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四つの福音書による一つのイエス物語181 |
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マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました |
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます |
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています |
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました |
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181 |
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身代を食いつぶした息子の譬を語る |
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか |
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ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ |
ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ |
ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ |
ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ |
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馬可傳iケ書 |
馬太傳iケ書 |
路加傳iケ書 |
約翰傳iケ書 |
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マルコ傳iケ書 |
マタイ傳iケ書 |
ルカ傳iケ書 |
ヨハネ傳iケ書 |
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マルコによる福音書 |
マタイによる福音書 |
ルカによる福音書 |
ヨハネによる福音書 |
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15;11〜32 |
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第一五章一一〜三二節 |
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう |
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路加傳iケ書第一五章 |
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十一 また曰けるは或人子二人あり |
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十二 その季子父に曰けるは父よ我得べき業を我に分予よ父その產を彼等に分たれば |
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十三 幾日も過ざるに季子その產を盡く集て遠國へ旅行せしが放蕩にして其分資を皆そこにて耗せり |
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十四 盡く耗しゝとき大なる饑饉その地に有て彼ともしく爲はじめければ |
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十五 往て其地の一民に身を投たり其人豕を牧ために彼を野に遣せり |
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十六 かれ豕の食する所の豆莢をもて己が腹を果さんと欲ふほどなれど何をも彼に予る人なし |
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十七 自ら省悟て曰けるは我父の所には食物あまれる傭人の許多か有に我は飢て死んとす |
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十八 起て我父に往て曰ん父よ我天と爾の前に罪を犯たれば |
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十九 爾の子と稱るに足ざる者なり爾の傭人の一人の如く我を爲たまへと |
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二十 即ち起て其父に往り尙とほく有しに其父かれを見て憫み趨往其頸を抱て接吻しぬ |
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二一 子父に曰けるは父よ我天と爾の前に罪を犯たれば爾の子と稱るに足ざる也 |
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二二 父その僕等に曰けるは至も美服を携來りて之に衣せ其指に環をはめ其足に履を穿せよ |
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二三 また肥たる犢を牽來りて宰れ我儕食して樂まん |
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二四 是わが子死て復生うしなひて復得たれば也とて彼等と共に樂み始む |
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二五 その兄田に在しが歸て家に近き樂と舞の音を聞 |
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二六 その僕の一人を召て是何事ぞやと問るに |
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二七 僕曰けるは爾の弟歸りたり恙なく彼を得たりしに因て爾が父肥たる犢を宰たるなり |
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二八 兄いかりて入ず是故に其父いでゝ彼に勸しかば |
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二九 父に答て曰けるは我多年なんぢに事て未だ爾の命に背ず然ども我友と樂む爲に羔をも予し事なし |
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三十 然に妓の爲に爾の業を耗したる此なんぢが子かへれば之が爲に肥たる犢を宰れり |
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三一 父かれに曰けるは子よ爾は常に我と共に在また我所在は皆なんぢの屬なり |
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三二 爾の弟死て復生うしなひて復得たるが故に我儕喜て樂むは當然の事なり |
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう |
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ルカ傳iケ書第一五章 |
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一一 また言ひたまふ『或人に二人の息子あり、 |
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一二 おとうと父に言ふ「父よ、財產のうち我が受くべき分を我にあたへよ」父その身代を二人に分けあたふ。 |
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一三 幾日も經ぬに、弟おのが物をことごとく集めて、遠國にゆき、其處にて放蕩にその財產を散せり。 |
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一四 ことごとく費したる後、その國に大なる饑饉おこり、自ら乏しくなり始めたれば、 |
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一五 往きて其の地の或人に依附りしに、其の人かれを畑に遣して豚をはしむ。 |
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一六 かれ豚の食ふ蝗豆にて、己が腹を充さんと思ふ程なれど何をも與ふる人なかりき。 |
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一七 此のとき我に反りて言ふ「わが父の許には食物あまれる雇人いくばくぞや、然るに我は飢ゑてこの處に死なんとす。 |
