四つの福音書による一つのイエス物語301
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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301
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ピラトに引き渡される
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
15;1 27;1〜2 23;1〜2 18;28
第一五章一節 第二七章一〜二節 第二三章一〜二節 第一八章二八節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
馬可傳iケ書第一五章
一 平旦に及び直に祭司の長長老學者たち凡の議員と共に議てイエスを繫り曳携てピラトに解せり
馬太傳iケ書第二七章
一 平且になりて凡の祭司の長と民の長老ともに謀てイエスを殺さんとし
二 に彼を縛ひきゆきて方伯のポンテオピラトに解せり
路加傳iケ書第二三章
一 衆人みな起てイエスをピラトに携ゆき
二 之を訟いひけるは我この人が民を惑し稅をカイザルに納ることを禁み自ら王なるキリストと稱るを見たり
約翰傳iケ書第一八章
二八 人イエスを曳てカヤパより公廳に往り時すでに平旦なりき彼等汚穢を受んことを恐て公廳に入ず蓋踰越の筵を食せんとすれば也
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
マルコ傳iケ書第一五章
一 夜明るや直ちに、祭司長長老ら、ち全議會ともに相議りて、イエスを縛り曳きゆきて、ビラトに付す。
マタイ傳iケ書第二七章
一 夜明になりて凡ての祭司長民の長老ら、イエスを殺さんと相議り、
二 遂に之を縛り、曳きゆきて總督ピラトに付せり。
ルカ傳iケ書第二三章
一 民衆みな起ちて、イエスをピラトの前に曳きゆき、
二 訴へ出でて言ふ『われら此の人が、わが國の民を惑し、貢をカイザルに納むるを禁じ、かつ自ら王なるキリストと稱ふるを認めたり』
ヨハネ傳iケ書第一八章
二八 斯て人イエスをカヤパの許より官邸にひきゆく、時は夜明なり。彼ら過越の食をなさんために、汚穢を受けじとて己らは官邸に入らず。
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
マルコによる福音書第一五章
一 夜が明けるとすぐ、祭司長たちは長老、律法学者たち、および全議会と協議をこらした末、イエスを縛って引き出し、ピラトに渡した。
マタイによる福音書第二七章
一 夜が明けると、祭司長たち、民の長老たち一同は、イエスを殺そうとして協議をこらした上、
二 イエスを縛って引き出し、総督ピラトに渡した。
ルカによる福音書第二三章
一 群衆はみな立ちあがって、イエスをピラトのところへ連れて行った。
二 そして訴え出て言った、「わたしたちは、この人が国民を惑わし、貢をカイザルに納めることを禁じ、また自分こそ王なるキリストだと、となえているところを目撃しました」。
ヨハネによる福音書第一八章
二八 それから人々は、イエスをカヤパのところから官邸につれて行った。時は夜明けであった。彼らは、けがれを受けないで過越の食事ができるように、官邸にはいらなかった。
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