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四つの福音書による一つのイエス物語232 |
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マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました |
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます |
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています |
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました |
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232 |
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悪い小作人の譬を語る |
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか |
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ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ |
ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ |
ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ |
ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ |
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馬可傳iケ書 |
馬太傳iケ書 |
路加傳iケ書 |
約翰傳iケ書 |
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マルコ傳iケ書 |
マタイ傳iケ書 |
ルカ傳iケ書 |
ヨハネ傳iケ書 |
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マルコによる福音書 |
マタイによる福音書 |
ルカによる福音書 |
ヨハネによる福音書 |
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12;1〜12 |
21;33〜46 |
20;9〜19 |
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第一二章一〜一二節 |
第二一章三三〜四六節 |
第二〇章九〜一九節 |
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう |
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馬可傳iケ書第一二章 |
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一 イエス譬をもて彼等に語れり或人葡萄園を樹り籬を環し酒榨をほり塔をたて農夫に租與て他の國へ往しが |
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二 期いたりければ葡萄園の果を収取ん爲に僕を農夫の所に遣しけるに |
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三 農夫等これを執へ打撲きて徒く返しめたり |
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四 また他の僕を彼等に遣しゝに農夫等これを石にてうら首に傷つけ辱しめて返しむ |
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五 又ほかの者を遣しゝに之をも殺せり又ほかに多く遣しゝに或は撲あるひは殺しぬ |
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六 爰に一人の愛子ありけるが此わが子は敬ふならんと曰て遂に其子を遣しゝに |
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七 農夫等たがひに曰けるは此は嗣子なり率これを殺きん然ば産業は我儕の有とならん |
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八 乃ち執へて之を殺し葡萄園の外に棄たり |
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九 然ば葡萄園の主人なにを爲べきか彼きたりて農夫等を打滅し葡萄園を他の人に託ふべし |
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十 工匠の棄たる石は屋の隅の首石と成り |
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十一 これ主の成たまへる事にして我儕の目に奇とする所なりと錄されしを未だ讀ざる乎 |
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十二 彼等この譬は己等を指て語れりと知イエスを執んとせしかども衆人を懼てイエスを去ゆけり |
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馬太傳iケ書第二一章 |
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三三 また一の譬を聞ある家の主人葡萄園を樹り離を環らし其中に酒榨をほり塔をたて農夫に貸て他の國へ往しが |
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三四 果期ちかづきければ其果を收ん爲に僕を農夫のもとに遣せり |
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三五 農夫ども其僕等を執へ一人を鞭ち一人を殺し一人を石にて擊り |
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三六 また他の僕を前よりも多く遣しけるに之にも前の如くなせり |
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三七 我子は敬ふならんと謂て終に其子を遣しゝに |
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三八 農夫等その子を見て互に曰けるは此は嗣子なり率これを殺して其產業をも奪べしと |
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三九 即ち之を執へ葡萄園より逐出して殺せり |
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四十 然ば葡萄園の主人きたらん時にこの農夫に何を爲べき乎 |
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四一 彼等イエスに曰けるは此等の惡人を甚く討滅し期に及てその果を納る他の農夫に葡萄園を貸予ふべし |
