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四つの福音書による一つのイエス物語272 |
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マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました |
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます |
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています |
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました |
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272 |
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弟子の一人が裏切ることを予め告げる |
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか |
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ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ |
ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ |
ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ |
ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ |
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馬可傳iケ書 |
馬太傳iケ書 |
路加傳iケ書 |
約翰傳iケ書 |
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マルコ傳iケ書 |
マタイ傳iケ書 |
ルカ傳iケ書 |
ヨハネ傳iケ書 |
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マルコによる福音書 |
マタイによる福音書 |
ルカによる福音書 |
ヨハネによる福音書 |
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14;17〜21 |
26;20〜25 |
22;21〜23 |
13;21〜30 |
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第一四章一七〜二一節 |
第二六章二〇〜二五節 |
第二二章二一〜二三節 |
第一三章二一〜三〇節 |
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう |
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馬可傳iケ書第一四章 |
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十七 日暮てイエス十二の弟子と偕に來れり |
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十八 かれら席に就て食する時イエス曰けるは誠に我なんぢらに吿ん我と偕に食する爾曹のうち一人われを賣すべし |
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十九 改等憂て各イエスに言出けるは我なる乎また他の一人も曰けるは我なる乎 |
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二十 イエス答て曰けるは十二の中の一人われと共に手を盂に着る者是なり |
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二一 人の子は己に就て錄されたる如く逝ん然ど人の子を賣す者は禍なる哉その人は生ざりしならば幸なりし爲ん |
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馬太傳iケ書第二六章 |
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二十 日くるゝ時イエス十二弟子と偕に席に就 |
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二一 食する時いひけるは我まことに爾曹に吿ん爾曹のうち一人われを賣なり |
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二二 彼等いたく憂て各イエスに曰出りるは主よ我なる乎 |
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二三 答て曰けるは我と偕に手を盂に着る者は即ち我を賣す者なり |
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二四 人の子は己について錄されたる如く逝ん然ビ人の子を賣す者は禍なる哉その人生れざりしならば反て幸なりしならん |
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二五 彼を賣すユダ答て曰けるはラビ我なるや之に曰けるは爾の言る如し |
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路加傳iケ書第二二章 |
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二一 夫われを賣す者の手は我と共に案にあり |
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二二 人の子は果して定られたる如く逝ん然ども人の子を賣す人は禍なる哉 |
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二三 かれら此事を爲ん者は誰なる乎と互に問ぬ |
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約翰傳iケ書第一三章 |
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二一 イエス此事を言て心に憂へ證して曰けるは誠に實に爾曹に吿ん一人なんぢらの中に我を賣者あり |
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二二 弟子たち互に面を觀あはせ誰を指て言るなる乎と疑ふ |
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二三 イエスの愛する一人の弟子イエスの懷に倚てありしが |
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二四 シモンペテロ此は誰を指て言るなる乎を問しめんと首をもて示せり |
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二五 イエスの懷に倚て在し者イエスに曰けるは主よ誰なるか |
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二六 イエス答けるは我一撮の食物に物を濡て予る人は其なりとて遂に一撮の食物に物を濡てシモンの子イスカリオテのユダに予ふ |
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二七 彼が一撮の物を受し其時サタン彼に入り是に於てイエス彼に曰けるは爾が爲んとする事は速かに爲せ |
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二八 彼に何故に如此いひしかを同に席に在者どもの中しる者あらざりき |
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二九 或人ユダは金囊を職れる故イエス彼をして節筵について用べき物を市しむるならんか亦は貧者に施さしむるならんと意り |
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三十 偖かれは一撮の食物を受て直に出たり時は既に夜なりき |
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう |
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マルコ傳iケ書第一四章 |
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一七 日暮れてイエス十二弟子とともに往き、 |
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一八 みな席に就きて食するとき言ひ給ふ『まことに汝らに吿ぐ。我と共に食する汝らの中の一人、われを賣らん』 |
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一九 弟子たち憂ひて一人一人『われなるか』と言ひ出でしに、 |
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二〇 イエス言ひたまふ『十二のうちの一人にて我と共にパンを鉢に浸す者は夫なり。 |
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二一 實に人の子は己に就きて錄されたる如く逝くなり。然れど人の子を賣る者は禍害なるかな、その人は生れざりし方よがりしものを』 |
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マタイ傳iケ書第二六章 |
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二〇 日暮れて十二弟子とともに席に就きて、 |
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二一 食するとき言ひ給ふ『まことに汝らに吿ぐ、汝らの中の一人、われを賣らん』 |
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二二 弟子たち甚く憂ひて、おのおの『主よ、我なるが』と言ひいでしに、 |
