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四つの福音書による一つのイエス物語297 |
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マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました |
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます |
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています |
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました |
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297 |
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祭司長らの尋問を受ける |
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか |
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ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ |
ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ |
ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ |
ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ |
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馬可傳iケ書 |
馬太傳iケ書 |
路加傳iケ書 |
約翰傳iケ書 |
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マルコ傳iケ書 |
マタイ傳iケ書 |
ルカ傳iケ書 |
ヨハネ傳iケ書 |
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マルコによる福音書 |
マタイによる福音書 |
ルカによる福音書 |
ヨハネによる福音書 |
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14;55〜64 |
26;59〜66 |
22;66〜71 |
18;19〜24 |
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第一四章五五〜六四節 |
第二六章五九〜六六節 |
第二二章六六〜七一節 |
第一八章一九〜二四節 |
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう |
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馬可傳iケ書第一四章 |
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五五 祭司の長および議員みなイエスを殺んとして證を求れども得ず |
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五六 多の人々イエスに妄の證を言出せども其證あはず |
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五七 或人々たちて妄の證を言出しけるは |
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五八 かれ手を以て作たる此聖殿を毀ち三日の間に手を以て作ざる別の殿を建んと言しを我儕は聞り |
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五九 如此いひしが其證また符ず |
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六十 祭司の長中に立てイエスに問いひけるは爾答る言なき乎この人々の爾に立る證據は如何 |
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六一 イエス默然として何も答ざりければ祭司の長また彼に問て曰けるは爾は頌べき者の子キリストなる乎 |
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六二 イエス曰けるは然り人の子大權の右に坐し天の雲の中に現れ來るを爾曹みるべし |
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六三 是に於て祭司の長その衣を裂て曰けるは我儕なんぞ復ほかに證據を求んや |
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六四 その褻瀆たる言は爾曹も聞る所なり爾曹如何に意ふや彼等擧てイエスを死に當るべき者と擬たり |
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馬太傳iケ書第二六章 |
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五九 祭司の長等および長老すべての議員ともにイエスを殺さんとして妄證を求れども得ず |
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六十 多の妄りの證者きたれども亦えず後また妄りの證者二人きたりて曰けるは |
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六一 この人曩に言ることあり我よく~の殿を毀ちて三日の內に之を建うべしと |
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六二 祭司の長たちてイエスに曰けるは爾こたふる言なき乎この人々の爾に立る證據は如何 |
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六三 イエス默然たり祭司の長こたへて彼に曰けるは爾キリスト~の子なるか我なんぢを活~に誓せて之を吿しめん |
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六四イエス彼に曰けるは爾が言る如し且われ爾曹に吿ん此のち人の子大權の右に座し天の雲に乘て來るを爾曹みるべし |
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六五 是に於て祭司の長その衣を裂て曰けるは此人は褻瀆ことを言り何ぞ外に證據を求んや爾曹も今その褻瀆たることを聞 |
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六六 なんぢら如何おもふ乎かれら答て曰けるは彼は死に當れり |
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路加傳iケ書第二二章 |
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六六 平旦に民の長老、祭司の長、學者ども集りてイエスを集議所に曳往て |
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六七 曰けるは爾もしキリストならば我儕に吿よイエス曰けるは假令われ爾曹に言とも信ぜざるべし |
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六八 又たとひ我なんぢらに詰とも答ざるべし |
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六九 今より後人の子は大權ある~の右に坐せん |
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七十 皆いひけるは然ば爾は~の子なるかイエス曰けるは爾曹が言る如く我は是なり |
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七一 彼等いひけるは猶證據を須んや我儕みづから某口より聞り |