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四二 イエス彼等に曰けるは聖書に工匠の棄たる石は家の隅の首石となれり是主の行給ることにして我儕の目に奇とする所なりと錄されしを未だ讀ざる乎 |
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四三 是故に我なんぢらに吿ん~の國を爾曹より奪その果を結ぶ民に予らるべし |
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四四 この石の上に墮るものは壞この石上に墜れば其もの碎かるべし |
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四五 祭司の長等およびパリサイの人かれの譬を聞おのれらを指て言るを識 |
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四六 イエスを執へんと欲ひ謀しかど唯民を畏たり蓋人々かれを預言者とすれば也 |
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路加傳iケ書第二〇章 |
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九 即ち此譬を民に語れり或人葡萄圃をつくり農夫に租與て久しく他國へ往しが |
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十 期いたりければ葡萄圃の果を受收ん爲に僕を農夫の所に遣しけるに農夫等これを撲たゝきて徒く返せたり |
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十一 また他の僕を遣しゝに之をも撲たゝき辱しめて徒く返せたり |
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十二 又三次僕を遣しゝに之をも傷けて逐出しければ |
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十三 葡萄圃の主曰けるは我いかに爲ん我愛子を遣すべし之を見ば恭敬ならん |
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十四 農夫ども之を見て互に議いひけるは此は嗣子なり率かれを殺さん業は我儕の所有になる可とて |
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十五 彼を葡萄圃の外に出して殺せり然ば葡萄圃の主いかに彼等を處べき乎 |
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十六 かれ來て此農夫等を滅し葡萄圃を他人に託べし人々これを聞て曰けるは然は有ざれ |
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十七 イエス彼等を見て曰けるは匠人の棄たる石是こそ屋隅の首石となれと錄されしは何ぞや |
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十八 此石の上に墮るものは壞この石上に墮れば其もの碎るべし |
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十九 祭司の長學者等その己を指て此譬を語たるを知この時イエスを執へんと爲しかども民を畏たり |
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう |
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マルコ傳iケ書第一二章 |
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一 イエス譬をもて彼らに語り出で給ふ『ある人、葡萄園を造り、籬を環らし、酒槽の穴を掘り、櫓をたて、農夫どもに貸して、遠く旅立せり。 |
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二 時いたりて農夫より葡萄園の所得を受取らんとて、僕をその許に遣ししに、 |
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三 彼ら之を執へて打ちたたき、空手にて歸らしめたり。 |
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四 又ほかの僕を遣ししに、その首に傷つけ、かつ辱しめたり。 |
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五 また他の者を遣ししに、之を殺したり。又ほかの多くの僕をも、或は打ち或は殺したり。 |
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六 なほ一人あり、即ち其の愛しむ子なり「わが子は敬ふならん」と言ひて、最後に之を遣ししに、 |
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七 かの農夫ども互に言ふ「これは世嗣なり、いざ之を殺さん、然らばその嗣業は、我らのものとなるべし」 |
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八 乃ち執へて之を殺し、葡萄園の外に投げ棄てたり。 |
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九 然らば葡萄園の主、なにを爲さんか、來りて農夫どもを亡ぼし、葡萄園を他の者どもに與ふべし。 |
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一〇 汝ら聖書に「造家者らの棄てたる石は、これぞ隅の首石となれる。 |
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一一 これ主によりて成れるにて、我らの目には奇しきなり」とある句をすら讀まぬか』 |
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一二 ここに彼等イエスを執へんと思ひたれど、群衆を恐れたり、この譬の己らを指して言ひ給へるを悟りしに因る。遂にイエスを離れて去り往けり |
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マタイ傳iケ書第二一章 |
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三三 また一つの譬を聽け、ある家主、葡萄園をつくりて籬をめぐらし、中に酒槽を堀り、櫓を建て、農夫どもに貸して遠く旅立せり。 |
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三四 果期ちかづきたれば、その果を受け取らんとて僕らを農夫どもの許に遣ししに、 |
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三五 農夫どもその僕らを執へて一人を打ちたたき、一人をころし、一人を石にて擊てり。 |
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三六 復ほかの僕らを前よりも多く遣ししに、之をも同じやうに遇へり。 |
