四つの福音書による一つのイエス物語234
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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234
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席順の譬を語る
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
14;7〜11
第一四章七〜一一節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
路加傳iケ書第一四章
七 斯て其席に請れたる人の首席を擇を見てイエス譬を以て彼等に曰けるは
八 なんぢ婚筵に請れんとき首座に坐すること勿れ恐くは爾より尊人まねかれなば
九 彼と爾を請しきたりて此人に座を讓れと曰ん然ば爾羞て末座に往べし
十 是故に爾まねかれん時は往て未座に坐せよ請し來りて友よ首座に進と爾に言ば同席のの向に爾尊まるべし
十一 凡そ自ら高ぶるは卑され自ら卑だるは高くせらるべし
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
ルカ傳iケ書第一四章
七 イエス招かれたるの、上席をえらぶを見、譬をかたりて言ひ給ふ、
八 『なんぢ婚筵に招かるるとき、上席に着くな。恐らくは汝よりも貴き人の招かれんに、
九 汝と彼とを招きたるきたりて「この人に席を讓れ」と言はん。さらば其の時なんぢ恥ぢて末席に往きはじめん。
 招かるるとき、寧ろ往きて末席にけ、さらば招きたるきたりて「友よ、上に進め」と言はん。その時なんぢ同席のの前に譽あるべし。
一一 凡そおのれを高うするは卑うせられ、己を卑うするは高うせらるるなり』
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
ルカによる福音書第一四章
七 客に招かれた者たちが上座を選んでいる様子をごらんになって、彼らに一つの譬を語られた。
八 「婚宴に招かれたときには、上座につくな。あるいは、あなたよりも身分の高い人が招かれているかも知れない。
九 その場合、あなたとその人とを招いた者がきて、『このかたに座を譲ってください』と言うであろう。そのとき、あなたは恥じ入って末座につくことになるであろう。
一〇 むしろ、招かれた場合には、末座に行ってすわりなさい。そうすれば、招いてくれた人がきて、『友よ、上座の方へお進みください』と言うであろう。そのとき、あなたは席を共にするみんなの前で、面目をほどこすことになるであろう。
一一 おおよそ、自分を高くする者は低くされ、自分を低くする者は高くされるであろう」。
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