|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
四つの福音書による一つのイエス物語192 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました |
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます |
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています |
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
* |
192 |
* |
大金持に言う「財産を全て施せ」 |
* |
上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか |
|
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ |
ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ |
ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ |
ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ |
|
馬可傳iケ書 |
馬太傳iケ書 |
路加傳iケ書 |
約翰傳iケ書 |
|
マルコ傳iケ書 |
マタイ傳iケ書 |
ルカ傳iケ書 |
ヨハネ傳iケ書 |
|
マルコによる福音書 |
マタイによる福音書 |
ルカによる福音書 |
ヨハネによる福音書 |
|
10;17〜22 |
19;16〜22 |
18;18〜23 |
|
第一〇章一七〜二二節 |
第一九章一六〜二二節 |
第一八章一八〜二三節 |
* |
英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう |
|
馬可傳iケ書第一〇章 |
|
十七 イエス途に出けるに一人はしり來りて跪き問けるは善師よ我かぎりなき生命を嗣ために何を行べき乎 |
|
十八 イエス彼に曰けるは何ぞ我を善と稱や一人の外に善者はなし即ち~なり |
|
十九 誡は爾が識とこるなり姦淫する勿れ殺なかれ盜なかれ妄の證を立る勿れ拐騙なかれ爾の父と母を敬へ |
|
二十 答て曰けるは師よ是みな我が幼きより守れるもの也 |
|
二一 イエス彼を見て愛み曰けるは爾なは一を虧ゆきて其所有をうり貧者に施せ然げ天に於て財あらん而して來り十字架を操て我に從へ |
|
二二 彼この言に因て哀み憂て去ぬ彼は大なる產業を有る者なればなり |
|
|
馬太傳iケ書第一九章 |
|
|
十六 或人きたりて彼に曰けるは善師よ我かぎりなき生を得んが爲には何の善事を行べきか |
|
|
十七 彼に曰けるは何故われを善と稱や一人の外に善者はなし即ち~なり若し生命に入んと欲はゞ誡を守るべし |
|
|
十八 彼こたへけるは何かイエス曰けるは殺す勿れ姦淫する勿れ盜む勿れ妄りの證を立る勿れ |
|
|
十九 爾の父と母を敬へ又己の如く爾の隣を愛すべし |
|
|
二十 少者かれに曰けるは是みな我いとけなきより守れるものなり何の虧たるところ我にある乎 |
|
|
二一 イエス彼に曰けるは全からん事を欲はゞ往て爾が所有を售て貧者に施せ然れば天に於て財あらん而して來り我に從へ |
|
|
二二 少者この言を聞て憂へ去ぬ彼の産業おほいなりければ也 |
|
|
|
路加傳iケ書第一八章 |
|
|
|
十八 或宰とふて曰けるは善師よ永生を嗣ために我なにを行べき乎 |
|
|
|
十九 イエス彼に曰けるは何ぞ我を善と稱や一の外に善者はなし即ち~なり |
|
|
|
二十 誡は爾が知ところなり姦淫する勿れ殺なかれ竊なかれ妄證を立る勿れ爾の父と母とを敬へ |
|
|
|
二一 答けるは是みな我幼より守れる者なり |
|
|
|
二二 イエス之を聞て曰けるは爾なほ一を虧その所有を悉く售て貧者に施せ然ば天に於て財あらん而して來り我に從へ |
|
|
|
二三 かれ大に富る者なりしかば之を聞て甚く憂たり |
* |
日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう |
|
マルコ傳iケ書第一〇章 |
|
一七 イエス途に出で給ひしに、一人はしり來り跪づきて問ふ『善き師よ、永遠の生命を嗣ぐためには、我なにを爲すべきか』 |
|
一八 イエス言ひ給ふ『なにゆゑ我を善しと言ふか、~ひとりの他に善き者なし。 |
|
一九 誡命は汝が知るところなり「殺すなかれ」「姦淫するなかれ」「盜むなかれ」「僞證を立つるなかれ」「欺き取るなかれ」「汝の父と母とを敬へ」』 |
|
二〇 彼いふ『師よ、われ幼き時より皆これを守れり』 |
|
二一 イエス彼に目をとめ、愛しみて言ひ給ふ『なんぢ尙ほ一つを缺く、往きて汝の有てる物を、ことごとく賣りて、貧しき者に施せ、さらば財寳を天に得ん。且きたりて我に從へ』 |
|