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約翰傳iケ書第一八章 |
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十九 祭司の長イエスに其弟子と其教のことを問ぬ |
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二十 イエス彼に答けるは我あらはに世に語れり我つねにユダヤ人の平生あつまる所なる會堂および殿にて教誨をなし隱に語れる事なし |
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二一 何ぞ我に問る乎われ如何かたりしか聽る者に問よ彼等わが言し所を知り |
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二二 イエス如此いひしに旁に立る一人の下吏掌にて彼を打いひけるは爾祭司の長に答るに此の如か |
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二三 イエス彼に答けるは若わが語しこと善らずば其善らざるを證せよ若し善ば何ぞ我を打や |
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二四 偖アンナス イエスを繫て祭司の長カヤパの所に遣れり |
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう |
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マルコ傳iケ書第一四章 |
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五五 さて祭司長ら及び全議會、イエスを死に定めんとて、證據を求むれども得ず。 |
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五六 夫はイエスに對して僞證する者、多くあれども其の證據あはざりしなり。 |
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五七 遂に或者ども起ちて僞證して言ふ、 |
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五八 『われら此の人の「われは手にて造りたる此の宮を毀ち、手にて造らぬ他の宮を三日にて建つべし」と云へるを聞けり』 |
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五九 然れど尙この證據もあはぎりき。 |
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六〇 爰に大祭司、中に立ちイエスに問ひて言ふ『なんぢ何をも答へぬか、此の人々の立つる證據は如何に』 |
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六一 然れどイエス默して何をも答へ給はず。大祭司ふたたび問ひて言ふ『なんぢは頌むべきものの子キリストなるか』 |
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六二 イエス言ひ給ふ『われは夫なり、汝ら人の子の、全能者の右に坐し、天の雲の中にありて來るを見ん』 |
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六三 此のとき大祭司おのが衣を裂きて言ふ『なんぞ他に證人を求めん。 |
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六四 なんぢら此の瀆言を開けり、如何に思ふか』かれら擧りてイエスを死に當るべきものと定む。 |
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マタイ傳iケ書第二六章 |
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五九 祭司長らと全議會と、イエスを死に定めんとて、僞りの證據を求めたるに、 |
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六〇 多くの僞證者いでたれども得ず。後に二人の者いでて言ふ、 |
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六一 『この人は「われ~の宮を毀ち三日にて建て得べし」と言へり』 |
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六二 大祭司たちてイエスに言ふ『この人々が汝に對して立つる證據に何をも答へぬか』 |
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六三 されどイエス默し居給ひたれば、大祭司いふ『われ汝に命ず、活ける~に誓ひて我らに吿げよ、汝はキリスト、~の子なるか』 |
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六四 イエス言ひ給ふ『なんぢの言へる如し。かつ我なんぢらに吿ぐ、今より後、なんぢら人の子の、全能者の右に坐し、天の雲に乘りて來るを見ん』 |
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六五 ここに大祭司おのが衣を裂きて言ふ『かれ瀆言をいへり、何ぞ他に證人を求めん。視よ、なんぢら今この瀆言をきけり。 |
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六六 いかに思ふか』答へて言ふ『かれは死に當れり』 |
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ルカ傳iケ書第二二章 |
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六六 夜明になりて民の長老・祭司長・學者ら相集り、イエスをその議會に曳き出して言ふ、 |
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六七 『なんぢ若しキリストならば、我らに言へ』イエス言ひ給ふ『われ言ふとも汝ら信ぜじ、 |
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六八 又われ問ふとも汝ら答へじ。 |
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六九 然れど人の子は今よりのち~の能力の右に坐せん』 |
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七〇 皆いふ『されば汝は~の子なるか』答へ給ふ『なんぢらの言ふごとく我はそれなり』 |
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七一 彼ら言ふ『何ぞなほ他に證據を求めんや。我ら自らその口より聞けり』 |
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ヨハネ傳iケ書第一八章 |
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一九 ここに大祭司、イエスにその弟子とそのヘとにつきて問ひたれば、 |
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二〇 イエス答へ給ふ『われ公然に世に語れり、凡てのユダヤ人の相集ふ會堂と宮とにて常にヘへ、密には何をも語りし事なし。 |
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二一 何ゆゑ我に問ふか、我が語れることは聽きたる人々に問へ。視よ、彼らは我が言ひしことを知るなり』 |
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二二 斯く言ひ給ふとき傍らに立つ下役の一人、手掌にてイエスを打ちて言ふ『かくも大祭司に答ふるか』 |
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二三 イエス答へ給ふ『わが語りし言、もし惡しくば、その惡しき故を證せよ。善くば何とて打つぞ』 |
