四つの福音書による一つのイエス物語229
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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229
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信じれば聞き入れられることを教える
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
11;20〜26 21;20〜22
第一一章二〇〜二六節 第二一章二〇〜二二節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
馬可傳iケ書第一一章
二十 翌朝かれら無花果の樹を過る時その根より盡く枯たるを見る
二一 ペテロ憶出てイエスに曰けるはラビ見よ詛し所の無花果樹は枯たり
二二 イエス答て彼等に曰けるは~を信ぜよ
二三 誠に我なんぢらに告ん誰にても其心に疑ふ事なく其いふ所の言は必ず成べしと信じ此山に移てに入といは其言の如く成べし
二四 是故に我なんぢちに告ん凡そ禱の時その求ふ所のものは必ず得べしと信ぜば必ず得べし
二五 又なんぢら立て禱する時もし人を憾こと有ば之を免せ天に在す爾曹の父に爾曹も亦その過を免されん爲なり
二六 もし爾曹免さずば天に在す爾曹の父も亦なんぢらの過を免し給はじ
馬太傳iケ書第二一章
二十 弟子これを見て奇み曰けるは無花果の枯ること何に速や
二一 イエス答て彼等に曰けるは我まことに爾曹にんもし信仰ありて疑はずば此無花果に於るが如耳ならず此山に命じ此より移されてに入よと云とも亦成ん
二二 且なんぢら信じてらば求ふ所ことごとく得べし
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
マルコ傳iケ書第一一章
 彼ら朝早く路をすぎしに、無花果の樹の根より枯れたるを見る。
二一 ペテロ思ひ出して、イエスに言ふ『ラビ見給へ、詛ひ給ひし無花果の樹は枯れたり』
二二 イエス答へて言ひ給ふ『~を信ぜよ。
二三 誠に汝らにぐ、人もし此の山に「移りてに入れ」と言ふとも、其の言ふところ必ず成るべしと信じて、心に疑はずば、その如く成るべし。
二四 この故に汝らにぐ、凡てりて願ふ事は、すでに得たりと信ぜよ、然らば得べし。
二五 また立ちてるとき、人を怨むる事あらば免せ、これは天に在す汝らの父の、汝らの過失を免し給はん爲なり』
二六 
マタイ傳iケ書第二一章
 弟子たち之を見、怪しみて言ふ、『無花果の樹の斯く立刻に枯れたるは何ぞや』
二一 イエス答へて言ひ給ふ『まことに汝らにぐ、もし汝ら信仰ありて疑はずば、に此の無花果の樹にありし如きことを爲し得るのみならず、此の山に「移りてに入れ」と言ふとも亦成るべし。
二二 かつのとき何にても信じて求めば、ことごとく得べし』
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
マルコによる福音書第一一章
二〇 朝はやく道をとおっていると、彼らは先のいちじくが根元から枯れているのを見た。
二一 そこで、ペテロは思い出してイエスに言った、「先生、ごらんなさい。あなたがのろわれたいちじくが、枯れています」。
二二 イエスは答えて言われた、「神を信じなさい。
二三 よく聞いておくがよい。だれでもこの山に、動き出して、海の中にはいれと言い、その言ったことは必ず成ると、心に疑わないで信じるなら、そのとおりに成るであろう。
二四 そこで、あなたがたに言うが、なんでも祈り求めることは、すでにかなえられたと信じなさい。そうすれば、そのとおりになるであろう。
二五 また立って祈るとき、だれかに対して、何か恨み事があるならば、ゆるしてやりなさい。そうすれば、天にいますあなたがたの父も、あなたがたのあやまちを、ゆるしてくださるであろう。
二六 〔もしゆるさないならば、天にいますあなたがたの父も、あなたがたのあやまちを、ゆるしてくださらないであろう〕」。
マタイによる福音書第二一章
二〇 弟子たちはこれを見て、驚いて言った、「いちじくがどうして、こうすぐに枯れたのでしょう」。
二一 イエスは答えて言われた、「よく聞いておくがよい。もしあなたがたが信じて疑わないならば、このいちじくにあったようなことが、できるばかりでなく、この山にむかって、動き出して海の中にはいれと言っても、そのとおりになるであろう。
二二 また、祈のとき、信じて求めるものは、みな与えられるであろう」。
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