四つの福音書による一つのイエス物語308
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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308
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ユダヤ人たちに引き渡される
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
19;13〜16
第一九章一三〜一六節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
約翰傳iケ書第一九章
十三 ピラト此言を聞てイエスを曳出し鋪石と云る所ヘブルの言にて譯ばガバタと云ところの審判の坐に自ら坐れり
十四 其日は踰越の備日にて時は約そ十二時ごろなりきピラトユダヤ人に曰けるは爾曹の王を見よ
十五 かれら喊叫て之を除け之を除け十字架に釘しと曰ピラト彼等に曰けるは我なんぢらの王を十字架に釘べけんや祭司の長等こたへけるはカイザルの他われらに王なし
十六 遂にピラト彼を十字架に釘しめんとて彼等に付せり是に於て彼等イエスを取て曳往り
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
ヨハネ傳iケ書第一九章
一三 ピラトこれらの言をききてイエスを外にひきゆき、敷石(ヘブル語にてガバタ)といふ處にて審判の座につく。
一四 この日は過越の準備日にて、時は第六時ごろなりき。ピラト、ユダヤ人にいふ『よ、なんぢらの王なり』
一五 かれら叫びていふ『除け、除け、十字架につけよ』ピラト言ふ『われ汝らの王を十字架につくべけんや』祭司長ら答ふ『カイザルの他われらに王なし』
一六 爰にピラト、イエスを十字架に釘くるために彼らに付せり。
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
ヨハネによる福音書第一九章
一三 ピラトはこれらの言葉を聞いて、イエスを外へ引き出して行き、敷石(ヘブル語ではガバタ)という場所で裁判の席についた。
一四 その日は過越の準備の日であって、時は昼の十二時ころであった。ピラトはユダヤ人らに言った、「見よ、これがあなたがたの王だ」。
一五 すると彼らは叫んだ、「殺せ、殺せ、彼を十字架につけよ」。ピラトは彼らに言った、「あなたがたの王を、わたしが十字架につけるのか」。祭司長たちは答えた、「わたしたちには、カイザル以外に王はありません」。
一六 そこでピラトは、十字架につけさせるために、イエスを彼らに引き渡した。彼らはイエスを引き取った。
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