四つの福音書による一つのイエス物語255
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
*
255
*
十人の乙女の譬を語る
*
上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
25;1〜13
第二五章一〜一三節
*
英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
馬太傳iケ書第二五章
一 其とき天國は燈を執て新を迎に出る十人の童女に比ふべし
二 その中の五人は智く五人は愚なり
三 愚なるは其燈をとるに油を携へざりしが
四 智きは其燈と兼に油をに携へたり
五 新おそかりければ皆假寐して眠れり
六 夜半ばに叫びて新きたりぬ出て迎よと呼聲ありければ
七 この童女ども皆おきて其燈を整へたるに
八 愚なるもの智きに曰けるは我の燈熄んとす顧くは爾曹の油を我に分予よ
九 智きもの答て曰けるは我と爾曹とに恐くは足まじ爾曹賣に往て己が爲に買
十 かれら買んとて往しとき新きたりければ?に備たるは之と偕に婚筵に入しかば門は閉られたり
十一 斯て後その餘の童女きたりて曰けるは主よ主よ我の爲に開たまへ
十二 答て我まことに爾曹にん我は爾曹を知ずと曰り
十三 然ば怠らずして守れ爾曹その日その時を知ざれば也
*
日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
マタイ傳iケ書第二五章
一 このとき天國は燈火を執りて、新カを迎へに出づる十人の處女に比ふべし。
二 その中の五人は愚にして五人は慧し。
三 愚なるは燈火をとりて油を携へず、
四 慧きものは油をに入れて燈火とともに携へたり。
五 新カ、遲かりしかば、皆まどろみて寢ぬ。
六 夜半に「やよ、新カなるぞ、出で迎へよ」と呼はる聲す。
七 ここに處女みな起きてその燈火を整へたるに、
八 愚なるは慧きものに言ふ「なんぢらの油を分けあたヘよ、我らの燈火きゆるなり」
九 慧きもの答へて言ふ「恐らくは我らと汝らとに足るまじ、寧ろ賣るものに往きて己がために買へ」
 彼ら買はんとて往きたる間に新カきたりたれば、備へをりしどもは彼とともに婚筵にいり、而して門は閉されたり。
一一 その後かの他の處女ども來りて「主よ、主よ、われらの爲にひらき給へ」と言ひしに、
一二 答へて「まことに汝らにぐ、我は汝らを知らず」と言へり。
一三 されば目を覺しをれ、汝らは其の日その時を知らざるなり。
*
日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
マタイによる福音書第二五章
一 そこで天国は、十人のおとめがそれぞれあかりを手にして、花婿を迎えに出て行くのに似ている。
二 その中の五人は思慮が浅く、五人は思慮深い者であった。
三 思慮の浅い者たちは、あかりは持っていたが、油を用意していなかった。
四 しかし、思慮深い者たちは、自分たちのあかりと一緒に、入れものの中に油を用意していた。
五 花婿の来るのがおくれたので、彼らはみな居眠りをして、寝てしまった。
六 夜中に、『さあ、花婿だ、迎えに出なさい』と叫ぶ声がした。
七 そのとき、おとめたちはみな起きて、それぞれあかりを整えた。
八 ところが、思慮の浅い女たちが、思慮深い女たちに言った、『あなたがたの油をわたしたちにわけてください。わたしたちのあかりが消えかかっていますから』。
九 すると、思慮深い女たちは答えて言った、『わたしたちとあなたがたとに足りるだけは、多分ないでしょう。店に行って、あなたがたの分をお買いになる方がよいでしょう』。
一〇 彼らが買いに出ているうちに、花婿が着いた。そこで、用意のできていた女たちは、花婿と一緒に婚宴のへやにはいり、そして戸がしめられた。
一一 そのあとで、ほかのおとめたちもきて、『ご主人様、ご主人様、どうぞ、あけてください』と言った。
一二 しかし彼は答えて、『はっきり言うが、わたしはあなたがたを知らない』と言った。
一三 だから、目をさましていなさい。その日その時が、あなたがたにはわからないからである。
Office Murakami