四つの福音書による一つのイエス物語164
マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの四つの福音書を一つのイエス物語に纏めました
マルコ→マタイ→ルカ→ヨハネの順にイエス物語は発展していきます
物語の初めから終りまでを331の話に分け話の一つ一つを四福音書の日本語訳を並べる形で紹介しています
福音書の日本語訳は英国聖書會社「新約全書」(明治三十九年発行)、日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)、日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)を並べて比較できるようにしました
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十人の癩病人を癒す
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上の言葉が四福音書の中でどう記されているか、記されていないか
ΚΑΤΑ ΜΑΡΚΟΝ  ΚΑΤΑ ΜΑΤΘΑΙΟΝ ΚΑΤΑ ΛΟΥΚΑΝ ΚΑΤΑ ΙΩΑΝΝΗΝ
馬可傳iケ書 馬太傳iケ書 路加傳iケ書 約翰傳iケ書
マルコ傳iケ書 マタイ傳iケ書 ルカ傳iケ書 ヨハネ傳iケ書
マルコによる福音書 マタイによる福音書 ルカによる福音書 ヨハネによる福音書
17;11〜19
第一七章一一〜一九節
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英国聖書會社「舊新約全書」(明治三十九年発行)の「新約全書」で見てみましょう
路加傳iケ書第一七章
十一 イエス エルサレムに往ときサマリアとガリラヤの中を經
十二 ある村に入しとき十人の癩ありて彼にあひ遙に立て聲を揚いひけるは
十三 師イエスよ我を矜恤たまへ
十四 イエス之を見て曰けるは往て己を祭司に見せよ彼等ゆく間に潔られたり
十五 その一人己が醫されたるを見て返來り大聲に~を榮め
十六 イエスの足下に俯伏て謝せり彼はサマリヤ人なり
十七 イエス答て曰けるは潔られしは十人に非や其九人は何處に在か
十八 この異邦人の外に~に榮を歸せんとて返たるあらざる乎
十九 また彼に曰けるは起て往なんぢの信仰なんぢを救り
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日本聖書協會「新約聖書」改譯(大正六年)で見てみましょう
ルカ傳iケ書第一七章
一一 イエス、エルサレムに往かんとて、サマリヤとガリラヤとの間をとほり、
一二 或村に入り給ふとき、十人の癩病人これに遇ひて、遙に立ち止まり、
一三 聲を揚げて言ふ『君イエスよ、我らを憫みたまへ』
一四 イエス之を見て言ひたまふ『なんぢら往きて身を祭司らに兒せよ』彼ら往く間に潔められたり。
一五 その中の一人、おのが醫されたるを見て、大聲に~を崇めつつ歸りきたり、
一六 イエスの足下に平伏して謝す。これはサマリヤ人なり。
一七 イエス答へて言ひたまふ『十人みな潔められしならずや、九人は何處に在るか。
一八 この他國人のほかは、~に榮光を歸せんとて歸りきたるなきか』
一九 斯て之に言ひたまふ『起ちて往け、なんぢの信仰なんぢを救へり』
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日本聖書協会「新約聖書」口語訳(昭和二十九年)で見てみましょう
ルカによる福音書第一七章
一一 イエスはエルサレムへ行かれるとき、サマリヤとガリラヤとの間を通られた。
一二 そして、ある村にはいられると、重い皮膚病にかかった十人の人に出会われたが、彼らは遠くの方で立ちとどまり、
一三 声を張りあげて、「イエスさま、わたしたちをあわれんでください」と言った。
一四 イエスは彼らをごらんになって、「祭司たちのところに行って、からだを見せなさい」と言われた。そして、行く途中で彼らはきよめられた。
一五 そのうちのひとりは、自分がいやされたことを知り、大声で神をほめたたえながら帰ってきて、
一六 イエスの足もとにひれ伏して感謝した。これはサマリヤ人であった。
一七 イエスは彼にむかって言われた、「きよめられたのは、十人ではなかったか。ほかの九人は、どこにいるのか。
一八 神をほめたたえるために帰ってきたものは、この他国人のほかにはいないのか」。
一九 それから、その人に言われた、「立って行きなさい。あなたの信仰があなたを救ったのだ」。
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