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三七 「わが子は敬ふならん」と言ひて、遂にその子を遣ししに、 |
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三八 農夫ども此の子を見て互に言ふ「これは世嗣なり、いざ殺して、その嗣業を取らん」 |
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三九 斯て之をとらへ葡萄園の外に逐ひ出して殺せり。 |
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四〇 さらば葡萄園の主人きたる時、この農夫どもに何を爲さんか』 |
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四一 かれら言ふ『その惡人どもを飽くまで滅し、果期におよびて果を納むる他の農夫どもに葡萄園を貸し與ふべし』 |
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四二 イエス言ひたまふ『聖書に、「造家者らの棄てたる石は、これぞ隅の首石となれる、これ主によりて成れるにて、我らの目には奇しきなり」とあるを汝ら未だ讀まぬか。 |
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四三 この故に汝らに吿ぐ、汝らは~の國をとられ、其の果を結ぶ國人は、之を與へらるべし。 |
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四四 この石の上に倒るる者はくだけ、又この石、人のうへに倒るれば、其の人を微塵とせん』 |
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四五 祭司長・パリサイ人ら、イエスの譬をきき、己らを指して語り給へるを悟り、 |
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四六 イエスを執へんと思へど群衆を恐れたり、群衆かれを預言者とするに因る。 |
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ルカ傳iケ書第二〇章 |
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九 斯て次の譬を民に語りいで給ふ『ある人、葡萄園を造りて農夫どもに貸し、遠く旅立して久しくなりぬ。 |
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一〇 時至りて、葡萄園の所得を納めしめんとて、一人の僕を農夫の許に遺ししに農夫ども之を打ちたたき、空手にて歸らしめたり。 |
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一一 又ほかの僕を遣ししに、之をも打ちたたき辱しめ、空手にて歸らしめたり。 |
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一二 なほ三度めの者を遺ししに、之をも傷つけて逐ひ出したり。 |
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一三 葡萄園の主いふ「われ何を爲さんか。我が愛しむ子を遣さん、或は之を敬ふなるべし」 |
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一四 農夫ども之を見て互に論じて言ふ「これは世嗣なり。いざ殺して其の嗣業を我らの物とせん」 |
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一五 斯てこれを葡萄園の外に逐ひ出して殺せり。さらば葡萄園の主、かれらに何を爲さんか、 |
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一六 來りてかの農夫どもを亡し、葡萄園を他の者どもに與ふべし』人々これを聽きて言ふ『然はあらざれ』 |
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一七 イエス彼らに目を注めて言ひ給ふ『されば「造家者らの棄てたる石は、これぞ隅の首石となれる」と錄されたるは何ぞや。 |
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一八 凡そその石の上に倒るる者は碎け、又その石、人の上に倒るれば、その人を微塵にせん』 |
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一九 此のとき學者・祭司長ら、イエスに手をかけんと思ひたれど、民を恐れたり。この譬の己どもを指して言ひ給へるを悟りしに因る。 |
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう |
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マルコによる福音書第一二章 |
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一 そこでイエスは譬で彼らに語り出された、「ある人がぶどう園を造り、垣をめぐらし、また酒ぶねの穴を掘り、やぐらを立て、それを農夫たちに貸して、旅に出かけた。 |
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二 季節になったので、農夫たちのところへ、ひとりの僕を送って、ぶどう園の収穫の分け前を取り立てさせようとした。 |
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三 すると、彼らはその僕をつかまえて、袋だだきにし、から手で帰らせた。 |
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四 また他の僕を送ったが、その頭をなぐって侮辱した。 |
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五 そこでまた他の者を送ったが、今度はそれを殺してしまった。そのほか、なお大ぜいの者を送ったが、彼らを打ったり、殺したりした。 |
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六 ここに、もうひとりの者がいた。それは彼の愛子であった。自分の子は敬ってくれるだろうと思って、最後に彼をつかわした。 |
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七 すると、農夫たちは『あれはあと取りだ。さあ、これを殺してしまおう。そうしたら、その財産はわれわれのものになるのだ』と話し合い、 |
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八 彼をつかまえて殺し、ぶどう園の外に投げ捨てた。 |
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九 このぶどう園の主人は、どうするだろうか。彼は出てきて、農夫たちを殺し、ぶどう園を他の人々に与えるであろう。 |
