四つの福音書による一つのイエス物語195
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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いっさい捨てる者の幸せを教える
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
10;28〜30 19;29 18;28〜30
第一〇章二八〜三〇節 第一九章二九節 第一八章二八〜三〇節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
馬可傳iケ書第一〇章
二八 是に於てペテロ彼に曰けるは我一切を舍て爾に從へり
二九 イエス答て曰けるは誠に爾曹に告ん我と音の爲に家宅あるひは兄弟あるかは姉妹あるひは父あるひは母あるひは妻あるひは兒女あるひは田疇を舍る
三十 この世にて百倍を受ざるなしち家宅、兄弟、妹、母、兒女、田疇を迫害と共に受又後の世には窮なき生を受ん
馬太傳iケ書第一九章
二九 凡て我名の爲に家宅あるひは兄弟あるひは姉妹あるひは父あるひは母あるひは妻あるひは子あるひは田疇を棄るは百倍を受かつ窮なき生を嗣ん
路加傳iケ書第一八章
二八 ペテロ曰けるは我一切を捨て爾に從へり
二九 イエス彼等に曰けるは誠に爾曹にん凡そ~の國の爲に家あるひは父母あるひは兄弟あるひは妻あるひは兒女を捨る
三十 今世にて幾倍ふうけ來世には永生を受ざるなし
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
マルコ傳iケ書第一〇章
二八 ペテロ、イエスに對ひて『我らは一切をすてて汝に從ひたり』と言ひ出でたれば、
二九 イエス言ひ給ふ、『まことに汝らにぐ、我がため、音のために、或は家、或は兄弟、あるひは妹、或は父、或は母、或は子、或は田畑をすつるは、
 誰にても今、今の時に百倍を受けぬはなし。ち家兄弟・姊田畑を迫害と共に受け、また後の世にては、永遠の生命を受けぬはなし。
マタイ傳iケ書第一九章
二九 また凡そ我が名のために或は家、或は兄弟、あるひは妹、あるひは父、或は母、或は子、或は田畑を棄つるは數倍を受け、また永遠の生命を嗣がん。
ルカ傳iケ書第一八章
二八 ペテロ言ふ『よ我等わが物をすてて汝に從へり』
二九 イエス言ひ給ふ『われ誠に汝らにぐ、~の國のために、或は家、或は妻、或は兄弟、あるひは兩親、あるひは子を棄つるは、誰にても、
 今の時に數倍を受け、また後の世にて、永遠の生命を受けぬはなし』
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
マルコによる福音書第一〇章
二八 ペテロがイエスに言い出した、「ごらんなさい、わたしたちはいっさいを捨てて、あなたに従って参りました」。
二九 イエスは言われた、「よく聞いておくがよい。だれでもわたしのために、また福音のために、家、兄弟、姉妹、母、父、子、もしくは畑を捨てた者は、
三〇 必ずその百倍を受ける。すなわち、今この時代では家、兄弟、姉妹、母、子および畑を迫害と共に受け、また、きたるべき世では永遠の生命を受ける。
マタイによる福音書第一九章
二九 おおよそ、わたしの名のために、家、兄弟、姉妹、父、母、子、もしくは畑を捨てた者は、その幾倍もを受け、また永遠の生命を受けつぐであろう。
ルカによる福音書第一八章
二八 ペテロが言った、「ごらんなさい、わたしたちは自分のものを捨てて、あなたに従いました」。
二九 イエスは言われた、「よく聞いておくがよい。だれでも神の国のために、家、妻、兄弟、両親、子を捨てた者は、
三〇 必ずこの時代ではその幾倍もを受け、また、きたるべき世では永遠の生命を受けるのである」。
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