四つの福音書による一つのイエス物語261
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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261
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羊と羊飼いの譬を語る
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
10;1〜6
第一〇章一〜六節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
約翰傳iケ書第一〇章
一 誠に實に爾曹にん羊牢に入に門よりせずして他より踰るは竊賊なり强盜なり
二 門より入は其羊の牧なり
三 門守は彼の爲に啓き羊はその聲を聽かれ己の羊の名を呼て之を引出す
四 彼その羊を引出すとき先に行なり羊かれの聲を識て之に從ふ
五 羊は別人に從はず反て避そは別人の聲を識ざれば也
六 イエス彼等に此譬を言ど彼等はその語れる所いかなる意かを知ざりき
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
ヨハネ傳iケ書第一〇章
一 『まことに誠に汝らにぐ、羊の檻に門より入らずして、他より越ゆるは、盜人なり、强盜なり。
二 門より入るは、羊の牧なり。
三 門守は彼のために開き、羊はその聲をきき、彼は己の羊の名を呼びて牽きいだす。
四 悉とく其の羊をいだしし時、これに先だちゆく、羊その聲を知るによりて從ふなり。
五 他のには從はず、反つて逃ぐ、他のどもの聲を知らぬ故なり』
六 イエスこの譬を言ひ給へど、彼らその何事をかたり給ふかを知らざりき。
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
ヨハネによる福音書第一〇章
一 よくよくあなたがたに言っておく。羊の囲いにはいるのに、門からでなく、ほかの所からのりこえて来る者は、盗人であり、強盗である。
二 門からはいる者は、羊の羊飼である。
三 門番は彼のために門を開き、羊は彼の声を聞く。そして彼は自分の羊の名をよんで連れ出す。
四 自分の羊をみな出してしまうと、彼は羊の先頭に立って行く。羊はその声を知っているので、彼について行くのである。
五 ほかの人には、ついて行かないで逃げ去る。その人の声を知らないからである」。
六 イエスは彼らにこの比喩を話されたが、彼らは自分たちにお話しになっているのが何のことだか、わからなかった。
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