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一〇 あなたがたは、この聖書の句を読んだことがないのか。『家造りらの捨てた石が/隅のかしら石になった。 |
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一一 これは主がなされたことで、わたしたちの目には不思議に見える』」。 |
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一二 彼らはいまの譬が、自分たちに当てて語られたことを悟ったので、イエスを捕えようとしたが、群衆を恐れた。そしてイエスをそこに残して立ち去った。 |
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マタイによる福音書第二一章 |
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三三 もう一つの譬を聞きなさい。ある所に、ひとりの家の主人がいたが、ぶどう園を造り、かきをめぐらし、その中に酒ぶねの穴を掘り、やぐらを立て、それを農夫たちに貸して、旅に出かけた。 |
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三四 収穫の季節がきたので、その分け前を受け取ろうとして、僕たちを農夫のところへ送った。 |
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三五 すると、農夫たちは、その僕たちをつかまえて、ひとりを袋だたきにし、ひとりを殺し、もうひとりを石で打ち殺した。 |
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三六 また別に、前よりも多くの僕たちを送ったが、彼らをも同じようにあしらった。 |
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三七 しかし、最後に、わたしの子は敬ってくれるだろうと思って、主人はその子を彼らの所につかわした。 |
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三八 すると農夫たちは、その子を見て互に言った、『あれはあと取りだ。さあ、これを殺して、その財産を手に入れよう』。 |
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三九 そして彼をつかまえて、ぶどう園の外に引き出して殺した。 |
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四〇 このぶどう園の主人が帰ってきたら、この農夫たちをどうするだろうか」。 |
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四一 彼らはイエスに言った、「悪人どもを、皆殺しにして、季節ごとに収穫を納めるほかの農夫たちに、そのぶどう園を貸し与えるでしょう」。 |
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四二 イエスは彼らに言われた、「あなたがたは、聖書でまだ読んだことがないのか、『家造りらの捨てた石が/隅のかしら石になった。これは主がなされたことで、わたしたちの目には不思議に見える』。 |
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四三 それだから、あなたがたに言うが、神の国はあなたがたから取り上げられて、御国にふさわしい実を結ぶような異邦人に与えられるであろう。 |
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四四 またその石の上に落ちる者は打ち砕かれ、それがだれかの上に落ちかかるなら、その人はこなみじんにされるであろう」。 |
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四五 祭司長たちやパリサイ人たちがこの譬を聞いたとき、自分たちのことをさして言っておられることを悟ったので、 |
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四六 イエスを捕えようとしたが、群衆を恐れた。群衆はイエスを預言者だと思っていたからである。 |
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ルカによる福音書第二〇章 |
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九 そこでイエスは次の譬を民衆に語り出された、「ある人がぶどう園を造って農夫たちに貸し、長い旅に出た。 |
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一〇 季節になったので、農夫たちのところへ、ひとりの僕を送って、ぶどう園の収穫の分け前を出させようとした。ところが、農夫たちは、その僕を袋だたきにし、から手で帰らせた。 |
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一一 そこで彼はもうひとりの僕を送った。彼らはその僕も袋だたきにし、侮辱を加えて、から手で帰らせた。 |
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一二 そこで更に三人目の者を送ったが、彼らはこの者も、傷を負わせて追い出した。 |
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一三 ぶどう園の主人は言った、『どうしようか。そうだ、わたしの愛子をつかわそう。これなら、たぶん敬ってくれるだろう』。 |
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一四 ところが、農夫たちは彼を見ると、『あれはあと取りだ。あれを殺してしまおう。そうしたら、その財産はわれわれのものになるのだ』と互に話し合い、 |
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一五 彼をぶどう園の外に追い出して殺した。そのさい、ぶどう園の主人は、彼らをどうするだろうか。 |
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一六 彼は出てきて、この農夫たちを殺し、ぶどう園を他の人々に与えるであろう」。人々はこれを聞いて、「そんなことがあってはなりません」と言った。 |
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一七 そこで、イエスは彼らを見つめて言われた、「それでは、『家造りらの捨てた石が/隅のかしら石になった』と書いてあるのは、どういうことか。 |
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一八 すべてその石の上に落ちる者は打ち砕かれ、それがだれかの上に落ちかかるなら、その人はこなみじんにされるであろう」。 |
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一九 このとき、律法学者たちや祭司長たちはイエスに手をかけようと思ったが、民衆を恐れた。いまの譬が自分たちに当てて語られたのだと、悟ったからである。 |
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Office Murakami |