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一八 起ちて我が父にゆき「父よ、われは天に對し、また汝の前に罪を犯したり。 |
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一九 今より汝の子と稱へらるるに相應しからず、雇人の一人のごとく爲し給へ」と言はん」 |
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二〇 乃ち起ちて其の父のもとに往く。なほ遠く隔りたるに、父これを見て憫み、走りゆき、其の頸を抱きて接吻せり。 |
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二一 子、父にいふ「父よ、我は天に對し又なんぢの前に罪を犯したり。今より汝の子と稱へらるるに相應しからず」 |
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二二 然れど父、僕どもに言ふ「とくとく最上の衣を持ち來りて之に著せ、その手に指輪をはめ、其の足に鞋をはかせよ。 |
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二三 また肥えたる犢を牽ききたりて屠れ、我ら食して樂しまん。 |
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二四 この我が子、死にて復生き、失せて復得られたり」斯て、かれら樂しみ始む。 |
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二五 然るに其の兄、畑にありしが、歸りて家に近づきたるとき、音樂と舞蹈との音を聞き、 |
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二六 僕の一人を呼びてその何事なるかを問ふ。 |
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二七 答へて言ふ「なんぢの兄弟、歸りたり、その恙なきを迎へたれば、汝の父、肥えたる犢を屠れるなり」 |
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二八 兄、怒りて內に入ることを好まざりしかば、父いでて勸めLに、 |
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二九 答へて父に言ふ「視よ、我は幾歲も、なんぢに仕へて、未だ汝の命令に背きし事なきに、我には小山羊一匹だに與へて友と樂しましめし事なし。 |
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三〇 然るに遊女らと共に、汝の身代を食ひ盡したる此の汝の子、歸り來れば、之がために肥えたる犢を屠れり」 |
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三一 父いふ「子よ、なんぢは常に我とともに在り、わが物は皆なんぢの物なり。 |
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三二 然れど此の汝の兄弟は死にて復生き、失せて復得られたれば、我らの樂しみ喜ぶは當然なり』 |
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう |
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ルカによる福音書第一五章 |
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一一 また言われた、「ある人に、ふたりのむすこがあった。 |
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一二 ところが、弟が父親に言った、『父よ、あなたの財産のうちでわたしがいただく分をください』。そこで、父はその身代をふたりに分けてやった。 |
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一三 それから幾日もたたないうちに、弟は自分のものを全部とりまとめて遠い所へ行き、そこで放蕩に身を持ちくずして財産を使い果した。 |
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一四 何もかも浪費してしまったのち、その地方にひどいききんがあったので、彼は食べることにも窮しはじめた。 |
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一五 そこで、その地方のある住民のところに行って身を寄せたところが、その人は彼を畑にやって豚を飼わせた。 |
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一六 彼は、豚の食べるいなご豆で腹を満たしたいと思うほどであったが、何もくれる人はなかった。 |
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一七 そこで彼は本心に立ちかえって言った、『父のところには食物のあり余っている雇人が大ぜいいるのに、わたしはここで飢えて死のうとしている。 |
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一八 立って、父のところへ帰って、こう言おう、父よ、わたしは天に対しても、あなたにむかっても、罪を犯しました。 |
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一九 もう、あなたのむすこと呼ばれる資格はありません。どうぞ、雇人のひとり同様にしてください』。 |
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二〇 そこで立って、父のところへ出かけた。まだ遠く離れていたのに、父は彼をみとめ、哀れに思って走り寄り、その首をだいて接吻した。 |
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二一 むすこは父に言った、『父よ、わたしは天に対しても、あなたにむかっても、罪を犯しました。もうあなたのむすこと呼ばれる資格はありません』。 |
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二二 しかし父は僕たちに言いつけた、『さあ、早く、最上の着物を出してきてこの子に着せ、指輪を手にはめ、はきものを足にはかせなさい。 |
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二三 また、肥えた子牛を引いてきてほふりなさい。食べて楽しもうではないか。 |
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二四 このむすこが死んでいたのに生き返り、いなくなっていたのに見つかったのだから』。それから祝宴がはじまった。 |
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二五 ところが、兄は畑にいたが、帰ってきて家に近づくと、音楽や踊りの音が聞えたので、 |
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二六 ひとりの僕を呼んで、『いったい、これは何事なのか』と尋ねた。 |
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二七 僕は答えた、『あなたのご兄弟がお帰りになりました。無事に迎えたというので、父上が肥えた子牛をほふらせなさったのです』。 |
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二八 兄はおこって家にはいろうとしなかったので、父が出てきてなだめると、 |
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二九 兄は父にむかって言った、『わたしは何か年もあなたに仕えて、一度でもあなたの言いつけにそむいたことはなかったのに、友だちと楽しむために子やぎ一匹も下さったことはありません。 |
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三〇 それだのに、遊女どもと一緒になって、あなたの身代を食いつぶしたこのあなたの子が帰ってくると、そのために肥えた子牛をほふりなさいました』。 |
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三一 すると父は言った、『子よ、あなたはいつもわたしと一緒にいるし、またわたしのものは全部あなたのものだ。 |
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三二 しかし、このあなたの弟は、死んでいたのに生き返り、いなくなっていたのに見つかったのだから、喜び祝うのはあたりまえである』」。 |
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Office Murakami |