四つの福音書による一つのイエス物語296
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
*
296
*
大祭司のもとに連れて行かれる
*
上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
14;53〜54 26;57〜58 22;54 18;12〜14
第一四章五三〜五四節 第二六章五七〜五八節 第二二章五四節 第一八章一二〜一四節
*
英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
馬可傳iケ書第一四章
五三 衆人イエスを祭司の長に携往けるに祭司の長長老および學等ことごとく彼の所に集れり
五四 ペテロ遠く離れてイエスに從ひ祭司の長の庭のまで入僕と共に坐して火にまり居り
馬太傳iケ書第二六章
五七 イエスを執たるこれを曳て學と長老の集れる所の祭司の長カヤパに携ゆく
五八 ペテロ遠く離れてイエスに從ひ祭司の長の庭にまで至その結局を見んとて內にいり僕と偕に坐せり
路加傳iケ書第二二章
五四 彼等イエスを執へ曳て祭司の長の家に携往りペテロ遙に從ひぬ
約翰傳iケ書第一八章
十二 斯て隊の兵卒および其長とユダヤ人の下吏イエスを執へ繫て
十三 先これをアンナスの所に曳往かれは此歲の祭司の長カヤパの外舅なるに因てなり
十四 ユダヤ人に議て一人民の爲に死るはuなりと言しは此カヤパなりき
*
日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
マルコ傳iケ書第一四章
五三 人イエスを大祭司の許に曳き往きたれば、祭司長長老ら皆あつまる。
五四 ペテロ遠く離れてイエスに從ひ、大祭司の中庭まで入り、下役どもと共に坐して火に煖まりゐたり。
マタイ傳iケ書第二六章
五七 イエスを捕へたるども、學者・長老らの集り居る大祭司カヤパの許に曳きゆく。
五八 ペテロ遠く離れイエスに從ひて大祭司の中庭まで到り、その成行を見んとて、そこに入り下役どもと共に坐せり。
ルカ傳iケ書第二二章
五四 遂に人イエスを捕ヘて、大祭司の家に曳きゆく、ペテロ遠く離れて從ふ。
ヨハネ傳iケ書第一八章
一二 爰にかの兵隊千卒長ユダヤ人の下役ども、イエスを捕へ、縛りて
一三 先づアンナスの許に曳き往く、アンナスはその年の大祭司なるカヤパの舅なり。
一四 カヤパはにユダヤ人に、一人、民のために死ぬるはuなる事を勸めしなり。
*
日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
マルコによる福音書第一四章
五三 それから、イエスを大祭司のところに連れて行くと、祭司長、長老、律法学者たちがみな集まってきた。
五四 ペテロは遠くからイエスについて行って、大祭司の中庭まではいり込み、その下役どもにまじってすわり、火にあたっていた。
マタイによる福音書第二六章
五七 さて、イエスをつかまえた人たちは、大祭司カヤパのところにイエスを連れて行った。そこには律法学者、長老たちが集まっていた。
五八 ペテロは遠くからイエスについて、大祭司の中庭まで行き、そのなりゆきを見とどけるために、中にはいって下役どもと一緒にすわっていた。
ルカによる福音書第二二章
五四 それから人々はイエスを捕え、ひっぱって大祭司の邸宅へつれて行った。ペテロは遠くからついて行った。
ヨハネによる福音書第一八章
一二 それから一隊の兵卒やその千卒長やユダヤ人の下役どもが、イエスを捕え、縛りあげて、
一三 まずアンナスのところに引き連れて行った。彼はその年の大祭司カヤパのしゅうとであった。
一四 カヤパは前に、ひとりの人が民のために死ぬのはよいことだと、ユダヤ人に助言した者であった。
Office Murakami