四つの福音書による一つのイエス物語298
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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298
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人々になぶりものにされる
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
14;65 26;67〜68 22;63〜65
第一四章六五節 第二六章六七〜六八節 第二二章六三〜六五節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
馬可傳iケ書第一四章
六五 或は彼に唾し又その面を掩ひ拳にて擊いひけるは預言せよ亦僕等も手の掌にて彼を批り
馬太傳iケ書第二六章
六七 是に於て彼等その面に唾し且拳にて擊りまた或人かれを批いひけるは
六八 キリストよ爾を撃者は誰か我に預言せよ
路加傳iケ書第二二章
六三 イエスを護れるども嘲弄して彼を撲
六四 某目を掩ひ問て曰けるは爾を撲は誰なるか預言せよ
六五 また多端の事を言て之をれり
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
マルコ傳iケ書第一四章
六五 而して或どもはイエスに唾し、又そのを蔽ひ、拳にて搏ちなど爲始めて言ふ、『預言せよ』下役どもイエスを受け、手掌にてうてり。
マタイ傳iケ書第二六章
六七 ここに彼等その御に唾し拳にて搏ち、或るどもは手掌にて批きて言ふ、
六八 『キリストよ、我らに預言せよ、汝をうちしは誰なるか』
ルカ傳iケ書第二二章
六三 守るどもイエスを嘲弄し、之を打ち、
六四 その目を蔽ひ問ひて言ふ『預言せよ、汝を擊ちしは誰なるか』
六五 この他なほ多くのことを言ひて、譏れり。
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
マルコによる福音書第一四章
六五 そして、ある者はイエスにつばきをかけ、目隠しをし、こぶしでたたいて、「言いあててみよ」と言いはじめた。また下役どもはイエスを引きとって、手のひらでたたいた。
マタイによる福音書第二六章
六七 それから、彼らはイエスの顔につばきをかけて、こぶしで打ち、またある人は手のひらでたたいて言った、
六八 「キリストよ、言いあててみよ、打ったのはだれか」。
ルカによる福音書第二二章
六三 イエスを監視していた人たちは、イエスを嘲弄し、打ちたたき、
六四 目かくしをして、「言いあててみよ。打ったのは、だれか」ときいたりした。
六五 そのほか、いろいろな事を言って、イエスを愚弄した。
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