四つの福音書による一つのイエス物語191
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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「神の国は幼な子のような人たちのもの」
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
10;13〜16 19;13〜15 18;15〜17
第一〇章一三〜一六節 第一九章一三〜一五節 第一八章一五〜一七節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
馬可傳iケ書第一〇章
十三 イエスに撫れんがため人孩提を携來ければ弟子等その携來れるを責めたり
十四 イエス之を見て怒を含かれらに曰けるは孩堤を我に來せよ彼等を禁る勿れ~の國に居ものは斯の如きなり
十五 誠に我なんぢらに告ん凡そ孩提の如くに~の國を承ざるは之に入ことを得ざる也
十六 ち彼等を抱て手をその上に按これをせり
馬太傳iケ書第一九章
十三 其とき人イエスの手を按てらんことを求ひ兒を彼に携來りければ弟子是を阻たり
十四 イエス曰けるは兒を容せ我に來ることを禁しむる勿れ天國にをるは此の如きなり
十五 ち彼等に手を按て此を去ぬ
路加傳iケ書第一八章
十五 イエスに按られんがため人々嬰孩を携來りしに弟子たち見て之を責たり
十六 イエス孩を呼び弟子に曰けるは孩を我に來せよ彼等を禁る勿れ~の國に居は此の如きなり
十七 誠に爾曹にん凡そ孩の如に~の國を承ざるは之に入ことを得ざる也
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
マルコ傳iケ書第一〇章
一三 イエスの觸り給はんことを望みて、人幼兒らを連れ來りしに、弟子たち禁めたれば、
一四 イエス之を見、いきどほりて言ひたまふ『幼兒らの我に來るを許せ、止むな、~の國は斯のごときの國なり。
一五 誠に汝らにぐ、凡そ幼兒の如くに~の國をうくるならずば、之に入ること能はず』
一六 斯て幼兒を抱き、手をその上におきてし給へり。
マタイ傳iケ書第一九章
一三 爰に人イエスの手をおきてり給はんことを望みて、幼兒らを連れ來りしに、弟子たち禁めたれば、
一四 イエス言ひたまふ『幼兒らを許せ、我に來るを止むな、天國は斯のごときの國なり』
一五 斯て手を彼らの上におきて此處を去り給へり。
ルカ傳iケ書第一八章
一五 イエスの觸り給はんことを望みて、人々嬰兒らを連れ來りしに、弟子たち之を見て禁めたれば、
一六 イエス幼兒らを呼びよせて言ひたまふ『幼兒らの我に來るを許して止むな、~の國は斯のごときの國なり。
一七 われ誠に汝らにぐ、おほよそ幼兒のごとくに、~の國をうくるならずば、之に入ること能はず』
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
マルコによる福音書第一〇章
一三 イエスにさわっていただくために、人々が幼な子らをみもとに連れてきた。ところが、弟子たちは彼らをたしなめた。
一四 それを見てイエスは憤り、彼らに言われた、「幼な子らをわたしの所に来るままにしておきなさい。止めてはならない。神の国はこのような者の国である。
一五 よく聞いておくがよい。だれでも幼な子のように神の国を受けいれる者でなければ、そこにはいることは決してできない」。
一六 そして彼らを抱き、手をその上において祝福された。
マタイによる福音書第一九章
一三 そのとき、イエスに手をおいて祈っていただくために、人々が幼な子らをみもとに連れてきた。ところが、弟子たちは彼らをたしなめた。
一四 するとイエスは言われた、「幼な子らをそのままにしておきなさい。わたしのところに来るのをとめてはならない。天国はこのような者の国である」。
一五 そして手を彼らの上においてから、そこを去って行かれた。
ルカによる福音書第一八章
一五 イエスにさわっていただくために、人々が幼な子らをみもとに連れてきた。ところが、弟子たちはそれを見て、彼らをたしなめた。
一六 するとイエスは幼な子らを呼び寄せて言われた、「幼な子らをわたしのところに来るままにしておきなさい、止めてはならない。神の国はこのような者の国である。
一七 よく聞いておくがよい。だれでも幼な子のように神の国を受け入れる者でなければ、そこにはいることは決してできない」。
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