四つの福音書による一つのイエス物語178
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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178
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罪にいざなうな者を戒める
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
9;42〜48 18;6〜9 17;1〜2
第九章四二〜四八節 第一八章六〜九節 第一七章一〜二節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
馬可傳iケ書第九章
四二 また凡そ我を信ずる小子の一人をするは其首に磨を懸られてに投入られん方その人の爲になほ善るべし
四三 若し爾の一手なんぢをかさば之を斷され兩手ありて地獄すなはち滅ざる火に往んよりは殘缺にて永生に入は爾の爲に善こと也
四四 彼處に入もの蟲つきず火きえず
四五 若なんぢの一足なんぢをかさば之を斷され兩足ありて地獄すなはち滅ざる火に投入られんよりは跛にて永生に入は爾の爲に善なり
四六 彼處に入もの蟲つきず火きえず
四七 もし爾の一眼なんぢをかさば之を拔いだせ兩眼ありて地獄の火に投入られんよりは一眼にて~の國に入は爾の爲に善なり
四八 彼處に入もの蟲つきず火きえず
馬太傳iケ書第一八章
六 然ど我を信ずる此小子の一人をかするは磨石をその頸に懸られての深に沈られん方なほuなるべし
七 此世はなる哉そはかする事をすればなりく事は必ず來らん然どを來らすなる哉
八 若し爾の手なんぢの足おのれをかさば斷て之を棄よ兩手兩足ありて盡ざる火に投入られんよりは跛または殘缺にて生に入は善なり
九 もし爾の眼おのれをかさば拔出して之を棄よ兩眼ありて地獄の火に投入られんよりは一眼にて生に入は善なり
路加傳iケ書第一七章
一 イエス弟子に曰けるはさる事かならず來らん其を來らすなる哉
二 この小子の一人をするよりは磨石を頸に懸られて海に投入られんこと其人の爲に宜るべし
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
マルコ傳iケ書第九章
四二 また我を信ずる此の小きの一人をかするは、寧ろ大なる臼を頸に懸けられて、に投げ入れられんかた勝れり。
四三 もし汝の手なんぢをかせば、之を切り去れ、不具にて生命に入るは、兩手ありて、ゲヘナの消えぬ火に往くよりも勝るなり。
四四 
四五 もし汝の足なんぢをかせば、之を切り去れ、蹇跛にて生命に入るは、兩足ありてゲヘナに投げ入れらるるよりも勝るなり。
四六 
四七 もし汝の眼なんぢをかせば、之をき出だせ、片眼にて~の國に入るは、兩眼ありてゲヘナに投げ入れらるるよりも勝るなり。
四八 「彼處にては、そのつきず、火も消えぬなり」
マタイ傳iケ書第一八章
六 然れど我を信ずる此の小きの一人をかするは、寧ろ大なる臼を頸に懸けられ、の深處に沈められんかたuなり。
七 この世は物あるによりて害なるかな。物は必ず來らん、されど物を來らする人は害なるかな。
八 もし汝の手、または足、なんぢをかせば、切りて棄てよ。不具または蹇跛にて生命に入るは、兩手兩足ありて永遠の火に投げ入れらるるよりも勝るなり。
九 もし汝の眼、なんぢをかせばきて棄てよ。片眼にて生命に入るは、兩眼ありて火のゲヘナに投げ入れらるるよりも勝るなり。
ルカ傳iケ書第一七章
一 イエス弟子たちに言ひ給ふ『物は必ず來らざるを得ず、されど之を來らする害なるかな。
二 この小きの一人をかするよりは、寧ろ臼の石を頸に懸けられて、に投げ入れられんかた善きなり。
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
マルコによる福音書第九章
四二 また、わたしを信じるこれらの小さい者のひとりをつまずかせる者は、大きなひきうすを首にかけられて海に投げ込まれた方が、はるかによい。
四三 もし、あなたの片手が罪を犯させるなら、それを切り捨てなさい。両手がそろったままで地獄の消えない火の中に落ち込むよりは、片手になって命に入る方がよい。
四四 〔地獄では、うじがつきず、火も消えることがない。〕
四五 もし、あなたの片足が罪を犯させるなら、それを切り捨てなさい。両足がそろったままで地獄に投げ入れられるよりは、片足で命に入る方がよい。
四六 〔地獄では、うじがつきず、火も消えることがない。〕
四七 もし、あなたの片目が罪を犯させるなら、それを抜き出しなさい。両眼がそろったままで地獄に投げ入れられるよりは、片目になって神の国に入る方がよい。
四八 地獄では、うじがつきず、火も消えることがない。
マタイによる福音書第一八章
六 しかし、わたしを信ずるこれらの小さい者のひとりをつまずかせる者は、大きなひきうすを首にかけられて海の深みに沈められる方が、その人の益になる。
七 この世は、罪の誘惑があるから、わざわいである。罪の誘惑は必ず来る。しかし、それをきたらせる人は、わざわいである。
八 もしあなたの片手または片足が、罪を犯させるなら、それを切って捨てなさい。両手、両足がそろったままで、永遠の火に投げ込まれるよりは、片手、片足になって命に入る方がよい。
九 もしあなたの片目が罪を犯させるなら、それを抜き出して捨てなさい。両眼がそろったままで地獄の火に投げ入れられるよりは、片目になって命に入る方がよい。
ルカによる福音書第一七章
一 イエスは弟子たちに言われた、「罪の誘惑が来ることは避けられない。しかし、それをきたらせる者は、わざわいである。
二 これらの小さい者のひとりを罪に誘惑するよりは、むしろ、ひきうすを首にかけられて海に投げ入れられた方が、ましである。
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