二二 この言によりて、彼は憂を催し、悲しみつつ去りぬ、大なる資產をもてる故なり。 |
|
|
マタイ傳iケ書第一九章 |
|
|
一六 視よ、或人みもとに來りて言ふ『師よ、われ永遠の生命をうる爲には如何なる善き事を爲すべきか』 |
|
|
一七 イエス言ひたまふ『善き事につきて何ぞ我に問ふか、善き者は唯ひとりのみ。汝もし生命に入らんと思はば誡命を守れ』 |
|
|
一八 彼いふ『孰れを』イエス言ひたまふ『「殺すなかれ」「姦淫するなかれ」「盜むなかれ」「僞證を立つる勿れ」 |
|
|
一九 「父と母とを敬へ」また「己のごとく汝の隣を愛すべし」』 |
|
|
二〇 その若者いふ『我みな之を守れり、なは何を缺くか』 |
|
|
二一 イエス言ひたまふ『なんぢ若し全からんと思はば、往きて汝の所有を賣りて貧しき者に施せ、さらば財寳を天に得ん。かつ來りて我に從へ』 |
|
|
二二 この言をききて若者、悲しみつつ去りぬ。大なる資產を有てる故なり。 |
|
|
|
ルカ傳iケ書第一八章 |
|
|
|
一八 或司、問ひて言ふ『善き師よ、われ何をなして永遠の生命を嗣ぐべきか』 |
|
|
|
一九 イエス言ひ給ふ『なにゆゑ我を善しと言ふか、~ひとりの他に善き者なし。 |
|
|
|
二〇 誠命は、なんぢが知る所なり「姦淫するなかれ」「殺すなかれ」「盜むなかれ」「僞證を立つる勿れ」「なんぢの父と母とを敬へ」』 |
|
|
|
二一 彼いふ『われ幼き時より皆これを守れり』 |
|
|
|
二二 イエス之をききて言ひたまふ『なんぢなほ足らぬこと一つあり、汝の有てる物を、ことごとく賣りて貧しき者に分ち與へよ、然らば財寳を天に得ん。かつ來りて我に從へ』 |
|
|
|
二三 彼は之をききて甚く悲しめり、大に富める者なればなり。 |
* |
日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう |
|
マルコによる福音書第一〇章 |
|
一七 イエスが道に出て行かれると、ひとりの人が走り寄り、みまえにひざまずいて尋ねた、「よき師よ、永遠の生命を受けるために、何をしたらよいでしょうか」。 |
|
一八 イエスは言われた、「なぜわたしをよき者と言うのか。神ひとりのほかによい者はいない。 |
|
一九 いましめはあなたの知っているとおりである。『殺すな、姦淫するな、盗むな、偽証を立てるな。欺き取るな。父と母とを敬え』」。 |
|
二〇 すると、彼は言った、「先生、それらの事はみな、小さい時から守っております」。 |
|
二一 イエスは彼に目をとめ、いつくしんで言われた、「あなたに足りないことが一つある。帰って、持っているものをみな売り払って、貧しい人々に施しなさい。そうすれば、天に宝を持つようになろう。そして、わたしに従ってきなさい」。 |
|
二二 すると、彼はこの言葉を聞いて、顔を曇らせ、悲しみながら立ち去った。たくさんの資産を持っていたからである。 |
|
|
マタイによる福音書第一九章 |
|
|
一六 すると、ひとりの人がイエスに近寄ってきて言った、「先生、永遠の生命を得るためには、どんなよいことをしたらいいでしょうか」。 |
|
|
一七 イエスは言われた、「なぜよい事についてわたしに尋ねるのか。よいかたはただひとりだけである。もし命に入りたいと思うなら、いましめを守りなさい」。 |
|
|
一八 彼は言った、「どのいましめですか」。イエスは言われた、「『殺すな、姦淫するな、盗むな、偽証を立てるな。 |
|
|
一九 父と母とを敬え』。また『自分を愛するように、あなたの隣り人を愛せよ』」。 |
|
|
二〇 この青年はイエスに言った、「それはみな守ってきました。ほかに何が足りないのでしょう」。 |
|
|
二一 イエスは彼に言われた、「もしあなたが完全になりたいと思うなら、帰ってあなたの持ち物を売り払い、貧しい人々に施しなさい。そうすれば、天に宝を持つようになろう。そして、わたしに従ってきなさい」。 |
|
|
二二 この言葉を聞いて、青年は悲しみながら立ち去った。たくさんの資産を持っていたからである。 |
|
|
|
ルカによる福音書第一八章 |
|
|
|
一八 また、ある役人がイエスに尋ねた、「よき師よ、何をしたら永遠の生命が受けられましょうか」。 |
|
|
|
一九 イエスは言われた、「なぜわたしをよき者と言うのか。神ひとりのほかによい者はいない。 |
|
|
|
二〇 いましめはあなたの知っているとおりである、『姦淫するな、殺すな、盗むな、偽証を立てるな、父と母とを敬え』」。 |
|
|
|
二一 すると彼は言った、「それらのことはみな、小さい時から守っております」。 |
|
|
|
二二 イエスはこれを聞いて言われた、「あなたのする事がまだ一つ残っている。持っているものをみな売り払って、貧しい人々に分けてやりなさい。そうすれば、天に宝を持つようになろう。そして、わたしに従ってきなさい」。 |
|
|
|
二三 彼はこの言葉を聞いて非常に悲しんだ。大金持であったからである。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
Office Murakami |