四つの福音書による一つのイエス物語275
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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275
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新しい掟を弟子たちに与える
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
13;31〜35
第一三章三一〜三五節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
約翰傳iケ書第一三章
三一 彼の出し後イエス曰けるは今人の子榮をうく~また彼に因て榮を受るなり
三二 ~もし彼に因て榮を受る時は~も亦みづからの榮の中に彼を榮しむ直に彼を榮しめん
三三 小子よ我なほ片時なんぢらと偕にあり爾曹われを尋ん我ゆく所は爾曹は至ること能じ前に之をユダヤ人にいふ今また之を爾曹に
三四 われ新誡を爾曹に予ふち爾曹相愛すべしとの是なり我なんぢらを愛する如く爾曹も相愛すべし
三五 爾曹もし相愛せば之に因て人爾曹の我弟子なることを知べし
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
ヨハネ傳iケ書第一三章
三一 ユダの出でし後、イエス言ひ給ふ『今や人の子、榮光をうく、~も彼によりて榮光をうけ給ふ。
三二 ~かれに由りて榮光をうけ給はば、~も己によりて彼に榮光を與へ給はん、直ちに與へ給ふべし。
三三 若子よ、我なほ暫く汝らと偕にあり、汝らは我を尋ねん、然れど曾てユダヤ人に「なんぢらは我が往く處に來ること能はず」と言ひしごとく今、汝らにも然か言ふなり。
三四 われ新しき誡命を汝らに與ふ、なんぢら相愛すべし。わが汝らを愛せしごとく、汝らも相愛すべし。
三五 互に相愛する事をせば、之によりて人みな汝らの我が弟子たるを知らん』
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
ヨハネによる福音書第一三章
三一 さて、彼が出て行くと、イエスは言われた、「今や人の子は栄光を受けた。神もまた彼によって栄光をお受けになった。
三二 彼によって栄光をお受けになったのなら、神ご自身も彼に栄光をお授けになるであろう。すぐにもお授けになるであろう。
三三 子たちよ、わたしはまだしばらく、あなたがたと一緒にいる。あなたがたはわたしを捜すだろうが、すでにユダヤ人たちに言ったとおり、今あなたがたにも言う、『あなたがたはわたしの行く所に来ることはできない』。
三四 わたしは、新しいいましめをあなたがたに与える、互に愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互に愛し合いなさい。
三五 互に愛し合うならば、それによって、あなたがたがわたしの弟子であることを、すべての者が認めるであろう」。
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