四つの福音書による一つのイエス物語257
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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257
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最後の日に人の子が裁くことを予め告げる
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
25;31〜46
第二五章三一〜四六節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
馬太傳iケ書第二五章
三一 人の子おのれの榮光をもての聖使を率來る時はそり榮光の位に坐し
三二 萬國の民をその前に集め羊を牧の綿羊と山羊とを別が如く彼等を別ち
三三 綿羊をその右に山羊をその左に置べし
三四 斯て王その右になるに云ん吾父に惠るゝ者よ來りて創世より以來なんぢらの爲に備られたる國を嗣
三五 蓋なんぢら我が飢し時われに食せ渴しとき我に飮せ旅せし時われを宿らせ
三六 裸なりし時われに衣せ病しとき我をみまひ獄に在しとき我に就ればなり
三七 是に於て義かれに答て云ん主よ何時なんぢの飢たるを見て食せまた渴たるに
三八 何時主の旅したるを見て宿らせ又裸なるに衣しや
三九 何時主の病また獄に在を見て爾に至りし乎
四十 王こたへて彼等に曰ん我まことに爾曹にに爾曹わが此兄弟の最微の一人に行へるはち我に行しなり
四一 遂にまた左にをるに曰ん罰せらるべきよ我を離れて惡魔と其使の爲に備たる熄ざる火に入よ
四二 蓋なんぢら我が飢し時われに食せず渴しとき我に飮せず
四三 旅せし時われを宿らせず裸なりし時われに衣ず病また獄に在し時われを顧ざれば也
四四 是に於て彼等また答て曰ん主よ何時なんぢの飢また渴また旅し又裸また病また獄に在を見て主に事ざりし乎
四五 其とき王こたへて彼等にいはん我まことに爾曹にん此最微の一人に行はざるはち我に行はざりし也
四六 此等のは窮なき刑罰にいり義は窮なき生命に入べし
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
マタイ傳iケ書第二五章
三一 人の子その榮光をもて、もろもろの御使を率ゐきたる時、その榮光の座位に坐せん。
三二 斯て、その前にもろもろの國人あつめられん、之を別つこと牧羊が羊と山羊とを別つ如くして、
三三 羊をその右に、山羊をその左におかん。
三四 爰に王その右にをるどもに言はん「わが父にせられたるよ、來りて世の創より汝等のために備へられたる國を嗣げ。
三五 なんぢら我が飢ゑしときに食はせ、渴きしときに飮ませ、旅人なりし時に宿らせ、
三六 裸なりしときに衣せ、病みしときに訪ひ、獄に在りしときに來りたればなり」
三七 爰に正しきら答へて言はん「主よ、何時なんぢの飢ゑしを見て食はせ、渴きしを見て飮ませし。
三八 何時なんぢの旅人なりしを見て宿らせ、裸なりしを見て衣せし。
三九 何時なんぢの病み、また獄に在りしを見て、汝にいたりし」
 王こたへて言はん「まことに汝らにぐ、わが兄弟なる此等のいと小きの一人になしたるは、ち我に爲したるなり」
四一 斯てまた左にをるどもに言はん「詛はれたるよ、我を離れて惡魔とその使らとのために備へられたる永久の火に入れ。
四二 なんぢら我が飢ゑしときに食はせず、渴きしときに飮ませず、
四三 旅人なりしときに宿らせず、裸なりしときに衣せず、病みまた獄に在りしときに訪はざればなり」
四四 爰に彼らも答へて言はん「主よ、いつ汝の飢ゑ、或は渴き、或は旅人、あるひは裸、あるひは病み、或は獄に在りしを見て事へざりし」
四五 ここに王こたへて言はん「誠になんぢらにぐ、此等のいと小きものの一人に爲さざりしは、ち我になさざりしなり」と。
四六 斯て、これらのは去りて永遠の刑罰にいり、正しきは永遠の生命に入らん』
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
マタイによる福音書第二五章
三一 人の子が栄光の中にすべての御使たちを従えて来るとき、彼はその栄光の座につくであろう。
三二 そして、すべての国民をその前に集めて、羊飼が羊とやぎとを分けるように、彼らをより分け、
三三 羊を右に、やぎを左におくであろう。
三四 そのとき、王は右にいる人々に言うであろう、『わたしの父に祝福された人たちよ、さあ、世の初めからあなたがたのために用意されている御国を受けつぎなさい。
三五 あなたがたは、わたしが空腹のときに食べさせ、かわいていたときに飲ませ、旅人であったときに宿を貸し、
三六 裸であったときに着せ、病気のときに見舞い、獄にいたときに尋ねてくれたからである』。
三七 そのとき、正しい者たちは答えて言うであろう、『主よ、いつ、わたしたちは、あなたが空腹であるのを見て食物をめぐみ、かわいているのを見て飲ませましたか。
三八 いつあなたが旅人であるのを見て宿を貸し、裸なのを見て着せましたか。
三九 また、いつあなたが病気をし、獄にいるのを見て、あなたの所に参りましたか』。
四〇 すると、王は答えて言うであろう、『あなたがたによく言っておく。わたしの兄弟であるこれらの最も小さい者のひとりにしたのは、すなわち、わたしにしたのである』。
四一 それから、左にいる人々にも言うであろう、『のろわれた者どもよ、わたしを離れて、悪魔とその使たちとのために用意されている永遠の火にはいってしまえ。
四二 あなたがたは、わたしが空腹のときに食べさせず、かわいていたときに飲ませず、
四三 旅人であったときに宿を貸さず、裸であったときに着せず、また病気のときや、獄にいたときに、わたしを尋ねてくれなかったからである』。
四四 そのとき、彼らもまた答えて言うであろう、『主よ、いつ、あなたが空腹であり、かわいておられ、旅人であり、裸であり、病気であり、獄におられたのを見て、わたしたちはお世話をしませんでしたか』。
四五 そのとき、彼は答えて言うであろう、『あなたがたによく言っておく。これらの最も小さい者のひとりにしなかったのは、すなわち、わたしにしなかったのである』。
四六 そして彼らは永遠の刑罰を受け、正しい者は永遠の生命に入るであろう」。
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