四二 「他人を救ったが、自分自身を救うことができない。あれがイスラエルの王なのだ。いま十字架からおりてみよ。そうしたら信じよう。 |
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四三 彼は神にたよっているが、神のおぼしめしがあれば、今、救ってもらうがよい。自分は神の子だと言っていたのだから」。 |
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四四 一緒に十字架につけられた強盗どもまでも、同じようにイエスをののしった。 |
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ルカによる福音書第二三章 |
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三五 民衆は立って見ていた。役人たちもあざ笑って言った、「彼は他人を救った。もし彼が神のキリスト、選ばれた者であるなら、自分自身を救うがよい」。 |
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三六 兵卒どももイエスをののしり、近寄ってきて酢いぶどう酒をさし出して言った、 |
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三七 「あなたがユダヤ人の王なら、自分を救いなさい」。 |
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三八 イエスの上には、「これはユダヤ人の王」と書いた札がかけてあった。 |
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三九 十字架にかけられた犯罪人のひとりが、「あなたはキリストではないか。それなら、自分を救い、またわれわれも救ってみよ」と、イエスに悪口を言いつづけた。 |
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四〇 もうひとりは、それをたしなめて言った、「おまえは同じ刑を受けていながら、神を恐れないのか。 |
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四一 お互は自分のやった事のむくいを受けているのだから、こうなったのは当然だ。しかし、このかたは何も悪いことをしたのではない」。 |
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四二 そして言った、「イエスよ、あなたが御国の権威をもっておいでになる時には、わたしを思い出してください」。 |
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四三 イエスは言われた、「よく言っておくが、あなたはきょう、わたしと一緒にパラダイスにいるであろう」。 |
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Office Murakami |