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二三 答へて言ひたまふ『我とともに手を鉢に入るる者われを賣らん。 |
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二四 人の子は己に就きて錄されたる如く逝くなり。されど人の子を賣る者は禍害なるかな、その人は生れざりし方よがりしものを』 |
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二五 イエスを賣るユダ答へて言ふ『ラビ、我なるか』イエス言ひ給ふ『なんぢの言へる如し』 |
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ルカ傳iケ書第二二章 |
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二一 然れど視よ、我を賣る者の手、われと共に食卓の上にあり、 |
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二二 實に人の子は、定められたる如く逝くなり。然れど之をうる者は禍害なるかな』 |
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二三 弟子たち己らの中にて此の事をなす者は、誰ならんと互に問ひ始む。 |
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ヨハネ傳iケ書第一三章 |
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二一 イエス此等のことを言ひ終へて、心さわぎ證をなして言ひ給ふ『まことに誠に汝らに吿ぐ、汝らの中の一人われを賣らん』 |
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二二 弟子たち互に顏を見合せ、誰につきて言ひ給ふかを訝る。 |
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二三 イエスの愛したまふ一人の弟子、イエスの御胸によりそひ居たれば、 |
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二四 シモン・ペテロ首にて示し『誰のことを言ひ給ふか、吿げよ』といふ。 |
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二五 彼そのまま御胸によりかかりて『主よ、誰なるか』と言ひしに、 |
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二六 イエス答へ給ふ『わが一撮の食物を浸して與ふる者は夫なり』斯て一撮の食物を浸してシモンの子イスカリオテのユダに與へたまふ。 |
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二七 ユダ一撮の食物を受くるや、惡魔かれに入りたり。イエス彼に言ひたまふ『なんぢが爲すことを速かに爲せ』 |
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二八 席に著きゐたる者は一人として何故かく言ひ給ふかを知らず。 |
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二九 ある人々はユダが財囊を預るによりて『祭のために要する物を買へ』とイエスの言ひ給へるか、また貧しき者に何か施さしめ給ふならんと思へり。 |
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三〇 ユダ一撮の食物を受くるや、直ちに出づ、時は夜なりき。 |
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう |
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マルコによる福音書第一四章 |
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一七 夕方になって、イエスは十二弟子と一緒にそこに行かれた。 |
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一八 そして、一同が席について食事をしているとき言われた、「特にあなたがたに言っておくが、あなたがたの中のひとりで、わたしと一緒に食事をしている者が、わたしを裏切ろうとしている」。 |
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一九 弟子たちは心配して、ひとりびとり「まさか、わたしではないでしょう」と言い出した。 |
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二〇 イエスは言われた、「十二人の中のひとりで、わたしと一緒に同じ鉢にパンをひたしている者が、それである。 |
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二一 たしかに人の子は、自分について書いてあるとおりに去って行く。しかし、人の子を裏切るその人は、わざわいである。その人は生れなかった方が、彼のためによかったであろう」。 |
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マタイによる福音書第二六章 |
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二〇 夕方になって、イエスは十二弟子と一緒に食事の席につかれた。 |
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二一 そして、一同が食事をしているとき言われた、「特にあなたがたに言っておくが、あなたがたのうちのひとりが、わたしを裏切ろうとしている」。 |
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二二 弟子たちは非常に心配して、つぎつぎに「主よ、まさか、わたしではないでしょう」と言い出した。 |
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二三 イエスは答えて言われた、「わたしと一緒に同じ鉢に手を入れている者が、わたしを裏切ろうとしている。 |
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二四 たしかに人の子は、自分について書いてあるとおりに去って行く。しかし、人の子を裏切るその人は、わざわいである。その人は生れなかった方が、彼のためによかったであろう」。 |
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二五 イエスを裏切ったユダが答えて言った、「先生、まさか、わたしではないでしょう」。イエスは言われた、「いや、あなただ」。 |
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ルカによる福音書第二二章 |
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二一 しかし、そこに、わたしを裏切る者が、わたしと一緒に食卓に手を置いている。 |
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二二 人の子は定められたとおりに、去って行く。しかし人の子を裏切るその人は、わざわいである」。 |
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二三 弟子たちは、自分たちのうちだれが、そんな事をしようとしているのだろうと、互に論じはじめた。 |
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ヨハネによる福音書第一三章 |
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二一 イエスがこれらのことを言われた後、その心が騒ぎ、おごそかに言われた、「よくよくあなたがたに言っておく。あなたがたのうちのひとりが、わたしを裏切ろうとしている」。 |
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二二 弟子たちはだれのことを言われたのか察しかねて、互に顔を見合わせた。 |
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二三 弟子たちのひとりで、イエスの愛しておられた者が、み胸に近く席についていた。 |
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二四 そこで、シモン・ペテロは彼に合図をして言った、「だれのことをおっしゃったのか、知らせてくれ」。 |
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二五 その弟子はそのままイエスの胸によりかかって、「主よ、だれのことですか」と尋ねると、 |
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二六 イエスは答えられた、「わたしが一きれの食物をひたして与える者が、それである」。そして、一きれの食物をひたしてとり上げ、シモンの子イスカリオテのユダにお与えになった。 |
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二七 この一きれの食物を受けるやいなや、サタンがユダにはいった。そこでイエスは彼に言われた、「しようとしていることを、今すぐするがよい」。 |
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二八 席を共にしていた者のうち、なぜユダにこう言われたのか、わかっていた者はひとりもなかった。 |
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二九 ある人々は、ユダが金入れをあずかっていたので、イエスが彼に、「祭のために必要なものを買え」と言われたか、あるいは、貧しい者に何か施させようとされたのだと思っていた。 |
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三〇 ユダは一きれの食物を受けると、すぐに出て行った。時は夜であった。 |
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Office Murakami |