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二四 爰にアンナス、イエスを縛りたるままにて、大祭司カヤパの許に送れり。 |
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう |
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マルコによる福音書第一四章 |
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五五 さて、祭司長たちと全議会とは、イエスを死刑にするために、イエスに不利な証拠を見つけようとしたが、得られなかった。 |
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五六 多くの者がイエスに対して偽証を立てたが、その証言が合わなかったからである。 |
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五七 ついに、ある人々が立ちあがり、イエスに対して偽証を立てて言った、 |
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五八 「わたしたちはこの人が『わたしは手で造ったこの神殿を打ちこわし、三日の後に手で造られない別の神殿を建てるのだ』と言うのを聞きました」。 |
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五九 しかし、このような証言も互に合わなかった。 |
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六〇 そこで大祭司が立ちあがって、まん中に進み、イエスに聞きただして言った、「何も答えないのか。これらの人々があなたに対して不利な証言を申し立てているが、どうなのか」。 |
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六一 しかし、イエスは黙っていて、何もお答えにならなかった。大祭司は再び聞きただして言った、「あなたは、ほむべき者の子、キリストであるか」。 |
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六二 イエスは言われた、「わたしがそれである。あなたがたは人の子が力ある者の右に座し、天の雲に乗って来るのを見るであろう」。 |
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六三 すると、大祭司はその衣を引き裂いて言った、「どうして、これ以上、証人の必要があろう。 |
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六四 あなたがたはこのけがし言を聞いた。あなたがたの意見はどうか」。すると、彼らは皆、イエスを死に当るものと断定した。 |
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マタイによる福音書第二六章 |
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五九 さて、祭司長たちと全議会とは、イエスを死刑にするため、イエスに不利な偽証を求めようとしていた。 |
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六〇 そこで多くの偽証者が出てきたが、証拠があがらなかった。しかし、最後にふたりの者が出てきて、 |
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六一 言った、「この人は、わたしは神の宮を打ちこわし、三日の後に建てることができる、と言いました」。 |
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六二 すると、大祭司が立ち上がってイエスに言った、「何も答えないのか。これらの人々があなたに対して不利な証言を申し立てているが、どうなのか」。 |
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六三 しかし、イエスは黙っておられた。そこで大祭司は言った、「あなたは神の子キリストなのかどうか、生ける神に誓ってわれわれに答えよ」。 |
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六四 イエスは彼に言われた、「あなたの言うとおりである。しかし、わたしは言っておく。あなたがたは、間もなく、人の子が力ある者の右に座し、天の雲に乗って来るのを見るであろう」。 |
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六五 すると、大祭司はその衣を引き裂いて言った、「彼は神を汚した。どうしてこれ以上、証人の必要があろう。あなたがたは今このけがし言を聞いた。 |
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六六 あなたがたの意見はどうか」。すると、彼らは答えて言った、「彼は死に当るものだ」。 |
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ルカによる福音書第二二章 |
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六六 夜が明けたとき、人民の長老、祭司長たち、律法学者たちが集まり、イエスを議会に引き出して言った、 |
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六七 「あなたがキリストなら、そう言ってもらいたい」。イエスは言われた、「わたしが言っても、あなたがたは信じないだろう。 |
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六八 また、わたしがたずねても、答えないだろう。 |
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六九 しかし、人の子は今からのち、全能の神の右に座するであろう」。 |
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七〇 彼らは言った、「では、あなたは神の子なのか」。イエスは言われた、「あなたがたの言うとおりである」。 |
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七一 すると彼らは言った、「これ以上、なんの証拠がいるか。われわれは直接彼の口から聞いたのだから」。 |
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ヨハネによる福音書第一八章 |
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一九 大祭司はイエスに、弟子たちのことやイエスの教のことを尋ねた。 |
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二〇 イエスは答えられた、「わたしはこの世に対して公然と語ってきた。すべてのユダヤ人が集まる会堂や宮で、いつも教えていた。何事も隠れて語ったことはない。 |
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二一 なぜ、わたしに尋ねるのか。わたしが彼らに語ったことは、それを聞いた人々に尋ねるがよい。わたしの言ったことは、彼らが知っているのだから」。 |
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二二 イエスがこう言われると、そこに立っていた下役のひとりが、「大祭司にむかって、そのような答をするのか」と言って、平手でイエスを打った。 |
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二三 イエスは答えられた、「もしわたしが何か悪いことを言ったのなら、その悪い理由を言いなさい。しかし、正しいことを言ったのなら、なぜわたしを打つのか」。 |
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二四 それからアンナスは、イエスを縛ったまま大祭司カヤパのところへ送った。 |
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Office Murakami |